ラッセンとは何だったのか? の商品レビュー
千葉雅也氏の文があるので手に取る 千葉雅也:「美術史にブラックライトを当てることーークリスチャン・ラッセンのブルー」 ラッセンの絵を見かけるたびに、水槽に夢中だった中学生の頃を想起させられる。 毒々しいブルー。紫に近い、ブラックライトのようなブルー。 ラッセンに特徴的なあの...
千葉雅也氏の文があるので手に取る 千葉雅也:「美術史にブラックライトを当てることーークリスチャン・ラッセンのブルー」 ラッセンの絵を見かけるたびに、水槽に夢中だった中学生の頃を想起させられる。 毒々しいブルー。紫に近い、ブラックライトのようなブルー。 ラッセンに特徴的なあのブルーは、南洋と空そして星雲を、深夜の歓楽街の片隅に直結させる。・・・ラッセンの画面は、紫煙に満たされた自然の密室である。 ラッセン作品の謎は、ぞんざいにあしらわれるということの謎であるだろう。 「美術手帖」2012.10月号に掲載のものを加筆修正したもの。 ラッセンは頒布会の新聞チラシで知っている。千葉氏が言ってるように、紫がかったブルーがやはりその広告でもインパクトがあった。でも美術界ではちょっと異端らしい。そうなのか。あとヒロ・ヤマガタという名前もこの本で挙がっていた。きいたことあるようないような、と思い検索してみると、カラフルな暖色系の絵が出て来た。けっこういいかも。・・でも正統?な美術界ではヒロ・ヤマガタも異端らしい。ふ~ん・・ そういう立ち位置・・。 ラッセンは1989年にアールビバン社と販売契約を締結、とあった。このアールビバン社は昔池袋西武にあった、アール・ヴィヴァンとは無関係らしい。西武にあったのは美術書専門店で、アールビバンは版画などの販売を行う会社らしい。 2013.6.25初版 図書館
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日本のバブル期以降、商業的に成功をおさめたクリスチャン・ラッセンはしかし「美術」サイドからは蛇蝎のごとく嫌われていたらしく、そのこと自体を客観視しようという試みに揺れる美術な人達。美術に疎いド素人目線で言えばラッセンに限らず美術の評価基準はさっぱりわからないのだが、ここまで理屈を...
日本のバブル期以降、商業的に成功をおさめたクリスチャン・ラッセンはしかし「美術」サイドからは蛇蝎のごとく嫌われていたらしく、そのこと自体を客観視しようという試みに揺れる美術な人達。美術に疎いド素人目線で言えばラッセンに限らず美術の評価基準はさっぱりわからないのだが、ここまで理屈をつけて語れるのか、と素直に驚く。自分がビジネスで関わる業界も、ともすると内輪の論理で互いを評価しがちなところがないかと省みながら読まされた。
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作品よりも先に、批判の多い商売方法について知ってしまっていたせいか、SNSで見つけた何気ない『ラッセンが好き』という発言に驚き、美術作品として見ていなかった自分に気がついた。 ゴッホ、ピカソ、モネの作品の価値の違いがわからない自分に、ラッセンだけを下に見ることができるのか? ラ...
作品よりも先に、批判の多い商売方法について知ってしまっていたせいか、SNSで見つけた何気ない『ラッセンが好き』という発言に驚き、美術作品として見ていなかった自分に気がついた。 ゴッホ、ピカソ、モネの作品の価値の違いがわからない自分に、ラッセンだけを下に見ることができるのか? ラッセンに数十万払う若者は騙されていて可哀想で、ゴッホに数億払う長者は可哀想ではないのか? そもそも美術に一つも明るくない身としては、名声ありきでコンテキストばかりが俎上に上るようにみえる世界を斜めに見ていたわけだが、当然ながら美術界においてはそんな事は当たり前に議論され尽くしているわけで。 本書においても、ラッセンは新しいコンテキストを作ったのだと過剰に褒められるわけではなく、技法も心情も陳腐で幼稚だと無為にけなされるわけでもなく、ただその位置の特異性から見出される景色を多くの美術関係者が語るという形式をとる。 しかし、さすがは美術界といったところか。ここに載せられているのは、ラッセンを歴史や数値で分析するというよりも、ラッセンについて何が語られうるかの探求であり、一つ一つの語り口が特殊で、それぞれのエッセイが全て"作品"に見えてくる。 中には意識高い系も驚くような専門用語の羅列で、難解な言い回しにこそ芸術性が宿るのだという上から目線が聞こえてくるような自己陶酔型の胡散臭い論もあるが、そういう作風なのだと"作品"を眺めるつもりで見ると、逆に味わい深くもある。 本書以外の美術本はほとんど読んだ事はないが、ゴッホやピカソについても同様だとしたら、美術というものもなかなか面白い。 語られる内容の論理を解釈して愉しむのが"読書"なのだとしたら、語られる概論の意外性を感情的に楽しむのが"美術鑑賞"なのではないだろうか。
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ラッセンの絵は下世話である──子供時代にラッセンの絵に触れた体験をその後心的外傷的問題意識として抱え続ける若手美術家を中心に総勢15名の論者による多角的な論考は、その下世話なラッセンを“白雪姫の鏡”として自らが依って立つ現代美術の有り様を逆照射し下世話に展開される。その下世話が美...
ラッセンの絵は下世話である──子供時代にラッセンの絵に触れた体験をその後心的外傷的問題意識として抱え続ける若手美術家を中心に総勢15名の論者による多角的な論考は、その下世話なラッセンを“白雪姫の鏡”として自らが依って立つ現代美術の有り様を逆照射し下世話に展開される。その下世話が美術をめぐる人々の有り様の多義性を炙り出して実に興味深い。中でも大山エンリコイサム氏のエッセイは、ラッセンが現代美術の文脈中でオーソライズされた凡そ40年後の日本を仮想しそこから現在に疑義を投げてよこす離れ業に唸らされる。ラッセンを忌み嫌う美術界隈の態度は果たして「リア充爆発しろ」レベルのやっかみなのか、それとも己の黒歴史や矛盾やあれこれの不都合を見せつける同族への嫌悪なのか。ラッセンを通して現代美術が孕む病巣が透し見えてくる。
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ラッセンは嫌いなのだが妙にひっかかるものがあってあれは何だったんだろうという思いはあった。これを読んで、徹底的にマーケティングを追求していった結果の表現だったんだと腑に落ちた。原田氏の論考ではしかもそれを日本の郊外化と繋げているところが面白い。加島氏は購入システムに関して言及して...
ラッセンは嫌いなのだが妙にひっかかるものがあってあれは何だったんだろうという思いはあった。これを読んで、徹底的にマーケティングを追求していった結果の表現だったんだと腑に落ちた。原田氏の論考ではしかもそれを日本の郊外化と繋げているところが面白い。加島氏は購入システムに関して言及しているが、日本の既存の画廊と絵画販売の在り方もあったら面白いのにと思ってしまったが。。それはまた別の話か。。
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日本人にはとても有名で、かなり多くの人が絵を見たことが有り、でも美術史や美術評論では顧みられることはない。 クリスチャン・ラッセンについての評論をまとめた本です。 読書会に持ち込みました。 全体的に、「なぜラッセンが評論されることは無いのか」という話が多かったような。納得できる...
日本人にはとても有名で、かなり多くの人が絵を見たことが有り、でも美術史や美術評論では顧みられることはない。 クリスチャン・ラッセンについての評論をまとめた本です。 読書会に持ち込みました。 全体的に、「なぜラッセンが評論されることは無いのか」という話が多かったような。納得できる考察がいろいろと書かれていました。 ラッセンが好きな方以上に、美術論的な話が好きな方にはとてもたまらない本だと思います。
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働いていたダイビングショップに電気を消すと蛍光塗料が光るジグソーパズルが飾られていたのを思い出した たしかにヤンキー ジョン・C・リリーの名前がでてきて懐かしい そこまでいったらジャック・マイヨールも俎上にのせてほしかった
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美術系の批評家さんの文章が全体的に癖があって頭に入りにくかったのですが、とりまとめをした原田さんのラッセンの絵画分析はとてもわかりやすかったし、ニューエイジとラッセンの接点や、百貨店手動で美術鑑賞が日本に定着していく中でラッセンが入り込んでいった話など、示唆に富んだ内容で楽しめま...
美術系の批評家さんの文章が全体的に癖があって頭に入りにくかったのですが、とりまとめをした原田さんのラッセンの絵画分析はとてもわかりやすかったし、ニューエイジとラッセンの接点や、百貨店手動で美術鑑賞が日本に定着していく中でラッセンが入り込んでいった話など、示唆に富んだ内容で楽しめました。 私は高校も大学もラッセン展をやってくれるようなデパートすら存在しない田舎で過ごしていたため、エウリアンに遭遇したこともないですし、都会のほうでラッセン展あるよ!とCMが流れているのを見たことがある程度の認識だったので、ラッセン絵に対する微妙な眼差しや、この本でも評論家の方々が取り扱いに困る感じでラッセンに取り組んでいる姿を感じたのは結構新鮮でした。
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本の内容というよりは自分の問題意識的なところとの接合が問題だろうけど、もう少し何か新しい刺激があるかなと思ってたけどあんまりピンと来なかった。まあ、そういう見方はあり得るよね、ぐらい。 展覧会見ればもう少し面白かったのかもしれないなあ、と思うが。 個人的に批評とか読み解きとか...
本の内容というよりは自分の問題意識的なところとの接合が問題だろうけど、もう少し何か新しい刺激があるかなと思ってたけどあんまりピンと来なかった。まあ、そういう見方はあり得るよね、ぐらい。 展覧会見ればもう少し面白かったのかもしれないなあ、と思うが。 個人的に批評とか読み解きとかそういうのが割とどうでもよくなっているんだなー、としみじみ思うのだった。 斉藤環がハワイでベタにラッセンの絵はがき買ったことがあるってエピソードが一番面白かった。
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日本人はカテゴリー分けが大好きで、自分の領域から離れたら敵意向き出すところがなんだかなぁ。絵画や芸術だけの話やないやろなぁ。
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