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遠海事件 の商品レビュー

4.2

23件のお客様レビュー

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2023/09/25

この何とも言えない読後感が良い。 たった一人の凡庸な男にどうして惹かれてしまうのか。 結局のところ“佐藤誠”とはどんな人間だったのだろうか。 提示された答えを信じればいいのに読者を納得させるために用意された最適解なのでは?と、つい邪推してしまう。 詠坂さんの作品にハマりそう、とい...

この何とも言えない読後感が良い。 たった一人の凡庸な男にどうして惹かれてしまうのか。 結局のところ“佐藤誠”とはどんな人間だったのだろうか。 提示された答えを信じればいいのに読者を納得させるために用意された最適解なのでは?と、つい邪推してしまう。 詠坂さんの作品にハマりそう、というかもうハマってる気がする。

Posted byブクログ

2023/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

有能な書店員として過ごしてきた彼の裏の顔は86人もの人間を殺したシリアルキラーだった。 証拠も遺体も完璧に処理し、警察に事件とすら認識させない彼の仕事の中で、唯一異端とも言える事件が「遠海事件」。 遺体の首を切って持ち去るという謎の行動、殺人鬼佐藤誠はなぜ首を切断したのか? 直球なワイダニットがここに。  ここまでワイダニットに凝った作品は珍しい、どうしてもハウやフーに比べると謎の大きさという点で劣りがちだが本作は申し分ない出来である。 佐藤誠、本事件を解くには彼を知る必要があった。 平凡な名前を活かした後付けのアリバイは面白いと思いましたし(実際は行っていないが)、首切りの真相は恩師の名誉と会社の防衛という一見すると立派なようでそこには死体を目の前にしながらも自分にとっての最善の結果を求めるという冷静で利己的な86人殺しに相応しい動機が隠れていました。 単に首切りの談義ではなく、一人の人間に焦点を当てて初めて解ける真相は佐藤誠に関するワイダニットとして非常に完成度が高くなっています。

Posted byブクログ

2022/11/29

86件の殺人を自供した殺人鬼佐藤誠 佐藤誠の事件のなかであらゆる意味で例外の遠海事件 なぜ首を切断したのか なぜ自ら通報したのか

Posted byブクログ

2022/09/05

5A73が面白かったので、他のも読みたくて。 こちらもひとつの謎で引っ張っていく話で、タイトルのなぜ、が分かったときはうんうんそうだと納得の理由でよかったです。ラストのあれには、こいつ〜!と思っちゃった。

Posted byブクログ

2022/08/31

 ゲームとミステリが好きなので「インサート・コイン(ズ)」を読み、その続編の気持ちで「ナウ・ローディング」を読んだら、この事件を語るシーンが割と重要っぽくあり、イラッときたので遡って読んでみた動機。  普通なタイトルに、本格好きにはやや食傷気味のテーマをはらんだサブタイトルにやや...

 ゲームとミステリが好きなので「インサート・コイン(ズ)」を読み、その続編の気持ちで「ナウ・ローディング」を読んだら、この事件を語るシーンが割と重要っぽくあり、イラッときたので遡って読んでみた動機。  普通なタイトルに、本格好きにはやや食傷気味のテーマをはらんだサブタイトルにやや偏見を持ちつつ読み始めた。  淡々と冷静に何十件もの殺人を殺人があった事すら気付かせないほど徹底した手口で繰り返す、佐藤誠が首切り屍体を残した理由を、社会派小説を装った「ド本格」で巧みに織り込んだ傑作。  殺すならば、完璧が礼儀。

Posted byブクログ

2022/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ありふれた名前を利用した場当たり的アリバイトリックも面白いし、「案ずることなく死なせてあげるために子供を殺してあげた」というダミーの真相もかなり驚いたが、「殺しに見せかけるだの首切り」という発想にはさらに驚いた。 佐藤誠は何百人もの人間を殺している。それ自体がミスディレクションとなり、読者に歪んだ先入観を植えつける。 詠坂雄二さんは処女作があまり合わなかったのだが、これはかなり面白かった。

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2020/12/13

遠海事件 登場人物 水谷育 12 中学生 佐藤誠 20 時野将自 20 書店アルバイト 新村光次28 本屋同僚 蛎塚亮一 専務 阿比留 43 刑事 松代 44 刑事 有田智世 57 小学生被害者 有田亜衣子 78 智世の母 蛎塚の元妻 吾妻 104 鑑識課員 沢木 176 刑事1...

遠海事件 登場人物 水谷育 12 中学生 佐藤誠 20 時野将自 20 書店アルバイト 新村光次28 本屋同僚 蛎塚亮一 専務 阿比留 43 刑事 松代 44 刑事 有田智世 57 小学生被害者 有田亜衣子 78 智世の母 蛎塚の元妻 吾妻 104 鑑識課員 沢木 176 刑事1課 月島凪 196 探偵

Posted byブクログ

2020/07/25

タイトルだけ見た時は、実話だと思っていた。 でも、本文もまるで実話であるかのように書かれていて、今まで読んだことがないタイプだったなぁ さすがにスッキリー!という終わりではないものの、なぜかオシャレなミステリーという印象。

Posted byブクログ

2020/06/19

久し振りに再読。実はなぜ首を切断したかと同じアイディアを私も持っていたが、それを補強する小説を書く力量がなかった。

Posted byブクログ

2019/03/22

29歳で逮捕、86件の殺人を認めた平成最悪の殺人者 佐藤誠。 自白をもってなお立証できないほど周到な完全犯罪の数々の中で際立って異質な、遠海事件の顛末をルポルタージュの体裁で描く。 佐藤誠にまつわる心惹かれる設定と人物像。 自然体で人を殺しバラす彼だからこそ生まれた首切りに対す...

29歳で逮捕、86件の殺人を認めた平成最悪の殺人者 佐藤誠。 自白をもってなお立証できないほど周到な完全犯罪の数々の中で際立って異質な、遠海事件の顛末をルポルタージュの体裁で描く。 佐藤誠にまつわる心惹かれる設定と人物像。 自然体で人を殺しバラす彼だからこそ生まれた首切りに対する逆説的な推理。 敢えて遠海事件にのみ焦点を絞り、佐藤誠逮捕に関する肝心なはずのエピソードをいくつか端折ってる事と 推理が宙ぶらりんに切り離されて結末には影響を及ぼさない事で得られる奇妙なクセの味わいも良し。 そして一つの物語の、余韻を含んだ見事なオチ。

Posted byブクログ