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辞書に載る言葉はどこから探してくるのか? の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2017/06/19

国語辞典の改訂作業をするために、筆者は日々街中で「ワードハンティング」をしています。ワードハンティングでは、1ヵ月で約400語の言葉を記録するのだそうです。この本では、実際にその様子や筆者がどのように言葉と出会っていくかを知ることが出来ます。普段目にしているはずなのに、流してしま...

国語辞典の改訂作業をするために、筆者は日々街中で「ワードハンティング」をしています。ワードハンティングでは、1ヵ月で約400語の言葉を記録するのだそうです。この本では、実際にその様子や筆者がどのように言葉と出会っていくかを知ることが出来ます。普段目にしているはずなのに、流してしまっている言葉も、もしかしたらまだ辞書には載っていないのかもしれないと考えると、私自身もワードハンティングをしてみたくなりました。 新しい言葉を採用する際の2つの条件 1)その言葉が、世の中に多く使われていること。多数の例が集まること。 2)その言葉が、この先もある程度長く使われると見込まれること。一時的な流行語でないこと。

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2017/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2013年刊行。著者は早稲田大学など非常勤講師及び「三省堂国語辞典」編集委員。小説「舟を編む」(個人的には映画を見ただけで原作小説は未読)で描かれたように、国語辞典の編纂において、巷に溢れる言葉をどのように収集していくかは原点とも言うべき所為であろう。本書はその「ワードハンティング」の実際を、地域ごとに即し、日記風に綴っていく。◇本書は言語のフィールドワークの実践例の如しだが、こういう探求の在り様を知ると、今後街中を歩く時、思わず色々な看板、宣伝文句に注意を向けそうな予感を生じさせる。

Posted byブクログ

2016/02/16

著者は、小型辞書の雄、“三国”こと三省堂国語辞典の編纂者。たまにtwitterでもお名前を見かける。 三国の新しいバージョンに載せる言葉を採取するための街歩き紀行的な文章でもあり、採用すべき言葉にどんな語釈を当てようかと試行錯誤する作業を横から覗き込ませてもらっているような、そ...

著者は、小型辞書の雄、“三国”こと三省堂国語辞典の編纂者。たまにtwitterでもお名前を見かける。 三国の新しいバージョンに載せる言葉を採取するための街歩き紀行的な文章でもあり、採用すべき言葉にどんな語釈を当てようかと試行錯誤する作業を横から覗き込ませてもらっているような、そんな感じが楽しい。街中でつい変わった表記の看板を見つけてしまう体質の持ち主としても興味深かった。 辞書のボリュームを考えると、面白いエピソードがまだまだありそう。もっと読みたかったので☆3です。

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2016/01/06

 辞書に載る言葉はただ座っているだけで集まるものではなかったのですね。  街に出て生きた言葉を拾う。気長で大変そうな半面いろいろと街遊びもできる面白そうな役割。  ただどこまで辞書という物を信頼すればよいのだろうか。そこに不安要素を見いだしてしまった。

Posted byブクログ

2014/03/04

国語辞典の編集者を主人公に据えた三浦しをんの小説「舟を編む」以降、注目が集まるようになった辞書の世界。本書は三省堂国語辞典の編集委員が辞書に載せる言葉をどうやって「ハント」しているのかを、東京町歩きと絡めながら綴ったエッセイっぽい本です。 読み終えて「言葉って生き物なんだなあ」...

国語辞典の編集者を主人公に据えた三浦しをんの小説「舟を編む」以降、注目が集まるようになった辞書の世界。本書は三省堂国語辞典の編集委員が辞書に載せる言葉をどうやって「ハント」しているのかを、東京町歩きと絡めながら綴ったエッセイっぽい本です。 読み終えて「言葉って生き物なんだなあ」ってことを強く感じました。増えたり、消えたり、変わったり。それぞれの言葉の成り立ち(例えば「ふわとろ」は「ふわふわ」と「とろとろ」という二つの異質な擬音をくっつけてできている言葉で、こういう作り方の新しい擬音が増えてるとか)も簡単に触れられていて、面白いです。 ところでこうやって辞書に載せる言葉を探したり、言葉の意味が変わっていないか目を光らせることを「ワードハント」と三省堂国語辞書の初代主幹は名付けたそうです。なぜに「国語辞典なのにカタカナ表現?」と思ったけど、日本語で表現すると「言葉狩り」になってしまいものすごく別の意味に・・・。こんなところも言葉の面白さですね。

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2014/01/26

飯間さんは『三省堂国語辞典』の編集者の一人であり、つい昨年『辞書を編む』という本を出して、辞書の編集者がどのような仕事をしているかを開陳したばかりだ。そこでは、正攻法として、本や雑誌からいかにして語を採取するかを語っているが、本書では語の採取が単に書物だけでなく、街を歩いてもとれ...

飯間さんは『三省堂国語辞典』の編集者の一人であり、つい昨年『辞書を編む』という本を出して、辞書の編集者がどのような仕事をしているかを開陳したばかりだ。そこでは、正攻法として、本や雑誌からいかにして語を採取するかを語っているが、本書では語の採取が単に書物だけでなく、街を歩いてもとれるのだということを紹介している。これはまさにぼくがやっている方法と同じだ。違うのは、ぼくは街で見る漢字を通し、日中の漢字の意味の違いを追いかけているが、飯間さんは、採取した語を自ら編集する国語辞書に入れようとしている点だ。共通の点といえば、先日のテレビ(2013・1・23?)で飯間さん自身が言っていたが、こうした写真を撮っていると、ときに「誰何」されるという点である。本書はまた、東京の町歩きの案内書でもあり、どの地区では看板、掲示にどのような特徴があるかを語る。いや、それだけではなく、本書の端々には、国語学者としての飯間さんの蘊蓄、分析が入る。たとえば、江戸時代「丼」といえばウナギ丼のことだったとか、エレキギターが登場したことでこれまでのギターは、アコースティックギター、略してアコギと呼ばれるとか。(これには「急行」が出てきて「鈍行」が生まれ、「洋画」の登場で「邦画」が生まれたという鈴木孝夫さんの論考がある。ぼくの家の側を走る渥美線は急行もないくせにホームには「普通」という表示が出ている)、「鮭」とサーモンの違い、「サラダバー」「ジュースバー」のようなバーの新しい用法などなど、なるほどとうなづかされる指摘が各所に見られる。(バーについては中国語の口巴baの意味拡張と似ている。)

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2014/01/03

 言葉を探すのは何もインターネット上だけではない。文化人類学者がフィールドワークをするように、国語学者もフィールドワークをして新語を発見する。探すのも大変だが整理するのも大変だろうなあ。  「ババ歩き」という言葉が載っている。「ババ」といってもおばあさんやおばさんの歩く姿ではな...

 言葉を探すのは何もインターネット上だけではない。文化人類学者がフィールドワークをするように、国語学者もフィールドワークをして新語を発見する。探すのも大変だが整理するのも大変だろうなあ。  「ババ歩き」という言葉が載っている。「ババ」といってもおばあさんやおばさんの歩く姿ではなく、早稲田大学の学生が高田馬場から大学まで歩くことを言う。余談だが、今年の箱根駅伝は総合4位だった。東洋大学、駒澤大学という2つの壁は厚く破るのが難しかった。  山手線で新橋まで足を運ぶと目立つのが「癒し」だそうだ。指圧、マッサージに限らず「癒し」に満ちあふれている著者曰く「癒しの街」だ。中には「いやし」ではなく、「いやらし」の空間もあったりして。  明治大学のあるお茶ノ水に目を移してみると、著者はある看板に注目した。それは「楽器の街 お茶ノ水 唯一の/アコギの専門店」だ。「アコギ」と言うとどうしても浮かんでくるのが「越後屋、アコギな商売をするとはおぬしもなかなかの悪よのう」だな。とは言ってここの「アコギ」はアコースティックギターの事で、悪いイメージが漂う方ではなかった。  言葉というのは、生き物なので移り変わりがある。「ふしぎ発見!」ならぬ「ことば発見!」をしに街に繰り出してみると面白いかもしれない。 PS 新年あけましておめでとうございます。読者の皆様、今年もよろしくお願いします。

Posted byブクログ