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日本人はなぜ存在するか の商品レビュー

3.7

20件のお客様レビュー

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2022/02/16

響いたフレーズ →人間であるからこそ私たちはどう生きるかと考え、一度その疑問にめざめると、それを心から拭い去ることができなくなる それは決して楽しいことだとは言えません。 学んだ言葉 →再帰的とは もう一度戻る性質のこと。 私には内容が難しかったです、はい。

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2019/09/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

みんながある行為を「昔からの伝統だ」と認識することによって、それが本当に伝統として継承される。そのように、現状を固定するかたちでのみ催奇性が機能している状態を、社会学では「前近代」とみなします。(中略)ところが近代社会では、再帰性が社会を変化させる方向に作用するようになりました。たとえば、みんなが「去年はこれが流行ったが、今年はあれが流行るに違いない」と考えることで、毎年新しい流行を生み出し、それによって経済を回転させてゆくのが資本主義のしくみです。(p.32)  あるものを「どこそこの文化だ」と呼ぶのは、それを文化というラベルによって「有標化(marked)」する営為なのですね。たとえば西洋人が「畳は日本の文化だ」というときには、「フローリングの方が『普通』だけど」という価値基準がセットになっている。この場合、あまりにも標準的(だとみなされる)なのでむしろ文化とは呼ばれない、フローリング=西洋風の暮らしの方が「無標(unmarked)」です。(p.102)

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2019/06/24

本書は、著者が愛知県立大学で教養科目として担当している(た)「日本の歴史・文化」という授業の講義録である。日本の歴史・文化の単なる概説ではなく、哲学、心理学、社会学、民俗学、文化人類学、比較文学など人文系の様々な学問や方法論について、その特徴や切り口を紹介しながら、「日本人はなぜ...

本書は、著者が愛知県立大学で教養科目として担当している(た)「日本の歴史・文化」という授業の講義録である。日本の歴史・文化の単なる概説ではなく、哲学、心理学、社会学、民俗学、文化人類学、比較文学など人文系の様々な学問や方法論について、その特徴や切り口を紹介しながら、「日本人はなぜ存在するか」というテーマについて考えるというものであり、「文系学問」オードブルのような内容になっている。 本書を通底するキーワードは、認識と現実のあいだでループ現象が生じることを指す「再帰性」である。「日本人」や「日本文化」などの当たり前のような概念が、実体があやふやな再帰的なものであることを明らかにしている。 「教養」の大きな要素は、常識のようなことを絶対視せず、物事を相対的に考えるできるようになることだと考えるので、本書はまさに「教養」を養うための内容になっていると感じた。 また、本書で紹介されているエピソードには、戦前に内地在住の朝鮮・台湾人に参政権があったこと、ウルトラマンの社会的背景、「故郷」や「春の海」が純日本音楽でなかったこと、アジアで最初の長編アニメは中国で作られたことなど、知的刺激を受けるものが多かった。

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2017/12/12

有名人なので読んでみた。文体が最後まで慣れなかった。タイトルが興味をそそるが、哲学方面に流れ過ぎてて、僕の興味と違う方に行ったように思う。

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2017/06/24

氏の専門がそうだから仕方ないのかもしれないが、表題は違う方が良いと思われた。 内容的には非常に読みやすく書いてあるし、でも知的好奇心をくすぐる箇所も至る所にあり一般教養の書としては秀逸だとも思う。

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2017/02/19

前書きで書いているように、人文学のカタログのような本。 むちゃくちゃ面白いし、役に立つ。誰だ人文学なんて不要だから学ぶ必要ないなんて言ったやつは(怒)。 「やっぱ(人文学に限らず)学問って大事だよなあ。しっかり学んでる人ってすごいなあ」 と思わせてくれる良書。筆者の本はハズレがな...

前書きで書いているように、人文学のカタログのような本。 むちゃくちゃ面白いし、役に立つ。誰だ人文学なんて不要だから学ぶ必要ないなんて言ったやつは(怒)。 「やっぱ(人文学に限らず)学問って大事だよなあ。しっかり学んでる人ってすごいなあ」 と思わせてくれる良書。筆者の本はハズレがない。

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2017/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冒頭の「グローバル化とはハイコンテクストからローコンテクスト社会への変化である」というような言葉に引き寄せられた。 この本に度々出てくる「再帰性」という言葉。自分自身は何にでも批判的な目で物事を判断している、というのが思い込みであったことに気づかされた。○○だから△△ではなく、△△であることから○○であったのではないかという推測や類推している可能性について深く考えるべきではないだろうか。 日本人はなぜ存在するか?というテーマを題材に考えさせれる本。

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2016/10/18

社会学における再帰性の概念を、日本人論において議論する。 通勤電車2往復で読み終えた。 以下、メモ: グローバル化とは、ハイコンテクストの社会がローコンテストに移行すること。(コンテクストとは文脈、前提とする知識や価値観) 再帰性 社会学は再帰的に考える。認識が事実を変える。...

社会学における再帰性の概念を、日本人論において議論する。 通勤電車2往復で読み終えた。 以下、メモ: グローバル化とは、ハイコンテクストの社会がローコンテストに移行すること。(コンテクストとは文脈、前提とする知識や価値観) 再帰性 社会学は再帰的に考える。認識が事実を変える。 有標、無標 どこそこの文化と呼ぶのは有標化する営為。 西洋・白人・男性の文化は無標のスタンダード。 Historyはstoryを含む。Narrationの中にnationは宿る。 すべてが再帰的で自分の責任であることを知って苦しんでいるのが 後期近代。

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2014/07/29

與那覇氏の本は相変わらず面白い。自分達が再帰的に物事を作り出す存在であることを認識することの重要性を感じる。盲目的に信じられている真実が自分達の認識が生み出した「真実」であることが多い、ということだ。

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2014/06/29

2011年からの思考停止状況って何かなと思っていたのがスッキリした。現実に対して規律の再設定しなくちゃいけないことでね。揺らぎ、不確実な再帰性だからこそ、新たな設定が必要で人々を後押ししてくれる本

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