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狼が語る の商品レビュー

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2022/09/19

カナダ政府にやとわれて、カリブーを襲うオオカミの実態調査のためにツンドラに覆われたバーレンランドで一人調査をした著者。犬ぞりを使って狩りをするイヌイットの青年と出会い、彼の小屋を使わせてもらいながらもテントでオオカミの群れを観察する。一冬を過ごし、カリブーを激減させている本当の犯...

カナダ政府にやとわれて、カリブーを襲うオオカミの実態調査のためにツンドラに覆われたバーレンランドで一人調査をした著者。犬ぞりを使って狩りをするイヌイットの青年と出会い、彼の小屋を使わせてもらいながらもテントでオオカミの群れを観察する。一冬を過ごし、カリブーを激減させている本当の犯人は誰なのかを知る。 「犬になりたくなかった犬」で知られる著者、ファーレイ・モワットが1963年に出版したノンフィクション。発表当時は、なかなか事実として理解されなったという。オオカミは冷酷な殺し屋というイメージを覆すのはむずかしかったようだ。 ずいぶん前に紀伊国屋書店から「オオカミよ、なげくな」(小原秀雄訳)というタイトルで出ていたのを読んだことがある。新訳で久しぶりに再読し、改めてモワットのユーモアのセンスを楽しんで読んだ。新訳にともない、著者名もより言語の発音に近いファーリー・モウェットに改められた。 同著者は児童書も多いが、かなり古い本で「ジャーミーとアワジンのバレンランド脱出作戦」という冒険ものがあるが、この時の体験をもとにしていたのだと知った。

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2020/10/25

オオカミの学名 カニス ルパス もともとはカリブー保護のための調査のはずが、その生態に魅了された研究者の記録。 オオカミ研究の面白さ。 というか、研究者ってここまでやるのかと。 野ねずみのクリーム煮レシピが無駄に面白い。

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2015/03/23

童話やゲームに登場するような凶暴なオオカミは人間が作り出したもので、それは本当のオオカミではない事を教えてくれた一冊でした。

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2014/12/12

名前はどこかで聞いた気がする。スタンリー・コレンの著者でちらりと出てきて、気になったので読んでみる。 狼が一方的に悪役として扱われていた時代に、一生懸命生きている野生動物としての狼の素顔に迫った、というところなんだろうかと思いながら読んだが、今となってはむしろ狼=悪役という概念...

名前はどこかで聞いた気がする。スタンリー・コレンの著者でちらりと出てきて、気になったので読んでみる。 狼が一方的に悪役として扱われていた時代に、一生懸命生きている野生動物としての狼の素顔に迫った、というところなんだろうかと思いながら読んだが、今となってはむしろ狼=悪役という概念のほうが希薄でその点はピンと来ない。互いに呼吸を図りながら行う狩りや、大人の狼同士、あるいは仔オオカミと親の付き合いも、当時としては新鮮だったのかもしれない。今読むならもっと狼の社会に踏み込んでほしいな、と思いつつも、そういうのを半世紀前の著作に求めるのは酷だろう。 「散りばめられたユーモア」がなんだか浮いていて、若干うっとおかった。

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2014/07/15

著者が狼を観察した記録が、文学的に書かれています。 訳者の小林正佳氏の文体が読みやすく、原書を読んではいませんが、著者のウィットも巧に表現していると感じられました。 世間に流布されている狼の野蛮さや残虐性は、人間の誇張かもしれない。そう思いました。 日本にもオオカミが暮らして...

著者が狼を観察した記録が、文学的に書かれています。 訳者の小林正佳氏の文体が読みやすく、原書を読んではいませんが、著者のウィットも巧に表現していると感じられました。 世間に流布されている狼の野蛮さや残虐性は、人間の誇張かもしれない。そう思いました。 日本にもオオカミが暮らしていました。 今はいません。 アラスカのオオカミも同じ道を辿るのでしょうか。 オオカミを狩猟...、人間の刹那的享楽のための道具にしてはいけないと感じました。

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2014/03/05

表紙のオオカミの写真のカッコ良さに惚れて購入。 最初は外国人作家で「狼は語る」というタイトルに身構えていたが、読み始めるとドタバタ冒険劇という感じで気軽に読めた。

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2014/03/03

1963年に刊行された『Never Cry Wolf』の全訳。 「クライ・ウルフ」という言葉の意味は‘ありもしないことを言い立てる’。その元は「オオカミが来た!」と叫んだ少年が登場するイソップ童話。 なるほど、日本でもそうだったが、欧米でも狼は生態をよく知らないまま、実像とは遠...

1963年に刊行された『Never Cry Wolf』の全訳。 「クライ・ウルフ」という言葉の意味は‘ありもしないことを言い立てる’。その元は「オオカミが来た!」と叫んだ少年が登場するイソップ童話。 なるほど、日本でもそうだったが、欧米でも狼は生態をよく知らないまま、実像とは遠くかけ離れたイメージで語られていた。 曰く、彼らは血に餓え、一頭の狼が一年に何千頭ものカリブーを殺す。数百人の人間を食い殺すが妊婦は襲わない。4年ごとにすべての毛が抜け落ちて丸裸になる……。 そうした一連の誤った概念が、北米大陸で大掛かりな「オオカミ殺戮作戦」を引き起こす。 生物学者として若き著者が政府から依頼された仕事は、毎年カリブーを大量に殺しているという害獣・狼の調査だった。 北極圏の大自然の中で出会った狼の家族を観察し、知りえた狼の真実とは。 それまで誰も知らなかった、狼が持つ社会性、家族愛、生態から捕食する動物たち、イヌイットたちとの関係までも描く。

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