ありえない決断 の商品レビュー

バーンハーニッシュ,フォーチュン編集部【著】,石山淳【訳】

2021/08/03

ジョンソン・エンド・ジョンソン、ノードストローム、フォード…。数々の成功企業が下した、経営における「ありえない決断」と、その内幕を紹介した書籍。

歴史上最も成功した企業は、社運を賭けた判断を迫られた時に、常識では考えられない決断を下している。

【ジョンソン・エンド・ジョンソン】
・1982年、米国で鎮痛剤「タイレノール」に青酸カリが混入される事件が発生した。同社は、1億ドルを投じて回収を行うことを決断。事件後1年でタイレノールは復活した。
・製品とサービスの利用者に対する責任を第一に考えなければならない。数年前、同社はこの「クレド」（信条）をあらゆる状況に適用するという決断を下した。事件における同社の対応の根底には、こうした決断があった。

【ノードストローム】
・小さな小売店だった時、同社はあらゆる返品を受け付ける決断を下した。この方針は、ノードストロームの顧客サービス哲学のカギを握る要素であり、同社の成長を支えた。
・返品方針には十分な効果がある。例えば、人は商品購入を迷った時に買うのをやめてしまう（後悔回避）場合があるが、返品方針はこの後悔を取り除き、人を買う気にさせる。

【フォード】
・高い離職率に悩んでいたフォードは、従業員の賃金を2倍以上にする決断を下した。その結果、年間離職率は370％から16％に減少し、生産性は40％から70％に上昇した。
・全国規模で賃金が高くなれば、労働者が豊かになり、全国規模の繁栄がもたらされる。これを「高賃金主義」といい、「最低賃金法」を生み出す原動力にもなった。

2016/06/25

執行上の決断を導き出すのは衝突であり、ディベート
偉大な決断を下す時は、この状況の真実は何か？つまり、我々を内側から突き動かしているものは何か？外の世界の真相は何か？内なる原動力を外の現実に組み合わせ、世界の誰よりも際立ってうまく貢献できることは何か？

2018/10/19

160116 中央図書館
AppleがジョブズをCEOによびもどしたり、ウェルチが経営幹部の大学のようなものを作ったりしたことが、その時はわからなくても結果として大きな成果を得たり後世に残るようなものとなった。

2015/05/17

さまざまな企業が岐路に立たされた時にどんな決断をしてきたのかが分かる。一つ一つのエピソードとしては非常に面白い。しかし、事例紹介で終わってしまっているので、それぞれの話題に対する深い考察などはないのが残念。じゃぁ、自分の置かれた立場だったらどうなのかと言ったノウハウやスキルは自分自身で考えなければならない。そこを知りたいと思って手に取ると消化不良をおこしてしまうかも。

2015/01/03

論理的な判断を超えた直感に近いヒラメキで大英断をした18企業の事例集。レシートがなくても返品に応えるノードストローム、民間ジェット輸送に舵きりをし1600万ドルの投資をしたボーイング、社員の賃金を倍増することを宣言して実行したフォードが印象に残った。

2014/08/13

ありえない結果をもたらしたありえない決断。
後発は決断だけを猿真似して真逆の意味のありえない結果におわりがちだが、ありえない決断の裏にある極めて冷徹な判断を学ぶことはできないものか…。

2017/05/02

タイトルの通り、フォーチュン誌が選んだ18の決断のインサイドストーリーを箇条式に紹介している。エピソード毎に異なるジャーナリストのコメントも付記されている点が俯瞰に役立つ。各エピソードが端的にまとめられている分、如何に企業という集団組織にとってCEOの決断が大きな意味をもつかという点が際立っている。『決断を下す上で、意見の一致など必要ない』というジム・コリンズの言葉が本書のすべてを言い表している。

2013/11/24

アップルのスティーブ・ジョブズを呼び戻せ　株主より顧客を優先する信条ｼﾞｮﾝｿﾝｴﾝﾄﾞｼﾞｮﾝｿﾝ　一週間休むビルゲイツ　欠陥ゼロを目指すトヨタを支えたもの　デミングの品質管理方針を採用した　企業は作業員を、使用人ではなく、仲間として扱わねばならない　

2013/11/10

通常では発送し得ない決断を下し、発展してきた企業を紹介。
一社あたりのエピソードが浅く、消化不良。
決断へ至るまでの葛藤があるはずだが、さらっと上澄みに触れただけ感です。

2013/10/26

会社を成功に導いた決断。それは、必ずしも成功するために行われたものばかりではないが、他の人が思いつかないような決断の背景や意味を知ることは面白い。
経営を実践している人に役立つかどうかはともかく、一つ一つの事例が短くまとめられていて、部外者がエピソードとして読むには読みやすい。