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刑事さん、さようなら の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2023/11/20

『ぼくと、ぼくらの夏』にハマって著者の作品を大人買いしたけれど、同じ作家を続けて読むことは意識的に避けているため、積んだままにしていたら何年も経ち、そうこうしているうちに著者が亡くなってしまった。そんな年齢でもなかったのに。 10年前に刊行された本作を読みはじめたら、そうそう、...

『ぼくと、ぼくらの夏』にハマって著者の作品を大人買いしたけれど、同じ作家を続けて読むことは意識的に避けているため、積んだままにしていたら何年も経ち、そうこうしているうちに著者が亡くなってしまった。そんな年齢でもなかったのに。 10年前に刊行された本作を読みはじめたら、そうそう、私はこの丁寧さが好きだったと改めて思う。若干の知的障害があるとおぼしき彼のワイズクラックな話し方に『枯葉色グッドバイ』を思い出したりも。 小説家としてなかなか芽の出なかった著者が自宅で亡くなっているところを発見されたと聞くと、悲しい人生を想像してしまうけど、幸せかどうかは人が決めることじゃない。本作のヨシオを見てよりそう思う。 「ワイズクラックな話し方」について→https://blog.goo.ne.jp/minoes3128/e/9954ab1573863ff36bf8c273d5e212e1

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2021/07/20

事件を追う刑事の語りと焼き肉屋の男の語りが 交互に展開される 事件はいくつか起こり、それぞれ単独そうなものだが 話が進むにつれて・・・ そして終盤、そろそろ事件も解決しそうだなとって ところであの展開は・・・ これでよかったのでしょうか?って感じの結末でした

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2020/11/24

後輩の警官の自殺、風俗ライターの死体、2つの不審死を調査する警部補・須貝は・・・。 テーマは「善人の罪科」と「悪人の正義」、警察組織の裏金やねつ造などの暗部も組織で生きていく視点で語られている。 これまでの著者の作品とは異なり、勧善懲悪でもなく読後感の爽やかさはない。 ラストは...

後輩の警官の自殺、風俗ライターの死体、2つの不審死を調査する警部補・須貝は・・・。 テーマは「善人の罪科」と「悪人の正義」、警察組織の裏金やねつ造などの暗部も組織で生きていく視点で語られている。 これまでの著者の作品とは異なり、勧善懲悪でもなく読後感の爽やかさはない。 ラストは驚いた。好き嫌いが分かれる話だと思うが、面白かった。

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2020/06/15

事件そのものはとても陳腐で、プロットにもあえて語るべき新しさはない。 ただ、そこに生きる人間の造形がリアルで、不思議と読み味は新しかった。 雰囲気が印象に残りやすいという意味では成功作なのかもしれません。 ①魅力的な謎……1/6 ②精緻なサスペンス……2/6 ③鮮明な結末……1...

事件そのものはとても陳腐で、プロットにもあえて語るべき新しさはない。 ただ、そこに生きる人間の造形がリアルで、不思議と読み味は新しかった。 雰囲気が印象に残りやすいという意味では成功作なのかもしれません。 ①魅力的な謎……1/6 ②精緻なサスペンス……2/6 ③鮮明な結末……1/6 ④印象的な文章表現……4/6 ⑤先鋭的なテーマ性……2/6 計10/30 星1

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2019/01/10

発表から時間が経ってはいるけれども、樋口センセが描くローカル色っていうのは変わってないんだなぁ…と再確認。 そこに息づく人が醸し出す空気感がリアル。 で、今作も四十路の刑事が語り部ということで、もうそろそろ自分のなかでの「青春ミステリ」な樋口センセというポジションが消えかかって...

発表から時間が経ってはいるけれども、樋口センセが描くローカル色っていうのは変わってないんだなぁ…と再確認。 そこに息づく人が醸し出す空気感がリアル。 で、今作も四十路の刑事が語り部ということで、もうそろそろ自分のなかでの「青春ミステリ」な樋口センセというポジションが消えかかって…w ただ「強い正義感を厭う」ていう人物造形は、なるほどなー…と感じるものであります。 センセらしい。 自分もまたそういう側の性格だからかもしれないけど。 しかし作中でも述べているように「正義と正義感」は異なるものですし、そして「正義感を厭う」からといって真の意味での正義に敬意を払うのかといえば別…っていうことを物語のクライマックスでは語られるワケで。 正義に敬意を払わないとき、正義は不敬な者に牙を剥く。 それは因果応報というのいうものかもしれないけれど、しかし正義は残酷で人情味なんて解しないものなんだな、と。 エンターテインメント作品なんだから、事態がそんな単純なものではないと意識しつつも、今作は「どこかおかしいぞ」という臭いを序盤から放ってました。 それは正義では無いことが放つ不自然さだったのかも。 でもやっぱり、人間は純粋な正義とは仲が悪いのではないかと、読み終えて考えてしまうのです。 哀しいことかもしれませんが。

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2017/05/25

埼玉県警察本庄警察署刑事課の刑事須貝と、埼玉県西川口の焼肉店の住み込み店員ヨシオ、二人の視点から交互に展開するミステリー。 樋口有介作品は、自分の中で名作と認定している作品がいくつもありますが、この作品も名作認定です。 とにかく素晴らしいミステリーですが、何を書いてもネタバラシに...

埼玉県警察本庄警察署刑事課の刑事須貝と、埼玉県西川口の焼肉店の住み込み店員ヨシオ、二人の視点から交互に展開するミステリー。 樋口有介作品は、自分の中で名作と認定している作品がいくつもありますが、この作品も名作認定です。 とにかく素晴らしいミステリーですが、何を書いてもネタバラシになりそう。 読む人が、職場で、家庭で、あるいは社会でどういう立ち位置にいるかで、この物語を美しいと思えるかどうか、ということは書いてもいいでしょうか。 こういう、読む人の倫理観を問うような作品こそ、樋口有介作品だと思えます。

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2016/08/17

 タイトルの意味がわかったとき…。  樋口氏は、すごい上手いタイトルつけるときと、おい、って時があって、今回は、おい、の方かと思ったら、失礼しましたm(__)m  自殺した警官に、風俗ライターの死。無関係に思われたそれは、ある女によってつながっていた。  たたき上げの警部...

 タイトルの意味がわかったとき…。  樋口氏は、すごい上手いタイトルつけるときと、おい、って時があって、今回は、おい、の方かと思ったら、失礼しましたm(__)m  自殺した警官に、風俗ライターの死。無関係に思われたそれは、ある女によってつながっていた。  たたき上げの警部補、須貝と、焼肉屋の店員、ヨシオの視点が交錯するのだが、それぞれがそれぞれの生活があってむしろそれが面白い。特にコリアン焼肉屋の猥雑さと、その中で淡々と仕事をこなしていくヨシオのテンションの落差がむしろ安心感になっている。  警察の中身がおいおい、っていうのは、警察ってろくなのいないじゃん、ってなるのでちょっとやりすぎな気がしないわけでもないですが。    とはいえ、汚濁の中で自分を保っているように見える二人だけど、結局は…。  帯に「あなたはこの犯人を赦しますか?」ってあるのだけど、許せるわけないと思うのだが。つか、それは彼の結局のところ妄想の産物だと気づいたとき、彼がそのままでいられないだろうと想像できて憂鬱。  なんか、読後にじわっと毒がしみてくる感じだった。

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2016/03/26

「結婚したい女ができた」と明かした十日ほど後、警官が自宅で首を吊った。その二日後、河原で風俗ライターの死体が見つかる。後輩の自殺に疑問を抱き独自に聞き込みを続けていた警部補・須貝は、二つの不審死をつなぐ“女A”の存在に行き着くのだが―。「善人の罪科」と「悪人の正義」が交錯する、美...

「結婚したい女ができた」と明かした十日ほど後、警官が自宅で首を吊った。その二日後、河原で風俗ライターの死体が見つかる。後輩の自殺に疑問を抱き独自に聞き込みを続けていた警部補・須貝は、二つの不審死をつなぐ“女A”の存在に行き着くのだが―。「善人の罪科」と「悪人の正義」が交錯する、美しくも哀しき愛の物語。

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2016/03/11

樋口作品に付きものの小生意気で魅力的な美人と優柔不断な男のストーリーを期待して読んだら、驚くことに人情刑事物語だった。 何の心境の変化なのか、いいところもあるけどやっぱり樋口節の方が好きですね。 本作で描かれている警察のなあなあ加減も気に入らなかった。

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2015/09/23

後輩の自殺に疑問を抱き独自に捜査をする須貝警部補。一方、施設育ちで今の環境に幸せを感じている焼肉店店員のヨシオ。二人を結びつける薄幸の美人が、両者の人生を変えていく。 「善人の罪科」と「悪人の正義」を交錯させた挑戦的な物語。感情移入をどちらにするかで読後感がまったく変わってくる。...

後輩の自殺に疑問を抱き独自に捜査をする須貝警部補。一方、施設育ちで今の環境に幸せを感じている焼肉店店員のヨシオ。二人を結びつける薄幸の美人が、両者の人生を変えていく。 「善人の罪科」と「悪人の正義」を交錯させた挑戦的な物語。感情移入をどちらにするかで読後感がまったく変わってくる。作者の意図が怖いほど不気味に伝わる。もっと評価されていい作家の一人。

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