かがやく月の宮 の商品レビュー
今度は平安時代を舞台に雅な伝奇小説を書いてくれました。アルテミスや嫦娥、月読と並べて見たり、錬金術に代えて泡朴子からの練丹術を持ち出してくるなど、意表を突いています。大津皇子の史実に絡ませ、姉を思慕する弟皇子を軸に話が進みます。皇子を最後はアンドロギュヌスっぽく描くのも宇月原好み...
今度は平安時代を舞台に雅な伝奇小説を書いてくれました。アルテミスや嫦娥、月読と並べて見たり、錬金術に代えて泡朴子からの練丹術を持ち出してくるなど、意表を突いています。大津皇子の史実に絡ませ、姉を思慕する弟皇子を軸に話が進みます。皇子を最後はアンドロギュヌスっぽく描くのも宇月原好みですね。しかも、この「真・竹取物語」を読み終えた紫式部が、「かがやく日の宮」即ち「源氏物語」を着想するという凝った作りです。博覧な情報、難解な文章を一筋縄ではいかない繊細な構造に創り上げ、宇月原ワールド健在でした。
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うーん、なんとも楽しい!妖しく奇怪に語り直される「竹取物語」。これって日本最初のSF小説だというジョークもあるくらい、よく考えてみれば実にけったいなお話ではあるわけだ。さすがの目の付け所。 しかしまあ、ここでは、アマテラスやらアルテミスやら月読にスサノオなどなどに加え、岡山弁を...
うーん、なんとも楽しい!妖しく奇怪に語り直される「竹取物語」。これって日本最初のSF小説だというジョークもあるくらい、よく考えてみれば実にけったいなお話ではあるわけだ。さすがの目の付け所。 しかしまあ、ここでは、アマテラスやらアルテミスやら月読にスサノオなどなどに加え、岡山弁をしゃべる海賊まで出てきて、華麗にキッチュにめくるめく世界が展開する。極彩色の絵巻を見るよう。おまけに、竹取が「物語の祖」であることも、ちゃーんと踏まえられている。凡百のノベルとは次元の異なる快作。
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ファンタジーかと思っていたら。。。 平安時代の政治の策略のお話でしたか。。。 平安時代の貴族のきらびやかなストーリーは好きな方だけど裏のどろどろは要らんわ。。。 紫式部が源氏物語を書くきっかけになったのが竹取物語でしたよと仮定で書かれた本 なのでしょうね。
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慣れない古語や古人の名前など文章が少々読みにくかった。竹取物語の秘本を、源氏物語を書く前の紫式部が読み、その謎に迫るというもの。かぐや姫自体の物語というより、宮中内と対唐との政治的駆け引きという面と、西洋の太陽&月の神話と日本における天照&月読の神話との関係という面を引き出した物...
慣れない古語や古人の名前など文章が少々読みにくかった。竹取物語の秘本を、源氏物語を書く前の紫式部が読み、その謎に迫るというもの。かぐや姫自体の物語というより、宮中内と対唐との政治的駆け引きという面と、西洋の太陽&月の神話と日本における天照&月読の神話との関係という面を引き出した物語でしょうか。帝が唐に宛てた返書の内容に感銘を受けましたが、実際にあった返書を応用したものだったのですね。チョット「な~んだ」でしたw。
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竹取物語の別解釈の秘書「かがやく月の宮」をてにいれた”かの女”が読んでいる体で描かれている。 登場人物の読み方から慣れないものなので、物語自体になかなか集中できなかった。
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ここにきて、何故かかぐや姫が何かと物語にクローズアップされることが多くなっているのは、単なる偶然か何かの連鎖反応となっているのかは分からないが、改めて考えてみるととんでもない話である。本作は紫式部が読む竹取物語の話を作中作品として話は展開し、最後に式部が、それにインスパイアされて...
ここにきて、何故かかぐや姫が何かと物語にクローズアップされることが多くなっているのは、単なる偶然か何かの連鎖反応となっているのかは分からないが、改めて考えてみるととんでもない話である。本作は紫式部が読む竹取物語の話を作中作品として話は展開し、最後に式部が、それにインスパイアされて、光の物語を書くという展開となっている。それにしても、まあそういうことなのであろうとは思うが、結局、姫も翁の正体も不明のままであり、姫が秘薬で則天武后がそれを求めるというのは分からないでもないが、なぜ翁が秘薬を作りえたのか、中華が求めた秘薬をこのような結末で終結するとは思えない等、物語の終わりとしては消化不良の感が強い。
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それなりに面白かったけど、自分としては 違うタイミングで読むべきでした…。 かぐや姫の物語(ジブリ)が頭にあって…。
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『竹取物語』をモチーフにした幻想小説。東西の神話や魔術をつなげてみせる異形の論理や、美しくも儚い情景が素晴らしい。ラストで明らかになる『かがやく月の宮』という書名がもつ意味にもニヤリとさせられる。
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