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宇宙船とカヌー の商品レビュー

3.7

6件のお客様レビュー

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2021/09/04

出だしは興味深くてどんどん進んだのだけど、途中からなんか進まなくなったな。 なんと言うか、文章もあまり得意じゃない文体やリズムだったからか。。。

Posted byブクログ

2018/12/30

文庫本450ページにおよぶ父子物語を、海外出張の機内とホテルで読了。 父フリーマン・ダイソンは「宇宙船」に夢を見た。爆弾の爆発を動力として宇宙船を飛ばそうという彼の『オリオン』計画は一時はNASAからも予算がおりるほどのものだった。一方、その息子ジョージは「カヌー」に夢を見た。1...

文庫本450ページにおよぶ父子物語を、海外出張の機内とホテルで読了。 父フリーマン・ダイソンは「宇宙船」に夢を見た。爆弾の爆発を動力として宇宙船を飛ばそうという彼の『オリオン』計画は一時はNASAからも予算がおりるほどのものだった。一方、その息子ジョージは「カヌー」に夢を見た。17歳で家を出て、木の上に作ったツリーハウスに住み、巨大カヌーを自作することに邁進した。 1978年に原書が出版された、この父子の物語がユニークな点は、著者自身がこの父子にしっかりとかかわっていることだ。ジョージのカヌーに一緒に乗り込んで冬の海峡を漕ぎ進み、また、離れて暮らす父子の間を取り持つ密使のような役回りもやっている。ここまでかかわっているからこそ、客観的なドキュメンタリーではない父子物語ができあがったのだろう。決して感情的な表現を使っていないにもかかわらず、交わることの少なかったこの父子が最後に見せる姿がとても美しく感じられるのは、著者が自身をこの父子の中に置いたことの何よりの証しだ。 また、巻末に添えられている訳者のあとがきである「訳者ノート」も秀逸だ。柴田元幸のあとがき同様、本作の良さを存分に引き出している。さらに、今回のヤマケイ文庫からの刊行にあたって書かれた「文庫版あとがき」にも軽く胸がふるえた。厚めの文庫だが、最後の最後まで読ませてくれる。

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2018/11/05

お父さんはダイソン・スフィアのダイソン先生。息子はナチュラリストというか、そんな生活をブリティッシュ・コロンビア近辺でしているジョージ。一見対称的であるが、実は似たもの親子なのである。それは著者もあきらかに意識して書いていると思う。自分とはかなり遠い感覚の人たちであると思う。魅力...

お父さんはダイソン・スフィアのダイソン先生。息子はナチュラリストというか、そんな生活をブリティッシュ・コロンビア近辺でしているジョージ。一見対称的であるが、実は似たもの親子なのである。それは著者もあきらかに意識して書いていると思う。自分とはかなり遠い感覚の人たちであると思う。魅力はある本だが、いまいち入っていけないところもあった。 いろいろ時間が無く、おもに飛行機の中で、きわめてゆっくり読んだ。

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2014/08/15

巨大宇宙船の建造を夢見る物理学者の父親と、文明を捨ててカナダ・ブリティッシュコロンビア沿岸に移り住み、巨大カヌーの建造を夢見る息子の交流を描いた物語。カナダの大自然を背景に、人間の根源の暮らしが描かれ、文明とは何か・豊かな生活の在り方とは何かということが常に読み手側に問いかけられ...

巨大宇宙船の建造を夢見る物理学者の父親と、文明を捨ててカナダ・ブリティッシュコロンビア沿岸に移り住み、巨大カヌーの建造を夢見る息子の交流を描いた物語。カナダの大自然を背景に、人間の根源の暮らしが描かれ、文明とは何か・豊かな生活の在り方とは何かということが常に読み手側に問いかけられる。

Posted byブクログ

2014/04/15

物理学者フリーマン・ダイソンと息子のジョージ・ダイソンのノンフィクション、と書いて良いのかな。 フリーマン・ダイソンの考えは、翻訳系の科学ノンフィクション本に引用される場合が多いですね。ですが、実際のところ、あまり知らなかった物理学者だったので(恥ずかしい...)、気になって本を...

物理学者フリーマン・ダイソンと息子のジョージ・ダイソンのノンフィクション、と書いて良いのかな。 フリーマン・ダイソンの考えは、翻訳系の科学ノンフィクション本に引用される場合が多いですね。ですが、実際のところ、あまり知らなかった物理学者だったので(恥ずかしい...)、気になって本を手に取りました。 読み始めて最初の方は、二人の話が交互に出てきてどうなることやら、と思いますが、著者の存在が二人の仲立ちするきっかけとなったということかな。徐々に二人の話が一つになっていきます。 この本が書かれてから年月がたちました。二人の考え方、感じ方、思い方がまた変わったのではないかと想像。

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2014/03/13

物理学者の父フリーマン・ダイソンと、カヌービルダーの息子ジョージ・ダイソン、二人の親子が主人公の物語。 互いの職業は全く正反対のように見えるが、父であるフリーマンは水素爆弾を推進力とした、巨大宇宙船建造プロジェクト「オリオン」の中心メンバーで、人をフロンティアへ誘う乗り物を創造...

物理学者の父フリーマン・ダイソンと、カヌービルダーの息子ジョージ・ダイソン、二人の親子が主人公の物語。 互いの職業は全く正反対のように見えるが、父であるフリーマンは水素爆弾を推進力とした、巨大宇宙船建造プロジェクト「オリオン」の中心メンバーで、人をフロンティアへ誘う乗り物を創造する、という点ではどこか共通している。 作品は父フリーマンと息子ジョージのエピソードが交互に書かれ、年代の違う伝記を別々に読んでいるようだが、不思議と心地よいリズムで進んでゆく。時折ジョージの章に現れる、アラスカやカナダの風景や生き物の描写がとても美しく、穏やかな海へ一緒にカヌーで漕ぎ出したい気持ちになった。 終盤で親子が久々に再開する場面では、ぎごちなく距離感を保ちながらも、互いのことを気遣う二人が羨ましく思えた。久しぶりに父フリーマンが見た、大自然の中で暮らす息子ジョージの姿は、陽の光を受けた太平洋の水面のように、眩しく輝いていたのかもしれない。

Posted byブクログ