セカイからもっと近くに の商品レビュー
思いのほか、とても読みやすかった。文芸批評では取り上げられることのない、新井素子、法月綸太郎、押井守、小松左京の4名の作家から、閉塞したセカイ系をどう突破しようとしたか、が語られる。押井守の映画は何作品か見ていた他、法月綸太郎の本はほとんど読んでいたが、その他2名の作家はあまり読...
思いのほか、とても読みやすかった。文芸批評では取り上げられることのない、新井素子、法月綸太郎、押井守、小松左京の4名の作家から、閉塞したセカイ系をどう突破しようとしたか、が語られる。押井守の映画は何作品か見ていた他、法月綸太郎の本はほとんど読んでいたが、その他2名の作家はあまり読んでいない。それでもとても分かりやすい。 法月綸太郎は、正統派本格ミステリであるようでいて、変格でもある。一時期までは主人公がよく悩んでおり、そこに共感していた(あんまり悩まなくなった近作は、作品としてのパワーも落ちてきたように思える)。が、セカイ系と恋愛の問題、として読み解くことができるとは全く思わなかった。
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新井素子と法月綸太郞と押井守と小松左京の作品を使ってセカイ系の困難と呼ばれる問題の解決を考える。 押井守以外は実は読んだことないし、押井作品もそんなに熱心に見ていない、けれど、面白かった。 面白かったというか、4章の途中までなるほど、と思いつつ、なんか現実に目を向けよう的な話にな...
新井素子と法月綸太郞と押井守と小松左京の作品を使ってセカイ系の困難と呼ばれる問題の解決を考える。 押井守以外は実は読んだことないし、押井作品もそんなに熱心に見ていない、けれど、面白かった。 面白かったというか、4章の途中までなるほど、と思いつつ、なんか現実に目を向けよう的な話になるのかな、と思いつつ、なんだか最後の最後に何かとんでもないことが起きたような気がするのだけれど、その部分がどうにも理解を超えているようで、まだ咀嚼出来ていない、ので、もう一度読まねば。 とてもとても読みやすい本だった。
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面白かった。ボクはラノベもミステリーもほとんど読まないので、実感として東さんのいうことはわからないし、押井守にもハマらなかったけれど、ポストモダンとセカイ系の危機、その時代における小説の役割をわかりやすく説明してくれている。僕らよりも若い世代の価値観の一端も垣間見えたような気がする。 特に、押井守の物語のループ性は、細野晴臣が言っていた「世界は螺旋形をしている」と似ているなと思った。反復しながらズレていく世界の中で、自分の生の一回性をどのように価値付けていくのか、愛、家族、もうひとつの母性・・・ 難しいけれど、東さん自身は肯定的な未来を模索し、見出しているようにも思えた。
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