パラレルな知性 の商品レビュー
倉下さんが引​用されていたが、Amazonコ​メントは今ひとつ​だな。。
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著者は文章がうまいし、文学者あるいは広告のライターみたいな斬新な表現を使うから、それを読むだけでも楽しい。 ただ、中にはあえて論理のアクロバティックを楽しもうと無理くりひねり出したような論考もある。そのアクロバティックさを楽しむにはいいけど、鵜呑みは危険。
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リスクを回避するためにあらゆる手立てを講じるというのは、あたりまえのことである。人生ではあたりまえのこのことが、社会という規模になるとあたりまえとは言えなくなる。どこかで割り切りということが必要となるからだ。
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晶文社で鷲田さん。 こういう本の選び方が出来るようになったことを実感した本。 鷲田さんに関しては 並行読みをしている しんがりの思想で語るとする。
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哲学は、使い方の学だという話は私には切実だった。設計制作プロセスから排除され、消費者に閉じ込められた者は、クレームという形でしか事物の有り様にコミットすることができないという不幸。
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専門家が特殊な集団でしかありえなくなった現代、科学者にはその逆の知的努力が求めらえれいている。状況の全体に目配りしつつ、その都度の状況の中で何が一番大事かを見通せること、複合的な要因によって発生している問題の解決のために幾重にもの取組体制のデザインができることである。科学者は専門...
専門家が特殊な集団でしかありえなくなった現代、科学者にはその逆の知的努力が求めらえれいている。状況の全体に目配りしつつ、その都度の状況の中で何が一番大事かを見通せること、複合的な要因によって発生している問題の解決のために幾重にもの取組体制のデザインができることである。科学者は専門分野でのイノベーションだけでなく、社会全体でなすそうした判断にこそ寄与しなければならない。 知は市民の基礎体力の1つである。
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2000年代に鷲田さんが新聞や雑誌などに書いた文章をまとめた1冊。一つ一つの文章は深いけれど、短いので、時間はかかったけれど読み切ることができました。 文章は「科学」、「大学」、「コミュニティ」、「メディア」の4つのテーマに分けられて収められてます。が、それぞれが独立している訳...
2000年代に鷲田さんが新聞や雑誌などに書いた文章をまとめた1冊。一つ一つの文章は深いけれど、短いので、時間はかかったけれど読み切ることができました。 文章は「科学」、「大学」、「コミュニティ」、「メディア」の4つのテーマに分けられて収められてます。が、それぞれが独立している訳ではなくタイトルの通り、「パラレル」な世界が構成されていると感じました。以下印象に残ったところ。 空想と「想像力」は違う。 (想像力とは、現実を編んでいる見えない構造や媒介、それらに届くようなまなざしのこと) (pp45-51「いま、〈知〉の光景が問いかけること」より) フランスの上級公務員を養成する大学院では卒業要件として「哲学」の論文提出が義務付けられている。(著者の知人はその理由を「よい社会、一人でも多くの市民が幸福になるような社会をめざして働く公務員が『よい社会』とどのようなものか、『幸福』についての定見をもたなければ社会はめちゃくちゃになる」からと言っている。なるほど!) (pp55) 多くの日本人が「すぐに白黒つけたがる」単純思考にはまってしまった時代だからこそ、わたしたちはその逆方向に心を鍛え直す必要がある。(pp287) 自分が気になったとこだけピックアップしましたが、「想像力の欠如」が「すぐに白黒つけたがる」に繋がるんじゃなかろうかとふと思いました。
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あちらこちらに書かれたことの寄せ集めだったので、内容の重複が多く、少々退屈であった。 3.11以前の哲学や思想を読んでも、それ以後ではこの国を包む何かが大きく変わっているので、意味がないような気がした。
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幾つかの分野の知識が混ざり合わないと解決できない複雑な事象に囲まれているのが現代社会と前提をおく。この状況において、一つの専門分野のみを扱うだけで他の分野に完全に疎い専門家ではやっていけない。広く教養という形を身に付けた人材が求められる。 一方で、「専門家任せ」、専門家に任せて...
幾つかの分野の知識が混ざり合わないと解決できない複雑な事象に囲まれているのが現代社会と前提をおく。この状況において、一つの専門分野のみを扱うだけで他の分野に完全に疎い専門家ではやっていけない。広く教養という形を身に付けた人材が求められる。 一方で、「専門家任せ」、専門家に任せておけば良いのだとする一般大衆の態度もまた宜しくない。もっと疑問や考えをぶつける姿勢を見せるべきだ。 上記のような内容を時事と照らし合わせて綴った一冊、という感じ。 書店だと哲学の棚に分類されてる事が有ったので、読みづらい文章を覚悟したが、そんなに分かりづらい部分が少なく良い本だった。
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アカデミックな知識の限界性が露呈したといいつつ、アカデミックな知識の可能性と必要性を捨てていないニュアンスがある。それは著者が大学人だからではなかろうか。 村上龍のアブアンドポップについて、時間が今まで未来から過去に流れるものであったことに対し、時間が現在から過去にさらさら流れて...
アカデミックな知識の限界性が露呈したといいつつ、アカデミックな知識の可能性と必要性を捨てていないニュアンスがある。それは著者が大学人だからではなかろうか。 村上龍のアブアンドポップについて、時間が今まで未来から過去に流れるものであったことに対し、時間が現在から過去にさらさら流れていく感覚を描きだし、新しい時間観念を表出してみせたいう評はなるほどと唸った。
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