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アノスミア の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2025/06/05

原題は“Season to Taste”という洒落たタイトル。 著者モリー・バーンバウムは、料理の世界に入ろうとしていた矢先、交通事故に遭い、鼻と嗅覚皮質をつなぐ神経経路を損傷した。嗅覚が失われ、それに連動して味もほとんど感じとれなくなった。絶望のなか、彼女は何人もの嗅覚や味覚の...

原題は“Season to Taste”という洒落たタイトル。 著者モリー・バーンバウムは、料理の世界に入ろうとしていた矢先、交通事故に遭い、鼻と嗅覚皮質をつなぐ神経経路を損傷した。嗅覚が失われ、それに連動して味もほとんど感じとれなくなった。絶望のなか、彼女は何人もの嗅覚や味覚の専門家に助言を求め、試行錯誤を重ねながら、それらの感覚を少しずつとり戻してゆく。本書はその5年間の回復の過程を綴ったドキュメンタリー。 匂いや味を感じとれないということがどういうことなのか。それらの記憶も呼び出せないとはどういうことなのか。そしてどうすればそれらをとり戻せるのか。体験談として貴重なだけでなく、専門家へのインタビューやそれを踏まえた考察もあって、学術的価値も高い。

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2025/05/31

交通事故によって嗅覚を失った著者。元々シェフを目指して修行中だったのに。絶望と希望。著者はだんだん回復してくるんだけど、その探究心はすごい。調香師学校の夏期講座を受講したり、いろんな研究者にコンタクト取ったり。読み物としても興味深かった。

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2024/10/11

新型コロナウィルス感染症の症状に一定割合で嗅覚障害や味覚障害があります。あのパンデミックを経験した後から、マスクなしで呼吸して感じること・匂いが分かること、この事が如何に自分の生活に関わっているのか考えるようになりました。 この本は「香りのチカラ」(著・平野奈緒さん)で紹介されて...

新型コロナウィルス感染症の症状に一定割合で嗅覚障害や味覚障害があります。あのパンデミックを経験した後から、マスクなしで呼吸して感じること・匂いが分かること、この事が如何に自分の生活に関わっているのか考えるようになりました。 この本は「香りのチカラ」(著・平野奈緒さん)で紹介されていたので、知りました。交通事故きっかけで嗅覚を失った作者が、自身の体験を交えながら嗅覚とは何か調べた軌跡。香りを嗅ぐ、食べたものの香りが鼻に抜ける、その先で脳が情報処理をする。8つの章に区切られていて、専門的な話は一気読み出来ず、少しずつ読みました。 『においの役割がこれほどだったとは、失ってみるまで気づかなかった。自分が失ったものの大きさも夕食やお茶のひと口ごとに目の前に突きつけられるまで、わからなかった。-②サワーミルクと紅茶-』 暑い日が続く中、どことなく秋めいてきた風を感じる。これも香りを感じるチカラでしょうか( ゚д゚)ハッ! 2024.9

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2019/09/19

こんなこと初めてなのですが、装丁が受け入れられずに読み進められなかった。。 最初から目次や見出しのフォントが、なんでこんなファンシー?? と感じてたけど、内容と合わなくて読むのがきつくなってしまった…

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2018/11/05

シェフ見習いの若い女性が交通事故の後遺症で嗅覚を失う。そこからの回復の過程を、嗅覚に関する豆知識(?)を交えながら描く。 嗅覚は日ごろあまり気にしない感覚だが、失ってみるとシェフ志望ならずともその損失に驚くようだ。味覚と思っているものもかなりの部分は嗅覚だし、記憶や感情とダイレ...

シェフ見習いの若い女性が交通事故の後遺症で嗅覚を失う。そこからの回復の過程を、嗅覚に関する豆知識(?)を交えながら描く。 嗅覚は日ごろあまり気にしない感覚だが、失ってみるとシェフ志望ならずともその損失に驚くようだ。味覚と思っているものもかなりの部分は嗅覚だし、記憶や感情とダイレクトに結びついている感覚である。また、危険察知(火災、腐った食べ物)などの実利的な不利もある。 科学的な考察はあっさりめだが、嗅覚を失った当人の筆によるものなので、精細な心理描写は読み応えがある。自分の人生、それも特異な体験を元手にしているわけで。嗅覚の専門家の他、オリバー・サックスにまでインタビューしたり、香料業界に首を突っ込んでみたりと、著者の行動力あふれるところも読んでいて楽しい。出てくる食べ物の描写もおいしそう。 敢えて難を言えば、やや冗長なところか。アメリカ人は、本は長いほど上等だと思っている節がある。

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2016/08/04

休日に時間をとってじっくり読んで欲しい、知的好奇心を刺激する良本です。アノスミアとは、嗅覚脱失ともいう全く匂いの感覚が分からなくなる症状です。視覚や聴覚と違い、嗅覚がなくなっても日常生活にはさほど不便を感じないと思うかも知れません。しかし実際は、食事の味の半分は嗅覚で感じていたり...

休日に時間をとってじっくり読んで欲しい、知的好奇心を刺激する良本です。アノスミアとは、嗅覚脱失ともいう全く匂いの感覚が分からなくなる症状です。視覚や聴覚と違い、嗅覚がなくなっても日常生活にはさほど不便を感じないと思うかも知れません。しかし実際は、食事の味の半分は嗅覚で感じていたり、感情が嗅覚によってコントロールされていたりと、嗅覚の重要性は計り知れません。著者は幸いにもだんだんと嗅覚を取り戻していきます。その間に、嗅覚の専門家に会いに行き意見を聞いたり、他のアノスミアの患者と話しをしたりと、著者は精力的に匂いについて調べていきます。その過程で、人間にとって如何に匂いが大切であるかが分かります。それによって読者は、芳香も悪臭も自分の人生の欠かせない一部であると気付かされます。読み終わったときには、あなたの周りの匂いについて、今までよりきっと敏感になっているでしょう。

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2015/02/03

ピルを飲んでいる女性は、体臭が似ている男性に惹かれる。本来なら妊娠中に分泌されるホルモンが家族や親類に似たにおいを好むようにさせるからだ。 嗅覚神経細胞は再生可能。においに含まれる汚染物質や危険物の代謝にも関係するためとも考えられる。 選択的アノスミアという現象もあり、これは遺伝...

ピルを飲んでいる女性は、体臭が似ている男性に惹かれる。本来なら妊娠中に分泌されるホルモンが家族や親類に似たにおいを好むようにさせるからだ。 嗅覚神経細胞は再生可能。においに含まれる汚染物質や危険物の代謝にも関係するためとも考えられる。 選択的アノスミアという現象もあり、これは遺伝子の突然変異などにより特定のにおいだけわからなくなるもの。遺伝的に我々は異なる仕方でにおいを感じており、例えばアンドロステノンというステロイドはある人には「古くなった尿のにおい」、別の人には「花のような甘い匂い」に感じられ、中間はないという。 ワインの専門家に、白ワインをテイスティングさせると、「フレッシュ」などの表現をした。同じ専門家に、同じ白ワインを着色料で赤く染めてテイスティングさせると、「濃厚な」など全く異なる表現が得られた。

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2014/01/19

アノスミアとは、嗅覚を失った状態をさすのだそうだ(ちなみに、一部わかるものはハイポスミア、存在しないにおいを感じるのは幻臭)。 一流大学を卒業しながらも、どうしてもシェフになりたくて料理の勉強を始めたばかりの著者が、交通事故にあったことで嗅覚を失い、一度は絶望しつつも立ち直り、も...

アノスミアとは、嗅覚を失った状態をさすのだそうだ(ちなみに、一部わかるものはハイポスミア、存在しないにおいを感じるのは幻臭)。 一流大学を卒業しながらも、どうしてもシェフになりたくて料理の勉強を始めたばかりの著者が、交通事故にあったことで嗅覚を失い、一度は絶望しつつも立ち直り、もがき続ける中で少しずつ回復してゆくまでの物語。 もっと科学的論証中心の本と想像していたのだが、どちらかというと、著者の体験を軸に、それを解明するべく専門家を訪ねて様々に検証した科学的視点も加えた手記という感じ。サブタイトルもだからこそ「物語」とするのがふさわしかったんだなと納得した。 ただ、非常に探求心の強い女性のようで、数々の著名人(あのオリバー・サックスも!)に会ったり、いろいろな文献を紐解いたり、はては香水の調香師の学校に通ったりと、自身の置かれた状況をより突き詰めて知ろうとする努力は並々ならぬものがある。それに加えて彼女の交通事故がかなりの重大事故であったにもかかわらず、驚異的な嗅覚の回復をみることができたラッキーも重なって、この物語に、単なる手記で終わらせない深みを持たせている。 実際、中で述べられている神経学的な考察は非常に興味深く、ラマチャンドランや、レイチェル・ハーツ(そしてもちろんオリバー・サックスも)、またフェロモンに関してや、共感覚についてなど、取り上げられている著作や関連事項は、それ単独でもとても興味を引くものばかりで、既読のものもいくつかあったが、これを機に手にしてみようと思うものも多くあった。 私にとってひとつ残念だったのが、それこそ学歴をなげうってでもシェフになりたいと思うほどの著者であるからこそ、料理や食にまつわる描写がとても豊かであったこと。 実は、私は自他ともに認める大の料理嫌い。やらずに済むなら一生やりたくないと心底思っているという不届きな輩。著者の綴る、におい立つほどの料理、食材の描写は、好きな人にはたまらなく豊穣な世界なのだろうが、私にはどうもピンとこず…。しまいに読むのが面倒臭くなってきて、そういう箇所は結構斜め読みになりました。すみません。 おそらく、脳科学や神経科学的なことに興味がなくても、料理が大好きな人なら本書は楽しめるのではないか。 そう考えると尚更、味の楽しみは実はそのほとんどがにおいだという事実からすれば、この著者を襲った体験がどれほど不運なことだったかとも思う。

Posted byブクログ