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八月の青い蝶 の商品レビュー

4.1

20件のお客様レビュー

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2023/04/08

感想 誰も知らない歴史。戦禍が広がっていても人々は仕事をして恋をして日常を送っていた。生活があった。教科書だけでは学べない。戦争の中の日々。

Posted byブクログ

2021/09/08

確かに小説を読んでいるのだが、映像が目の前に浮かび上がるかのよう。鮮烈であり、美しくもあるが残酷で、私たちが決して忘れてはいけないこと。 死にゆく被曝体験のある老人、当時の状況が同時に進行していく。 当時少年の亮輔は、離れに住む軍人の父親の妾である、まだ少女のような希恵に淡い恋...

確かに小説を読んでいるのだが、映像が目の前に浮かび上がるかのよう。鮮烈であり、美しくもあるが残酷で、私たちが決して忘れてはいけないこと。 死にゆく被曝体験のある老人、当時の状況が同時に進行していく。 当時少年の亮輔は、離れに住む軍人の父親の妾である、まだ少女のような希恵に淡い恋心をいだく。 新米教師と被爆者である亮輔との口論。被爆者における被曝体験の事など、テーマは多く触れられている。 ものすごい小説です。多くの人に読んでいただきたい一冊ですね。

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2018/03/24
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※このレビューにはネタバレを含みます

広島在住の被爆者の男性。死を目前にして、自身の過去を振り返る。 職業軍人だった父、父の愛人との初恋、戦後どう生きてきたかが描かれている。原爆の被爆者として戦争の被害者となったことで戦後生きやすかった一方、軍人として父の犯してきたことへの罪悪感、生き残ったことへの後ろめたさ、彼の置かれている微妙な立場故に複雑な心情を抱えつつ生きてきた事が描かれていて、いろいろ考えさせられる作品だった。

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2018/08/24

なんか、良かった。青い蝶が目に浮かぶ。この時期に読めてよかった。この作家さん、爺さんかと思ったら案外若くしかも女性!

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2016/07/06

第26回小説すばる新人賞受賞作。広島に落とされた原爆で引き裂かれた、幼い恋の物語。声高に「反戦、反核」を訴えるお話ではないのですが、日本人はヒロシマ、ナガサキを忘れてはいけないと改めて思いました。

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2016/03/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

きえさんのみらいは、わしがあげる。きえさんはお父ちゃんの変なものになっとるこたあない。きえさんは、わしの嫁さんになったらええ。 きえさんにみらいはあげられなんだ。と亮輔は思った。 ――あげられなんだどころか、わしのほうがもろうてしもうた。

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2015/12/13

2014.2.10発行。第26回小説すばる新人賞受賞作品、「八月の青い蝶」、周防柳(すおう やなぎ)、女性作家さんの悲しい物語です。<昭和20年8月6日、広島で被爆した中学生の少年が、65年後死期が迫った病床で、悲しい初恋の記憶をふりかえる・・・「蝶」にまつわる物語です>紹介いた...

2014.2.10発行。第26回小説すばる新人賞受賞作品、「八月の青い蝶」、周防柳(すおう やなぎ)、女性作家さんの悲しい物語です。<昭和20年8月6日、広島で被爆した中学生の少年が、65年後死期が迫った病床で、悲しい初恋の記憶をふりかえる・・・「蝶」にまつわる物語です>紹介いただいた読友さんに感謝します!周防柳さんの次の著作、楽しみです!

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2015/08/15

第26回すばる新人賞受賞作。 新人の作品とはとても思えぬ筆致。 1945年8月6日を生き抜いた人それぞれに歴史がある。 被爆した亮輔と、娘きみ子の担任と のやり取りがこの作品の肝ではないか。 語り尽くせぬ歴史が各人にある。 胸に秘めて静かに生涯を終えようとしている亮輔の初恋、決意...

第26回すばる新人賞受賞作。 新人の作品とはとても思えぬ筆致。 1945年8月6日を生き抜いた人それぞれに歴史がある。 被爆した亮輔と、娘きみ子の担任と のやり取りがこの作品の肝ではないか。 語り尽くせぬ歴史が各人にある。 胸に秘めて静かに生涯を終えようとしている亮輔の初恋、決意。 これは、できれば8月の広島で読みたかった。 映像化されたら正視できない描写もありますが、でも、あの日の広島は地獄のようだったのでしょう。 作者は広島出身なのかと思わせるくらい、広島の言葉が自然に織り込まれていました。 やねこい、えっと、さでこむ…

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2014/09/14

内容を知らずに読み始め、途端に引き込まれました。 被爆したときの描写が細かくて、痛いです。 読んでよかったです。

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2014/07/23

最期を自宅で迎えようとする亮輔が大事に仕舞い込んでいたのは翅の一部が焦げた青い蝶の標本だった。ここから、少年時代の淡い恋心、被爆者の複雑な心理等、話は前後しながら展開し、やがて原爆投下の日となる。すばる新人賞受賞作品とはいいながら、かなりのベテランによる見事な作品だった。

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