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箱庭図書館 の商品レビュー

3.8

255件のお客様レビュー

  1. 5つ

    48

  2. 4つ

    89

  3. 3つ

    79

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2015/03/06

久しぶりに乙一氏の本を読みました。あとがきを読むと、一般の人から応募された小説のリメイクだそうで。 読むのが楽しかったのが「ワンダーランド」「王国の旗」「ホワイト・ステップ」。 「ワンダーランド」は、落ちていた鍵が合う鍵穴がないかと町中探し回るという設定が、自分でも確かに気に...

久しぶりに乙一氏の本を読みました。あとがきを読むと、一般の人から応募された小説のリメイクだそうで。 読むのが楽しかったのが「ワンダーランド」「王国の旗」「ホワイト・ステップ」。 「ワンダーランド」は、落ちていた鍵が合う鍵穴がないかと町中探し回るという設定が、自分でも確かに気になるな、とわくわくしました。主人公が小学生というのも良いのかな。それとホラーが混ざっていくのが面白かった。 「王国の旗」は、小さい子供達が夜中にボウリング場に集まり、自分達の王国を作っている所に主人公の女子高生が迷い混むというのが、ファンタジーな雰囲気。女子高生は最終的には大人になることを選ぶのだけど、元の生活に戻ったところが、夢から覚めたような、某映画の神隠しから現実世界に戻ったような、そんな不思議な読後感でした。 「ホワイト・ステップ」は、この短編集の中で一番素敵だなと思ったお話。雪が降ったときだけ、足跡や雪に書いた文字で平行世界と繋がるというのが切なくも美しかった。 短編集全体として、各物語のモチーフがそれぞれ繋がって登場しているので、それが出てくるのも読むのが楽しい仕掛けでした。

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2015/02/22

21 一般の方から応募したアイデアをリメイクして作っていった経過も含めての小説。面白かった。題名も応募から選んだ。まさにストーリーテラー。 それぞれの短編は独立しながらも関係し合う。 西かなこの、こうふくみどりのとかのあとがきを思い出した。 自意識過剰の主人公に共感してしまう。他...

21 一般の方から応募したアイデアをリメイクして作っていった経過も含めての小説。面白かった。題名も応募から選んだ。まさにストーリーテラー。 それぞれの短編は独立しながらも関係し合う。 西かなこの、こうふくみどりのとかのあとがきを思い出した。 自意識過剰の主人公に共感してしまう。他人の目を過度に意識してしまうのにも。 ホワイトステップは感動した。潮音さんいいわー。 人生はただあるきまわる影法師、哀れな役者だ。出場の時だけ舞台の上で、見えを切ったりわめいたり、そしてあとは消えてなくなる。

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2015/02/20

乙一さんの手によって描かれたリメイク作品 もとの話はばらばらだけれども、それをひとつの街に集約されてるのがまたすてき。 乙一さんの不気味な話も好きだけどやっぱり切ない話も好きだな。どちらにしろ元の作品にはない、結末に向けてひっぱられる乙一さん独特の手腕にあっぱれをひとつ。 でも...

乙一さんの手によって描かれたリメイク作品 もとの話はばらばらだけれども、それをひとつの街に集約されてるのがまたすてき。 乙一さんの不気味な話も好きだけどやっぱり切ない話も好きだな。どちらにしろ元の作品にはない、結末に向けてひっぱられる乙一さん独特の手腕にあっぱれをひとつ。 でもリメイクされただけでこんなに面白いのだから、もとの題材のアイデア出した人たちにももうひとつ。

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2015/02/15

久しぶりに、がっつりと本を読んだ気持ちにさせられました。人間のもつ感情がまるっと詰まってるそんな御話達でした。「物語りを紡ぐ町」での様々な小さい出来事たちが愛おしい全部。最後にホワイトステップなんて 狡いなあ

Posted byブクログ

2014/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

友人より紹介いただき読んだ本。2008年に行なわれた「オツイツ小説再生工場」という素人の小説を乙一氏がリメイクするという企画で書かれた短編小説集。企画自体の内容を聞いたとき小説のアイデアを他人から集めるなんて小説家としてどうなのかとも思った。ただ作者の想いを適切に表現する技術はトレーニングが必要でその技術を最大限に出してもとの作品の味を伝えることってそうできることではないし乙一氏にもすごく意義のあることで元のアイデアを出した人も自分の未熟な部分がわかり、刺激を受けることができる両者にwin-winな企画であることが作品の解説などを読んで知り少し企画について考えを改める機会になった。

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2014/12/15

短編集でした! 潮音さんが気になる・・・^^ 話を読んでいくうちに、潮音さんが気になる存在、、、、 いや、かなり大好きな存在になって行きました! さくっと読める短編集なので、 通勤などにオススメですね(*^^*)

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2014/12/12

程良い分量の連作短編集で、一日一話ずつ読んでいくのが丁度良かった。 他の誰かが書いた小説のリメイクをしてみるって発想がまずおもしろい。「意味がわかると怖い話」とか、「世にも奇妙な物語」チックな物語展開は、リメイク作品であってもやっぱり乙一さんだなぁと思いました。 コンビニ日和...

程良い分量の連作短編集で、一日一話ずつ読んでいくのが丁度良かった。 他の誰かが書いた小説のリメイクをしてみるって発想がまずおもしろい。「意味がわかると怖い話」とか、「世にも奇妙な物語」チックな物語展開は、リメイク作品であってもやっぱり乙一さんだなぁと思いました。 コンビニ日和!の三人がとてもコミカルで可愛くて好きです。

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2014/12/12

久々の乙一作品。 乙一らしい、ひねくれた中にあったかさのある短編集だと思ったら、一般の人の作品をリメイクしたものらしい。 それはそれで大変な作業だろうなぁ。 また純粋なる乙一作品も読みたくなった。

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2014/12/08

読者から寄せられた小説を元ネタに、リメイクしてみるという企画の一冊だったそう。 短編集という形を整えるためか、舞台は文善寺町というまちで統一されており、登場人物もしばしばかぶっている。 個人的には「青春絶縁体」が気に入っている。 結末があのキャラクターにしては希望的すぎると思わ...

読者から寄せられた小説を元ネタに、リメイクしてみるという企画の一冊だったそう。 短編集という形を整えるためか、舞台は文善寺町というまちで統一されており、登場人物もしばしばかぶっている。 個人的には「青春絶縁体」が気に入っている。 結末があのキャラクターにしては希望的すぎると思わなくもないけど、なんとなく物語の中くらいハッピーエンドでいてほしい気持ちもあるので、読後もいいしよい終わり方だったなぁと満足。 痛い少年少女がお互い少し大人になって、少し前向きに幸せになれるというのは希望がもてて非常によい。

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2016/09/15

タイトルと表紙のイラストが良い感じで手に取りました。箱庭図書館っていう響きが何となく良いなぁ。小さい決まったスペースに自分の世界を作る箱庭のように、読書は自分の世界を作ることができるものです。素敵なタイトルだなと思いました。 乙一作品は短編が好きなので楽しかったです。特に「コンビ...

タイトルと表紙のイラストが良い感じで手に取りました。箱庭図書館っていう響きが何となく良いなぁ。小さい決まったスペースに自分の世界を作る箱庭のように、読書は自分の世界を作ることができるものです。素敵なタイトルだなと思いました。 乙一作品は短編が好きなので楽しかったです。特に「コンビニ日和!」と「青春絶縁体」が好きかな。コンビニ話の店長の結末に救われたようなモヤモヤするような変な気分になりました。青春話は背中がむず痒いながらも何となく甘酸っぱい気分。乙一作品の短編はフルーツから搾り取った少しの量しか出来ない100%ジュースみたいに濃厚ですね。 最後の「ホワイト・ステップ」はさらっとした気持ちいいラストではありましたが、何となく切なさが残ります。違う場所に存在することは、死ぬことより切ない気がするのですが……。人それぞれかもしれないけど。 他人の没原稿のリメイク企画という試みは面白いなと思いました。

Posted byブクログ