コルトM1851残月 の商品レビュー
江戸時代末期にコルトM18511!? 父親に殺されそうになった男、残月の郎次が、ある人物から「憎しみのない弾など当たりはしない」と教えられ銃を託され、それを一種の「秘密兵器」として裏社会を渡って行くのだが、自分が生き抜き登りつめようとしていた裏社会を最後は憎悪しぶち壊す。 ダーク...
江戸時代末期にコルトM18511!? 父親に殺されそうになった男、残月の郎次が、ある人物から「憎しみのない弾など当たりはしない」と教えられ銃を託され、それを一種の「秘密兵器」として裏社会を渡って行くのだが、自分が生き抜き登りつめようとしていた裏社会を最後は憎悪しぶち壊す。 ダークヒーローものと謂って良いか。 終盤は江戸の街で西部劇ばりの打ち合いなのだが、描写が丁寧(特に弾込め。パーカッション式リボルバーなので一発ずつシリンダーに発射薬を詰め、弾丸を詰め、グリスを詰めてシリンダーの後ろに雷管を填める。6発で210秒!を打ち合いの最中にやるのがスゴイ。)でリアル。 ノアール系で変わったものが読みたいと思ったらどうぞ。
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江戸時代を舞台にしたハードボイルドというかノワールというか。 裏社会の組織で抜け荷を一手に仕切り順風満帆と思われた男が、ふとしたことから組織に疎まれることになり、コルトを片手に道を切り開いてゆく。 江戸時代にコルトというのはインパクトがあるし新境地の作品なのだろうが、個人的にあま...
江戸時代を舞台にしたハードボイルドというかノワールというか。 裏社会の組織で抜け荷を一手に仕切り順風満帆と思われた男が、ふとしたことから組織に疎まれることになり、コルトを片手に道を切り開いてゆく。 江戸時代にコルトというのはインパクトがあるし新境地の作品なのだろうが、個人的にあまり好きなタイプの話ではないので『機龍警察』ほどの魅力は感じなかった。しかし悪党の主人公が徐々に魅力的に思えてくる過程や、終盤のたたみかけるような展開は安定感あり。
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物語の背景となる江戸時代には日本になかったであろう、コルトという連発式の短銃を駆使し、成りあがるために対立する相手をたった一人で排除する主人公の物語であるが、まあ人が死にまくるし、その主人公の生い立ちと、それの写し鏡の様な敵役となる商人と、コルトを主人公に与える中国人との関係も、...
物語の背景となる江戸時代には日本になかったであろう、コルトという連発式の短銃を駆使し、成りあがるために対立する相手をたった一人で排除する主人公の物語であるが、まあ人が死にまくるし、その主人公の生い立ちと、それの写し鏡の様な敵役となる商人と、コルトを主人公に与える中国人との関係も、ただただ只管に暗く、爽快感には乏しいが大江戸ハードボイルドとしては相応しいのかもしれない。登場人物で魅力的なのはお蓮という鉄火肌の姉御と、それに似た娼婦のみであり、その他のやくざ者は主人公も含め、皆、まあここまでという人間達ばかり。そういう相手達を皆、敵として最後の最後で反逆する主人公との結末はここまで追い込まれながら勝てるという感もあり、あっけなさで終わるのが残念かな。
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やくざ者が組織を追われ、対峙する。 過去と現在が交互に描かれ、残月の業をうかびあがらせる。 月村了衞さん独特のカッコよさは、時代小説になっても健在。 寝る間も惜しんで一気に読んだ
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