ギンイロノウタ の商品レビュー
村田さんの作品を読むのは2回目ですが、こちらも気味が悪いほどのリアリティのある表現が巧みで凄く個性的で良かったです。病んでいる感じが自分にも共感できるところがあるので、表現しにくいドロドロしたものも描かれていて流石だと思いました。
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村田沙耶香さんの小説に出てくる登場人物って確かに狂ってるけどなんかほんのちょっとのキッカケでそっち側に転がって行ってしまいそうな感覚が理解できてしまうのが怖い。 特に思春期の自分なんか今思い出すとあの頃の自分て狂ってたなぁって思うもんね。 誰でも抱えてる心の闇とか病的な部分を表現...
村田沙耶香さんの小説に出てくる登場人物って確かに狂ってるけどなんかほんのちょっとのキッカケでそっち側に転がって行ってしまいそうな感覚が理解できてしまうのが怖い。 特に思春期の自分なんか今思い出すとあの頃の自分て狂ってたなぁって思うもんね。 誰でも抱えてる心の闇とか病的な部分を表現するのが上手いんだと思う。
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引っ込み思案で友達ともうまく行かない有里。中学では友達のリーダー格に嫌われ、一人でいるところに、空回りする教師に目をつけられ、毎日スピーチをさせられることに。そんなとき、自分を持てるのが、幼稚園のときにいとこに買ってもらった銀色の携帯指し棒と、押し入れの中に貼り付けた男の目玉の写...
引っ込み思案で友達ともうまく行かない有里。中学では友達のリーダー格に嫌われ、一人でいるところに、空回りする教師に目をつけられ、毎日スピーチをさせられることに。そんなとき、自分を持てるのが、幼稚園のときにいとこに買ってもらった銀色の携帯指し棒と、押し入れの中に貼り付けた男の目玉の写真…。 『コンビニ人間』の印象で読んでしまう村田沙耶香だが、本作に含まれる2本とも漠然とした恐怖と性をテーマにした作品だ。 1本目の『ひかりのあしおと』は光が怖い少女が恐怖から逃げるために性に逃げ込む。話はわかるがちょっと収束点がわからないところが有ったが、やはり表題作の閉塞感から、銀色の扉を探すために話が危ない方向に"駆け上がっていく"感覚で苦しくなっていくところが醍醐味だ。 『コンビニ人間』のままならない押し流されていくが起伏の少ない感じではなく、思ったようにいかないために前にも後ろにも進めない状況を暴力的に壊そうとするアグレッシブな2本。好き嫌いが分かれそうな作品では有る。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
村田沙耶香さんの他作品「地球星人」と似た雰囲気のある表題作。 主人公の置かれている環境や周囲の人の感じが、「うわあこういう人いるよね」「これ辛いな...」と思うようなことばかりで主人公に感情移入できる場面も多い前半ですが、そんな主人公が後半に行くにつれて徐々に常軌を逸していく様子はとてもハラハラした。 最後のステッキの場面は表現が美しくて感動した。
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不器用な者や自分の感情や目の前の出来事に 上手く折り合いをつけられなくては、どんどんと 深みにハマっていくしかないのだろうか。 それかあえて気付かないふりをしている人が多いのか分からないが、それでも自分の行き所を 模索している姿に惹かれる部分もあるのではなかろうか。
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衝撃。 土壌によって、常識も倫理観も全く異なって成熟する。 この本の主人公たちの常識も、実際成り立ち得るだろう。 解像度の高さがすごい。
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少しずつ滲み出し現実となっていく少女の狂気。 その狂気を醸成していった学校や家、バイト先での日常の出来事の一つ一つが身に覚えのあるものがあり、心が苦しかった。 銀色の扉を開いた彼女はどこに行ってしまったのだろうか。
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『星が吸う水』以来の村田沙耶香san。 少女の顔をした、化け物が目覚める。私となんの関係もないあなたを、私は殺したい-。 1話目「ひかりのあしおと」は、小学二年生の誉(ほまれ)が<ピンク色の怪人>にトイレに閉じ込められるシーンから始まり、<レンアイ>を経て、呪文と光に苦しめら...
『星が吸う水』以来の村田沙耶香san。 少女の顔をした、化け物が目覚める。私となんの関係もないあなたを、私は殺したい-。 1話目「ひかりのあしおと」は、小学二年生の誉(ほまれ)が<ピンク色の怪人>にトイレに閉じ込められるシーンから始まり、<レンアイ>を経て、呪文と光に苦しめられながら大学生となっていく物語。冒頭から「私」が敬語で語り出す距離感、大学の教室で蛍から声を掛けられた時に、「不意に、とてもきれいな発音の日本語が私に放たれました。」という表現が素敵でした。 2話目は表題作「ギンイロノウタ」。「私が”化け物”だとして、それはある日突然そうなったのか~」から始まる恐ろしさ。主人公の少女・友里(ゆり)が病院で生まれるシーンから始まり、常に夫の顔色を窺い態度を変える母親(お母さんとアカオさん)、魔法のステッキ、押し入れの世界等。後半で日記が具体的になって来て、ナイフを持ち、外に出たところはハラハラしながら読みました。 誉と友里の魂の叫びと祈りが、外の世界に届きますように。 【第31回野間文芸新人賞】
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人の内部ってこんなに複雑なんだと(他人事みたいだけど)思った。 たった一瞬の取るに足りない動きを3行もかけてじっくりゆっくり描写する感じがたまらなく好き 本読んでるって感じがする 気味が悪いけど惹きつけられる、 なんかすごい恥ずかしい気持ちになる本でした
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ひかりのあしおと の方が個人的に好きだったなー 村田沙耶香の本で殺人衝動に駆られる主人公の話はあまり読んだことがなかったけど、これは2話ともそうだったから新鮮だった。 読みすすめるのが怖いくらい何が起こるか分からなくて面白かった! ギンイロノウタの最後は、どういうことなんだろう?...
ひかりのあしおと の方が個人的に好きだったなー 村田沙耶香の本で殺人衝動に駆られる主人公の話はあまり読んだことがなかったけど、これは2話ともそうだったから新鮮だった。 読みすすめるのが怖いくらい何が起こるか分からなくて面白かった! ギンイロノウタの最後は、どういうことなんだろう?結局、他人ではなくステッキの中に己の衝動があったということ? 有里の自分を誤魔化したり言い訳したりする描写がめっっっちゃリアルで見ててキツかった笑
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