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動的平衡ダイアローグ の商品レビュー

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20件のお客様レビュー

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2021/09/04

 国語の授業は得意ではなかった。だが、今でも覚えている一節がある。 − 行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。−  ご存知、鴨長明『方丈記』の冒頭である。「常は無い=変わらないものなどない」と...

 国語の授業は得意ではなかった。だが、今でも覚えている一節がある。 − 行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。−  ご存知、鴨長明『方丈記』の冒頭である。「常は無い=変わらないものなどない」という、仏教の「無常観」がひしひしと伝わる、「古典日本三大随筆」のひとつである。  しかし、新しい一節を覚えた。この一節を目にした時、学生時代、退屈だった国語の授業で覚えた『方丈記』がフラッシュバックすると共に、新しい智慧を得た喜びでいっぱいになった。  「動的平衡」それである。  生命体は「わざと緩く作って、部分的に壊しながら作り替えていく」という戦略で、38億年もの長きにわたって秩序を維持し続けてきた。動きを止めず、小さな新陳代謝を重ねながらバランスを保つ。これを福岡伸一は「動的平衡」と呼んでいる。  つまり、生命は「変わらない為に変わり続けている」のである。  それは、鴨長明が『方丈記』で仏教の「無常」を表現したように、福岡伸一が本書で述べている生命もまた「無常」であったのだ。  コロナ禍で、人間関係が疎遠になっている昨今。久しぶりに知人と出会った時、「あなたは変わらないね」と言葉を交わすかも知れない。  しかし、本当は、自分も相手も既に変わってしまっている。  なぜなら、「常は無い」のだから。  

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2020/11/22

世界を静的に切り分けて命名することで理解するのではなく、常に動き続けるあり方として認識しようという話。生物学の世界に限らず、物理学・宗教・美術・建築など様々な分野にもこの問題意識があり、概念に言葉を与えようと模索が続けられていたことがわかる本だった。 もし動的平衡的な認識を人々が...

世界を静的に切り分けて命名することで理解するのではなく、常に動き続けるあり方として認識しようという話。生物学の世界に限らず、物理学・宗教・美術・建築など様々な分野にもこの問題意識があり、概念に言葉を与えようと模索が続けられていたことがわかる本だった。 もし動的平衡的な認識を人々ができるようになれば、「マスタープランがないと予算がつかない」みたいな硬直した習慣も無くなるのかもしれない。

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2019/09/30

人間の体は、分子レベルでは絶え間なく入れ替わっている動的平衡にある、と説く著者が、各界の8人の見識者とそれぞれの視点から動的平衡を論じる。対談の相手は、ノーベル文学賞受賞者のカズオ・イシグロ氏、個人から分人(相手によって自分が変わる)という概念を提起した作家の平野啓一郎氏、インフ...

人間の体は、分子レベルでは絶え間なく入れ替わっている動的平衡にある、と説く著者が、各界の8人の見識者とそれぞれの視点から動的平衡を論じる。対談の相手は、ノーベル文学賞受賞者のカズオ・イシグロ氏、個人から分人(相手によって自分が変わる)という概念を提起した作家の平野啓一郎氏、インフレーション宇宙論を提唱した物理学者の佐藤勝彦氏、芥川賞受賞者で僧侶の玄侑宗久氏、ベストセラー'銃・病原菌・鉄'の著者で生物学者のジャレド・ダイアモンド氏、建築家の隈研吾氏、ケルト文化に造詣の深い美術文明史家の鶴岡真弓氏、画家の千住博氏。細胞レベルでの動的平衡の仕組みのアナロジーとして、それぞれの専門分野で取り組んでいる内容が語られる。型にはまらない意見の投げ合いを通して、類似点が見出される。ダイナミズムそのものに着目する視座の移動が問われる。人間の体の中身が入れ替わりながらも、記憶が保存され、意識が影響を受けない謎が残る。

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2018/11/12

福岡さんの対談集。ジャレットダイアモンドとの対話が特に興味深かった。孫の養育を補助する存在としての高齢者(祖父母)の重要さや、ニューギニア人の交渉術などが特に興味を引いた。

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2018/08/31

動的平衡の著者とさまざまなジャンルのプロとの対談。エントロピー、システム思考の文脈で生命の連続性に興味を持って読んだ。 メモが多いからきっと面白かったんだろう笑 最近、厳密にMECEに分けることよりもむしろ、ストーリーとしてのつながりや自分の信念に沿っているかを大切にしたいとお...

動的平衡の著者とさまざまなジャンルのプロとの対談。エントロピー、システム思考の文脈で生命の連続性に興味を持って読んだ。 メモが多いからきっと面白かったんだろう笑 最近、厳密にMECEに分けることよりもむしろ、ストーリーとしてのつながりや自分の信念に沿っているかを大切にしたいとおもっている理由を言語化してくれるような本だった。 構成要素ではなく、要素のありようで語る 生命体はたまたまそこに密度が高まっている分子の緩い淀みでしかない 生命とは代謝の持続的変化 Howへの問いに答えることがwhyに答える鍵になる 私達は記憶の一貫性に世って自らの連続性を支えている 場面に応じた人格の集合体が個人 二十面体をだしわけるというより、動的に変化するイメージ。だから本当のじぶん探しは非現実 エンターテイメントは文化的パターンにのっとって、純文学は新しい価値を提示するもの 世界の全てがアルゴリズム的に解釈できるという考え方は見直すべき 世界は分けてもわからない 虹だって人の生死だって、人間が線引きを決めただけ 世の中はかわっているとかんがえても、そう思うじぶんも常に変化しているということはなかなか受け入れられない 守るべきものがあり、集団行動を大事にするほど体罰が重要視されるのでは 他人に迷惑をかけない、は日本的子育て なぜ閉経が起こるのかというと、高齢出産のリスクを避けてその時間で次の世代の面倒を見ること 過去から現代の進化の歴史は合目的に見えてその都度行ける方向に行っただけ 真っ白な紙なんて、どこにもない 予算という考え方が時代に合わないのかもしれない 芸術とは自己表現ではなく世界表現である 人間は世界の美を視覚に頼りすぎなんじゃないか 科学的に正しいか、なすべきか、美しいかという3段階の判断軸があるのでは?

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2017/02/05
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※このレビューにはネタバレを含みます

私たちの爪や髪の毛は絶えず新生し、新しいものと置き換えられている。そして、それらは身体のあらゆる部位で起こっているのである。 肉体というものは、分子レベルでは「淀み」でしかないのである。 「生命とは、互いに相反する動きの上に成り立つ動的な平衡=バランスである」それを強調した言葉として表現したのが、「動的平衡」という言葉である。 あまりに端折りすぎて、これだけでは到底理解しえないだろうけれど、私の理解も他人に説明するほどには及んでいない証拠である。 とにかく、そのような生命観は、世界観にも通じる。 それを、専門の異なる著名な(素晴らしい)8名との対談を通じて知ることができる。

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2016/03/04

細胞のどこに生命が宿っているのか? それを説明するのは、たやすくない。 生命の形態は 『動的平衡』であるとする。 動的平衡をめぐって 対話する。 対話する人は、それぞれ切り立った個性をもつ。 カズオイシグロ 記憶とは、死に対する部分的な勝利。 福岡伸一はいう。 『表現の解像度...

細胞のどこに生命が宿っているのか? それを説明するのは、たやすくない。 生命の形態は 『動的平衡』であるとする。 動的平衡をめぐって 対話する。 対話する人は、それぞれ切り立った個性をもつ。 カズオイシグロ 記憶とは、死に対する部分的な勝利。 福岡伸一はいう。 『表現の解像度が非常に高い』 『科学者(生物学者)はwhyにこたえられない。 Howを説明する。 これが科学の限界であり、科学のチカラの源。 Howの答があって、はじめて whyの答えることができる。』 『私は私である』というアイデンティティを支えるのが記憶。 『過去の自分といまの自分の連続性を保証する数少ない要素のひとつが記憶』 子供の頃の記憶は 守られていて ノスタルジーがある。 善人に囲まれている。 大人になることは、やさしさと善意に満ちあふれていないことをしる。 クローネンバーグ監督 ヒストリーオブバイオレンス 誰も私から記憶を奪うことはできない。 『私を離さないで』 平野啓一郎 複数の『私』を生きる。 個人は わけられない。individual。 個人の概念が生まれたのが、一神教 から始まる。 多重人格というが、人はその状況に対して、 自分を編集しなおして対応している。 つまり、いくつもの 私が存在する。 自分の一貫性とは、なんであるのか? 一貫性のない自己 という人間の持つ非合理性。 エンターテイメント  すでに知っていることを巧みに組み合わせて物語にする。 純文学 みんなが知っていると思い込んでいることを解体して 新しい価値を示すもの。 自然には 様々な変動や揺れ、曖昧さをはらんでいる。 因果律で すべてが 成り立っているとは言いがたい。 復讐と言う概念は 正しいのだろうか? 『必殺仕掛人』が 物語となるが、正義は? 佐藤勝彦 インフレーションする宇宙。 『宇宙には果てがない。 果てがあると思うと、その果ての向こうというものを考える。 それは矛盾になるから、果てはない。』 宇宙は 動的平衡の中にある。 『生物の進化は偶然に起こる。』 宇宙の歴史 138億年 地球の歴史 46億年 生命の歴史 38億年 6550万年前に 隕石が落ちた。 玄侑宗久 ゆらぐ 強さ。 科学とは 『分けて名付ける』作業。 『死』とは、見極めることができない。 『同時に起こる関係性;シンクロ二シティ』 ジャレットダイアモンド 昨日までの世界に 未来の知はある。 農耕社会には体罰があり、牧畜社会には最小限の体罰しかない。 体罰をしない 民族も存在する。 価値の高いものをつくっているところほど体罰がある。 日本の教育 『ウソをつかない。盗みをしない。他人に迷惑をかけない。』 →『独立性、タフで強い、自分で生きていけること』 高齢者への対応 救うか。遺棄するか。殺すか。 社会によって 違ってくる。高齢者はお荷物なのか? 隈研吾 負けない建築 新陳代謝する建物 メタボリズム 中銀カプセルタワービル。 なぜ 新陳代謝ができなかったのか? 木の文化と石の文化のちがいがある。 ある意味では、日本は 木による文化によって新陳代謝がしやすい。 建物からではなく、等身大としての建築。 『だましだまし』 鶴岡真弓 ケルトの渦巻き。渦巻きは動的平衡の中にある。 渦巻きのエネルギー。うごめく生命。 『ダロウの書』 ニンゲンは生命をコントロールできない。 ディズニー ファンタジア。 水を制御できる魔法使い。 千住博 美しいは生きるためである。 水は青く見える。青は波長が短いので、エネルギーは強い。 青と言うものの力強さ。 ニンゲンは、強いもの、大きいものに美しさを感じる。 紫外線は、エネルギーが強すぎて、生物に害を与える。 魅惑的であるが、危険な色 赤は 波長が長い。 三つの科学的判断 1 それが科学的に正しいか? 真偽の基準 2 それをなすべきか? 善悪の基準 3 美醜の判断。 遺伝子組み換えも 原発も美しいと言えない。 スピード感ができることで 富士山が美しく見えない。 『美とはわれわれの生きる本能』

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2015/12/30

カズオ・イシグロさんの著書を図書館で探している時に、この著書に出会う。前著『動的平衡』『動的平衡2』を読んでいました。意図せず福岡さんの著書に再開したことに驚きです。 生物学と文学、建築、芸術との関連は興味深い。

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2015/04/14

http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?amode=11&bibid=TB10070808

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2015/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2014年初版の対談集。科学のみならず、人、社会全般に動的平衡の考え方を当てはめわかりやすく進行する。読みやすい科学談義。

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