翔ぶ少女 の商品レビュー
阪神大震災で両親を失った3兄弟と妻を見捨てたと罪悪感を持つ医師の絆。0123と調子良く、ゼロ先生、イッキ、ニケ、サンクとネーミングが面白い。サモトラケのニケではないが、ゼロ先生はさもとら医院の佐元良先生。ニケの背中に羽が生えるに至っては作者遊び過ぎでは?と思ってしまった。
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この本の発行日は2014年1月17日。 その19年前から物語は始まります。 枕元の目覚まし時計は5時45分を指し、主人公の少女は布団の中で夢を見ていた。 その一分後からの現実を知っていると、何ともやりきれない緊張感が高まりました。 もちろんこれ自体はフィクションでも、同じような...
この本の発行日は2014年1月17日。 その19年前から物語は始まります。 枕元の目覚まし時計は5時45分を指し、主人公の少女は布団の中で夢を見ていた。 その一分後からの現実を知っていると、何ともやりきれない緊張感が高まりました。 もちろんこれ自体はフィクションでも、同じような思いをして同じような境遇に陥った人がたくさんいました。 彼女たちの姿に重ねて、あの日あの時の自分の体験をまざまざと思い出してしまいました。 19年たっても、受けた傷口はまだ完全に癒えてなくて、ふとしたきっかけで容易に開くものです。 「震災のまえとあとでは、何もかもが一変してしまった。 被災した人すべての人生に、多かれ少なかれ、変化が訪れたのは間違いない。」からね。 ここで、わたしの経験や思いを書くと取り留めなく長くなった挙句に全部消す羽目になりそうなので、最近思ったことを一つだけ。 ソチオリンピックで金メダルに輝いた羽生結弦くん、仙台出身で東日本大震災で被災して、優勝後の記者会見でも「被災地のために何ができたのかな」みたいなことを言っていました。 今19歳なので、震災当時の3年前は16歳。 私が阪神大震災を被災したときと同じ年です。 あの当時、「被災地のために何ができるだろう」なんて考えたことなかった。 もちろん生まれ育った地元の状況を目の当たりにして悲しかったし、考えたことなかったようなことを色々考えたりはしたし、毎日一生懸命頑張って生きていたけど、まぁ自分のことしか考えてなかったよね。 被災地の復興とかは大人たちがやってくれると思ってた。 なので結弦くんを見ていると心底えらいなぁと感動を覚えると同時にもっと自分のためにスケートしてほしいなぁと思ってしまう。 まぁなかなか複雑ですな。 (ちなみに結弦くんはシニアデビューのころから大好きです) だいぶ話がずれました。 さて、本の感想ですが、震災後どんどん時が進んでいくので、時々気持ちの整理がつきにくいのと、後半のファンタジーな展開をどう受け取るかで評価が分かれそうなお話ではありました。 正直、阪神大震災を題材にしているという点では評価しにくいのですが、よくある喪失と再生の物語としてとらえても十分満足できる内容でした。 はじめから最後まで涙、涙で、「大丈夫だよ」って背中をそっと押してあげたくなりました。
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全くの小説(ライトノベルではないけど)だけど。 面白かった。『楽園のカンヴァス』『ジルベルニーの食卓』 ととても面白かった小説の著者だったので読みました。 阪神大震災の罹災した兄弟と人々の話。 息子に読ませたいと思いました。『永遠のZERO』なんか よりずっと泣きそうになる話で...
全くの小説(ライトノベルではないけど)だけど。 面白かった。『楽園のカンヴァス』『ジルベルニーの食卓』 ととても面白かった小説の著者だったので読みました。 阪神大震災の罹災した兄弟と人々の話。 息子に読ませたいと思いました。『永遠のZERO』なんか よりずっと泣きそうになる話でした。また単に涙もの ではなくて、構成や主人公たちの描き方とか よかったと思います。 “大丈夫、翔べるって。 こうしてな、こうして。翔ぶねん。“
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阪神大震災で目の前で両親を失った三兄弟は その時出逢った「おっちゃん」と暮らしていく。 泣けたし切なくも温かかった。 心の隙間を埋めるための読書…わかるー。 【図書館・初読・1/31読了】
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泣いた、泣けた。 ニケの切なさに、純粋さに。 ゼロ先生の優しさに、男気に。 至る所で涙が零れて仕方がなかった。 阪神淡路大震災で被災し、両親を亡くした三兄妹の物語。 主人公ニケの幼い関西弁が、そのやるせない心情を見事に表現している。 心と体に深い傷を負ったニケ。 でも、そこに現...
泣いた、泣けた。 ニケの切なさに、純粋さに。 ゼロ先生の優しさに、男気に。 至る所で涙が零れて仕方がなかった。 阪神淡路大震災で被災し、両親を亡くした三兄妹の物語。 主人公ニケの幼い関西弁が、そのやるせない心情を見事に表現している。 心と体に深い傷を負ったニケ。 でも、そこに現れたスーパーマンのような優しいおっちゃんゼロ先生。 そして、ニケの他人を思いやる純粋な気持ちが奇跡を起こす。 “大丈夫、翔べるって。 こうしてな、こうして・・・・・・ほうら。 翔ぶねん。“ 原田マハ、何でも書けるんですね。 その抽斗の多さに脱帽です。
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神戸の震災で大事な人を亡くした3兄弟と一医師が一緒に立ち直ろうとする姿勢に涙がこみあげてきた。 両親を亡くした幼い3兄弟がどんなに心細い思いをしたかと思うと、胸が押し潰されそうになるが、救いの手があったことにホッとする。 また、途中から”羽が生える”という非現実的な事が描かれてい...
神戸の震災で大事な人を亡くした3兄弟と一医師が一緒に立ち直ろうとする姿勢に涙がこみあげてきた。 両親を亡くした幼い3兄弟がどんなに心細い思いをしたかと思うと、胸が押し潰されそうになるが、救いの手があったことにホッとする。 また、途中から”羽が生える”という非現実的な事が描かれていたが、大切な人に会いたいという思いが、羽を生やしてでも飛んでいきたい、となっているのだと素直に受け止められた。
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阪神大震災で両親を亡くした三兄弟。医者の先生も妻を亡くし、息子に縁を切られてしまい、先生と三兄弟は一緒に暮らすことになる。長女のニケは好きになると羽が生えてしまうという面白いファンタジーをそなえた作品でとても面白かった٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
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とても良い作品だった。 阪神大震災で両親を亡くした幼い三兄妹が助けてくれたおっちゃんとともに前を向き成長していく過程にウルッときてしまう場面もありました。 三兄妹の名前がなんとも馴染みにくいものでしたが…あとは、まさかの展開でそれまでの現実的な話とのギャップにちょっとついていけな...
とても良い作品だった。 阪神大震災で両親を亡くした幼い三兄妹が助けてくれたおっちゃんとともに前を向き成長していく過程にウルッときてしまう場面もありました。 三兄妹の名前がなんとも馴染みにくいものでしたが…あとは、まさかの展開でそれまでの現実的な話とのギャップにちょっとついていけなかったかな…良い話なんですけどね。
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前を向こうとする姿と どうしようもなかった事実で 読みながら、涙がとまらなかった 震災からの長い時間、必要だった時間 でも、その時間を過ごせなかった人もいる 切なく悲しいけれど あたたかく包んでくれるものがたくさんある ただ、どうしても タイトルの「翔ぶ」ことについて違和感がある...
前を向こうとする姿と どうしようもなかった事実で 読みながら、涙がとまらなかった 震災からの長い時間、必要だった時間 でも、その時間を過ごせなかった人もいる 切なく悲しいけれど あたたかく包んでくれるものがたくさんある ただ、どうしても タイトルの「翔ぶ」ことについて違和感がある 唐突というか、ここでファンタジーなのか 少し、受け入れがたかった
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