あまい囁き の商品レビュー
ほんっと素晴らしい。読んでてブレインウォッシュされる言語世界。人間は自由だ。残酷なまでに、自由だ。/もがき苦しんで、もがき苦しんで、とてもシンプルな答えにたどり着くから、やっぱり人間そのもののようなアーティストだ、二宮ひかるは。
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ある母親に恋した男がその娘に恋をする話とか、執念というか血の運命というかで、いいね。あと、年の差。普通の誠実そうな眼鏡に見えて実は歪んでいたりするとポイント高い。最後?まで主人公に手を出さなくてよかった!これからだよ、これから。
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- ネタバレ
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『アイであそぶ。』、『ダブルマリッジ』を経て、往年の二宮ひかるが帰って来たかのような本。ただ、違うのは、違うっていうことはないんだけど、男の視点が、少ないことかな。 一冊を通した連作短編集になっています。大部分は高校生の女の子亜希子の視点で、三十歳の男の人に恋しているところを描いています。ところがその男の人、かつて母の愛人だった人。殆どずっと二人だけの話なのに、こういうことで奇妙な「三角関係」になるのが、面白いですね、三角関係自体は昔もとてもおもしろい物を色々と描いていましたがこういう形は初めてかしら。二人の間に、その母のことがあるようなないような状態で話は進んでいきます。 と言っても、往年の二宮ひかると言ったように、話が「進む」ということにはあまり意味がなくて、同じようなところをぐるぐるぐるぐる回って、でもそれぞれの「ぐる」にいろんな角度からの思いが反映されて、そこがたまらなくおもしろい。 個人的に残念なのは、男側の視点がちょっとしかないことで、昔からこの人の描く情けない男が好きだったのですよね。 まあ、せっかく新しい本が出たのに、昔の話ばかりしているのもよくないですね。この本で、勘を取り戻した感じはあって安心したので、次の本はなんかチャレンジしたりするのかなあ、でも二宮ひかるだから、同じような話を書くかも知れなくてそれもいいなあ、と楽しみにしています。
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