棄国子女 の商品レビュー
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「世界は会社だけじゃない。世界は学校だけじゃない。 世界は日本だけじゃない。日本に住んでいる 日本史か知らない日本人は全然それがわかっていない。 なにも死に急ぐことはない。 ここではないどこかはあの世だけではない。」 この文言を読んだとき、もっと早くにこんなことを言ってくれる人と出会いたかったと思った
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先日読んだ「食べた見た死にかけた、運び屋女子一人旅」(2019.8)と内容は似ていますが、先日読んだ本が体験を中心に書かれてたのに対し、この本は内面、心や考え方が前面に出ています。「棄国子女」、2013.11発行。自律神経失調症で精神科病院に入院のところ、「9.11」事件を見て、再生を懸けて南米2年4か月の旅に。引きこもりと海外への逃亡が同じ次元で語られています。この方は、人と人とのかかわり合いが苦手なのか、得意なのかわからないです。あとがきで、日本には米軍基地があるから米国の属国(領土)の言葉は強烈。
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少し前に『食べた!見た!死にかけた!「運び屋女子」一人旅』の感想をSNSに書いたところ、著者本人から、本を読み慣れた方には、こちらがおすすめとのメッセージをいただいたので読んでみた。本の題名から、著者は帰国子女でもあったのかと勝手に納得していたが、決してそんなことではなかった。日...
少し前に『食べた!見た!死にかけた!「運び屋女子」一人旅』の感想をSNSに書いたところ、著者本人から、本を読み慣れた方には、こちらがおすすめとのメッセージをいただいたので読んでみた。本の題名から、著者は帰国子女でもあったのかと勝手に納得していたが、決してそんなことではなかった。日本にいて生きづらさを感じて海外に飛び出し、スペイン語を学び南米を中心に旅をした中でのエッセイ集になっている。前に読んだ本だけだと、筆者のことをとんでもなくタフで好奇心旺盛な人だと思っていたけれど、この本を読んで、実際には強さだけでなく脆い部分もあり、だからこそ旅に出る必要があったこと。好奇心も旺盛だが、それ以上に人間が好きで、出会いを大切にしていること。それが悪い出会いであったとしても、きちんとそれと向き合う人であることがわかった。棄国とタイトルにあるが、実際には世界人として、日本のことを心配している人でもある。難点を言えば、うつ病のことから話が始まるので、読み始めはちょっと辛いかも。
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読む前は、タイトルから「日本を出て海外に住んでいる人」が書いているのだろうと決めつけていたのですが、勘違いしていたみたいです。 片岡さんが、日本で直面した出来事から旅に出ることを決め、旅で出会った人、出来事について書かれています。 その中で、特に印象的だったのは、"苦し...
読む前は、タイトルから「日本を出て海外に住んでいる人」が書いているのだろうと決めつけていたのですが、勘違いしていたみたいです。 片岡さんが、日本で直面した出来事から旅に出ることを決め、旅で出会った人、出来事について書かれています。 その中で、特に印象的だったのは、"苦しみ"の尺度について。 大きな対比としては、先進国と発展途上国。 それぞれ平均すると、「発展途上国の方が貧しく、先進国は豊かである。」と先進国に住んでいる人は、ほとんどの方が思うでしょう。 ただ、本当にそうなのでしょうか? テレビで流れている、発展途上国の映像は実際の姿なのでしょうか? 私も含めて、実際に自分の目で確かめたり、疑ってみたりしている人は少ないのではないかと、思います。 その国に住んでいる人によって、"豊かさ"の尺度は違うかもしれない。 先進国の、"豊かさ"を押しつけているだけかもしれない。 そして、それは、私達の生活の中でも起こりうることかもしれない。 「棄国子女」とは、あまり関係ない話になってしまいましたが、読んで感じた"旅のオモシロさ"とは、「多様性に触れること」だということです。 また、「多様性」から、もう一つ感じたこととしては、「いろんな生き方があっていい」ということです。 片岡さんは、現在"運び屋"(あまり、詳しくはわからないのですが...)をやっていらっしゃるみたいです。 私は、初めて、"運び屋"という職業を知りました。 最初聞いた時は、「おもしろいな」と感じただけでしたが、そこに至るまでに色々あったみたいです... 人生には、楽しいことより、辛いことの方が多いですが、意外と生きられるものなんだなと、感じました。 最近は、自分で仕事をつくったり、他者から見て「おもしろそう!」「ユニークだな」と感じる仕事をする人が、少しずつ増えてきたように思います。 社会が、「楽しく生きようぜ!」って言ってるように思います。 もちろん、自分の望みが全て叶うかというと、そうではないです。 でも、「人生はゲームで、たまに落とし穴があるけど、それも楽しく攻略しようぜ!」って、生きることができたらいいなって、あくまで私は思います。 自分が少しでも、楽しく生きられるなら、どこでもいい。 「ここではないどこか」は、十人十色でいい。 もし、「この道しかない!」と決め込んで、苦しみ、もがいている人がいたら、 「棄国子女 転がる石という生き方」を読んでみてください。 ちょっと、刺激的かもしれないけど、新鮮です。
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