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三日間の幸福 の商品レビュー

4.2

280件のお客様レビュー

  1. 5つ

    120

  2. 4つ

    94

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    1

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2024/10/16

この作者始めてで『三日間の幸福』て何だろ? と思いながら読んだ。 生きる気力のない20歳の男が自分の寿命を売る話し 読み始めはとにかく暗いのかな‥と思ったが 泣けて来たり、少し笑ったり‥ 薄い本で読みやすいしサラッと読めて面白かった。

Posted byブクログ

2024/10/11

とっても読みやすい文章でした。 ヒメノが「可哀想な人」の印象で止まってしまうので彼女についてもう少し掘り下げがあっても良いかもしれないと思いつつ、クスノキとミヤギのやり取りをもっと読みたいという気持ちの方が優った。 30年より価値のある30日。 病気や事故などで失う寿命ではなくて...

とっても読みやすい文章でした。 ヒメノが「可哀想な人」の印象で止まってしまうので彼女についてもう少し掘り下げがあっても良いかもしれないと思いつつ、クスノキとミヤギのやり取りをもっと読みたいという気持ちの方が優った。 30年より価値のある30日。 病気や事故などで失う寿命ではなくて、自分から寿命を手放す物語性に惹かれました。そうした主人公が残りの日々をどのように過ごすのかも。 電撃系は普段読まないのですが、するすると読めました。

Posted byブクログ

2024/09/10

予想外の結末だった。自分の命の値段なんて考えたこともなかったけど、自分が主人公と同じ立場ならさすがに20歳で寿命を売るのは早いんじゃないかなと思う。またヒメノとミヤギについてもう少し掘り下げがあっても良かったかなと感じた。将来自分がどんな人生を送っているのかなんて知らないほうが良...

予想外の結末だった。自分の命の値段なんて考えたこともなかったけど、自分が主人公と同じ立場ならさすがに20歳で寿命を売るのは早いんじゃないかなと思う。またヒメノとミヤギについてもう少し掘り下げがあっても良かったかなと感じた。将来自分がどんな人生を送っているのかなんて知らないほうが良いとこの物語を通して思いました。

Posted byブクログ

2024/09/06

直前の死期をテーマにした本は多数あるが、この本は主人公は死ぬまで直前で健康体で寿命があと3ヶ月ということを知っているだけの状態だから、周りの態度や世の中が寿命を知った日から変わることもない。その意味で等身大に近く、日々を大切に生きなきゃなという本。話を面白くするための突拍子もない...

直前の死期をテーマにした本は多数あるが、この本は主人公は死ぬまで直前で健康体で寿命があと3ヶ月ということを知っているだけの状態だから、周りの態度や世の中が寿命を知った日から変わることもない。その意味で等身大に近く、日々を大切に生きなきゃなという本。話を面白くするための突拍子もないことが何点かありそこは引っかかったが、その分退屈はしなかった。 読んだあと色々考察したいというよりは、一回読んで満足するきれいな本。

Posted byブクログ

2024/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三秋縋さんの小説はこれが初めてです。 寿命を買い取ってくれるという店に足を運んだ主人公と、その監視員をする女性の話。 クスノキとヒメノのラブストーリーかと思ったら、違いました(笑) 個人的な解釈なので、作者の意図とはずれるかもしれませんが、この物語には沢山の趣旨が込められていると感じました。 ・寿命が凄く安いこと ・主人公が追い求める“花火” ➡作者が魂を込めて描いた小説が、古本屋では二束三文の買取額になってしまうこと ➡丹精込めて作ったものが一瞬で終わってしまったり、駄目になってしまうこと ・ミヤギの身の上 ➡親に傷つけられ、誰からも守ってもらえなかった(この世の中に大勢いる)子供を象徴。彼らの「生きる意志の薄さ」は現代社会の構造的な問題、と問題提起している? という風に感じました。 もともとこの本を手に取ったきっかけが、 直前に読んでいた本に「クスノキが発達障害っぽい」という話が出ており、その描写を見てみたいと思ったから(という何とも不純な動機)なのですが、ぐいぐい読ませる展開で、最後まで一気読みしてしまいました。 途中、 ・「答え合わせをしよう」の展開がちょっとくどい ・「ヒメノはそれで相手が理解すると思ったのか?」という疑問 ・どんでん返しの内容がちょっと都合よすぎるという点 このあたりが気になりましたが、エンタメ全開な作品で、これだけ色々考えさせるテーマを出してくるものにはそうそう出会わないので、個人的には大満足でした。 著者の他の作品も読んでみたいです。

Posted byブクログ

2024/08/28

まさしく三日間の幸福とはこのことか。 三日間のみならず、これから一年、十年生きる中でこの三日間の幸福こそ、幸福の本質なのかもしれない。 清々しい。読んだ後は夜空を見上げ、ハンモックに揺られ、冷たいレモネードをストローでちゅうちゅう吸った時のような清々しさです。  

Posted byブクログ

2024/08/18

筆者のあとがきに書かれているとおりだと思う。 失ってから初めて大切さに気づくであったり 推しは推せる時に推せのような意味に近い気がした。 世界を初めて愛せるようになった頃には 彼の死は決定的である。 馬鹿は治ったが、もう手遅れの彼の目を通して 見る世界はたぶんすべてがどうでも...

筆者のあとがきに書かれているとおりだと思う。 失ってから初めて大切さに気づくであったり 推しは推せる時に推せのような意味に近い気がした。 世界を初めて愛せるようになった頃には 彼の死は決定的である。 馬鹿は治ったが、もう手遅れの彼の目を通して 見る世界はたぶんすべてがどうでもよくなってしまうくらいに、美しいのです。 俺はこんなにも素晴らしい世界に住んでいたのに 今の俺にはすべてを受け入れて生きることができるのにといった後悔や嘆きが深ければ深いほど 世界はかえって、残酷なくらいに美しくなるのではないでしょうか。

Posted byブクログ

2024/08/06

とても読みやすかったです。 タイトルの「三日間の幸福」は、どんな意味だろうと考えていました。 寿命を売った人間が自暴自棄になり他者に危害を加えることを防ぐためにある監視員制度。 最初は、余命が残り三日となった時に監視員が外され、1人になれる時間のことを幸福なのだと、クスノキさん...

とても読みやすかったです。 タイトルの「三日間の幸福」は、どんな意味だろうと考えていました。 寿命を売った人間が自暴自棄になり他者に危害を加えることを防ぐためにある監視員制度。 最初は、余命が残り三日となった時に監視員が外され、1人になれる時間のことを幸福なのだと、クスノキさんと同じ考えでした。 だからこそ、ラストでタイトルの意味が分かった時は、クスノキさんとミヤギと同じように私も幸福になれたように感じました。幸せな気持ちになれるような感動を味わえたと思います。 クスノキさんの「俺は性格とか気質とか本性とかいう言葉を、あんまり信用していないんだ。そんなもの、状況によってどうとでも変わる。長い目で見れば、人によって異なるのは、『どういう状況に陥りやすいか』だけだと思うね。一貫性ってものを皆過剰信仰しているが、あれは多くの人が考えているより、もっと表面的なものなんじゃないか。」「誰だって、悲しい一般論の前で、自分だけは例外だと思ってるんだよ」という言葉が印象に残りました。 女性教員が「ここでは、一度そういう考え方を捨ててほしいんです」と言っていたことを理解し、 クスノキさんの寿命が30万だということに何の疑問も抱かなかったので、クスノキさんと同じように、命は何よりも尊いものだから、寿命1年につき1万円という価格が最低買取価格だと私も当たり前のように思ってしまっていました。人が勝手に考える常識は怖いなと思いました。 色んな考えもできて、とても面白かったです。 [あらすじ] どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の"査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。未来を悲観して寿命の大半を売り払った俺は、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になるが、何をやっても裏目に出る。空回りし続ける俺を醒めた目で見つめる、「監視員」のミヤギ。彼女の為に生きることこそが一番の幸せなのだと気づく頃には、俺の寿命は二か月を切っていた。 いなくなる人のこと、好きになっても、仕方ないんですけどね。

Posted byブクログ

2024/08/02

恋する寄生虫を読んで興味を持った作家、三秋縋の作品。私はこれで彼の作品を読むのが2作目になりますが、やはりこの作家さんが書く物語は素晴らしいですね。 色々と考えさせられながらも、最後には清涼感の残る感動を与えてくれた作品でした。

Posted byブクログ

2024/08/05

涙は出ないタイプの感動がある本。読み終わったあとの気持ちをすぐにでも残したいと思うほど、感動した。 スポ根漫画の成長劇のように、主人公がどんどん成長して、完璧なハッピーエンドで終わるような話ではないが、心温まるお話でした。 1人では無意味な人生も隣の誰かによってどうとでもなる。...

涙は出ないタイプの感動がある本。読み終わったあとの気持ちをすぐにでも残したいと思うほど、感動した。 スポ根漫画の成長劇のように、主人公がどんどん成長して、完璧なハッピーエンドで終わるような話ではないが、心温まるお話でした。 1人では無意味な人生も隣の誰かによってどうとでもなる。 自暴自棄になって、人間死にたいと思うことはあるだろう。ただ、その人でさえ、誰と出会うかでどうとでもなりうる。それこそ30億の人生にだってなりうるのだ。

Posted byブクログ