復興文化論 の商品レビュー
まだ第二章までだけど、普段読まない本なので時間掛かってしまうしでも面白いのでメモ的に。 日本の文学というか、まず記録が中国の史記的な客観的総合的記録ではなくて結局「隙間をぬう」実用例集(データベース)になっていた、というのはおもしろい。 そしてまた、「首都の雅び」を記録していた...
まだ第二章までだけど、普段読まない本なので時間掛かってしまうしでも面白いのでメモ的に。 日本の文学というか、まず記録が中国の史記的な客観的総合的記録ではなくて結局「隙間をぬう」実用例集(データベース)になっていた、というのはおもしろい。 そしてまた、「首都の雅び」を記録していた文芸が、戦災・災厄(地震雷火事)によってそれ自体を記録する「物語」に取って代わられる、というのも。 文芸は不得意なので、自分の知ってるものに押しつけると、太平洋戦争とその終結から僅か10年弱で産み出された「ゴジラ」の存在を思ってしまう。 まあこれは今まさに、東日本大震災を経験し、たったの5年で風化しつつある中「シン・ゴジラ」の公開を控えている現状を、なんとなくタイムリーに感じてしまうからかもしれないが。だってあれ「現実vs虚構」がメインテーマみたいだしなー。 第1章の空海の話も面白かった。日本の文芸が基本的に「傍流へと零落していった」者たちへの視線で出来ていて、その「復興」においてどういう行動をするか、すでに予告されている、というのはカッコイイ、と思ってしまった。 はたして、消化し切れていないので、もっとちゃんと考えながら読んでいかんといかんけど。
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とても面白かった。なぜ自分は西洋の一時代の理屈を細かくつついているんだろうと思わせてくれるような、大胆ながら奥行きのある文化史の風景を見せてくれた。 文体が新しい。21世紀的かつ癖がない。扱っている対象は古典的だし、論じる手段も文献を多く引きながらやっているのだろうが、あえてすぐ...
とても面白かった。なぜ自分は西洋の一時代の理屈を細かくつついているんだろうと思わせてくれるような、大胆ながら奥行きのある文化史の風景を見せてくれた。 文体が新しい。21世紀的かつ癖がない。扱っている対象は古典的だし、論じる手段も文献を多く引きながらやっているのだろうが、あえてすぐに古臭くなりそうな文体で書いているのはわざとだろうか。どうしてもそこに現代的な何かを残したかったのか。
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