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影を買う店 の商品レビュー

3.6

29件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

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2026/02/20

「沈鐘」や「柘榴」、表題の「影を買う店」が印象的だった。戦中、戦後、様々な時代の中で生と死の境界の曖昧さを描いてると思う。読んでいても、この人は生者なのか、死者なのか、わからなくなる。いつからあちらの世界に行ってしまったのかも。皆川博子さんの作品を次も読みたいと思う。

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2026/03/05

猫座流星群が怖かった。 このオチだけで、もう他の話が霞んでしまうくらいの衝撃だった。 はっきりとどうなるかわかっていて破滅の導火線に火をつけるような子どもというのが怖い。弟は何もわかってないこともわかった上で。 もう、猫座流星群だけで星5つつけてます。

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2025/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これが幻想小説というジャンルか、というのはとても体感できた。幻想小説の素養とか、ある程度の予備知識のようなものがあればもとこの世界を体験できたのになあと思い、実際より私の読解力のせいでうまく理解しきれなかったという思いから★3つ。 それでも幻想的なあわい世界観を堪能できたのは「影を買う店」、「柘榴」、「更紗眼鏡」。幻想という言葉がぴったり。ぼんやり、幻想的で現実感がなくて、そして美しい感じ。 柘榴は直接的な描写はないのに、文に漂う空気感が官能的だと思った(初出が「エロチカ」だと初出一覧で後で知った)。更紗眼鏡は悲しいところもあるけど美しく、ああ人生ってこんな風に川の流れのように流れていくのかも、そして最後にきれいな走馬灯になるのかもって感じた。 墓標は、最後が意味ありげなんだけど私には理解できなかった。 連続、夕陽が沈むは全くわからなかった。

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2025/03/15

不条理もの。著者の好み爆発。共感などは全くなく、私には少しも刺さらなかった。半分ほどで読むのをやめてしまいました。

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2023/03/09

現実世界を歪んだガラス越しに見るような、地続きの幻想掌編小説集。 表題作もいいけど釘屋敷水屋敷も好き。

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2022/12/09

喫茶店の隅の席に、いついってもM・Mを見かけないことはなかった。書き物が終わったM・Mが立ち去った後、残された薄い影を店主がさりげなくはがす。-表題作「影を買う店」- 単行本未収録の作品をまとめた幻想小説集。 不思議で、一見とりとめのない話が脈絡なく絡み合うようなショートストー...

喫茶店の隅の席に、いついってもM・Mを見かけないことはなかった。書き物が終わったM・Mが立ち去った後、残された薄い影を店主がさりげなくはがす。-表題作「影を買う店」- 単行本未収録の作品をまとめた幻想小説集。 不思議で、一見とりとめのない話が脈絡なく絡み合うようなショートストーリー。すじのある話が好きな私には、正直戸惑うものが多かった。 「更紗眼鏡」が一番好きかな。

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2019/08/20

1995年からの2013年に発表された、単行本未収録の21編の幻想小説をまとめた短編集。 初出媒体も一編の長さも様々だが、どの作品も耽美、退廃、官能、死の色が濃厚でありながら品がある。 皆川博子愛にあふれる編者の後書きによると、「幻想のための幻想」である「純粋幻想小説」だと言う...

1995年からの2013年に発表された、単行本未収録の21編の幻想小説をまとめた短編集。 初出媒体も一編の長さも様々だが、どの作品も耽美、退廃、官能、死の色が濃厚でありながら品がある。 皆川博子愛にあふれる編者の後書きによると、「幻想のための幻想」である「純粋幻想小説」だと言う。まさに、作者の作り出す特異な世界に幻惑されるのを楽しむための作品集。

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2019/06/14

短編21編が、すべて皆川さんらしいとしか言えない幻想小説でどれもが一つ読むたびにもう一度読み返したくなるようなとても濃いものでした。モノクロの中に時々赤や青などの原色がすっと差し込まれるような強烈な印象を与えてくれるもの、終始全く音を感じないほどどっぷり浸かってしまうものなど、皆...

短編21編が、すべて皆川さんらしいとしか言えない幻想小説でどれもが一つ読むたびにもう一度読み返したくなるようなとても濃いものでした。モノクロの中に時々赤や青などの原色がすっと差し込まれるような強烈な印象を与えてくれるもの、終始全く音を感じないほどどっぷり浸かってしまうものなど、皆川さんの世界がぎっしり詰まっています。時間のある時にゆっくりじっくり一つずつ堪能したい本です。好みはすっと世界に入れる「迷路」「更紗眼鏡」。印象深かったのは読後題名がじわじわと沁みこんできた「墓標」。時間をおいて再読したいです。

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2019/01/20

前半は姉と弟、厳格な父親(そして弟が夭折する)という人間関係が多い。そういうテーマで編んだのかと思ったが、たまたまなよう。 「影を買う店」 弟の通夜の席で聞いた、彼が生前よく行っていたという喫茶店。 「使者」 詩人志望の青年からの手紙を受け取った出版人。普段ならば無視するであろ...

前半は姉と弟、厳格な父親(そして弟が夭折する)という人間関係が多い。そういうテーマで編んだのかと思ったが、たまたまなよう。 「影を買う店」 弟の通夜の席で聞いた、彼が生前よく行っていたという喫茶店。 「使者」 詩人志望の青年からの手紙を受け取った出版人。普段ならば無視するであろう手紙に返信したのはその署名が維持ドールであったからだ。彼にはかつて、同じ名のイジドール・デュカスの詩を誰よりも早く知りながらその価値を見いだせなかった失意があった。 「猫座流星群」 姉弟の遊び相手として、少し年上の使用人の息子である勝男がやってきた。彼は手作りプラネタリウムで流星群を見せ、いらないおもちゃで戦車を作り、小さな断頭台を作った。 「陽はまた昇る」 アンソロジー『黄昏ホテル』収録。少女と<風>の沈むホテルに関する会話。 「迷路」 方向音痴である私は銀座のとある画廊へとたどり着けずに迷っていた。 「釘屋敷/水屋敷」 釘のびっしりと刺さった柱のある釘屋敷、座敷に井戸のある水屋敷。 「沈鐘」 蔵の中のその井戸は、女が身を投げたとき、千切れた振袖が残ったために振袖井戸というのだ、と彼は言った。そうして、西洋の山の姫と鐘造りの伝説を語った。 「柘榴」 アンソロジー『エロチカ』収録。N先輩がきっと好きなやつ。 「真珠」 口づけする口の内から真珠が次々にあふれるという夢。 「断章」 水の話。 「こま」 今、昔、映画。 「創世記(写真:谷敦志)」 「蜜猫」 部屋が増殖する家と猫と私。 「月蝕領彷徨」 視覚的な詩。 「穴」 視覚的な詩というか絵というか。ルイス・キャロルみたい。 「夕日が沈む」 『命を大切に』が浸透した結果、切断された指さえ死んではならぬと生き延びるようになり、それは熱帯魚のように愛好されるようになった。 「墓標」 視覚的な詩と小説。母の店にやってきた東京からの子連れの客。彼はブラック・アートというマジックを見せる。 「更科眼鏡」 視覚的な詩と小説。川に笹舟を流す子供。 「魔王 遠い日の童話劇風に」 「青髭」 「連禱 清水邦夫&アントワーヌ・ヴォロディーヌへのトリビュート」

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2018/08/07

「本書に収録されている作品は幻想、奇想----つまり私がもっとも偏愛する傾向のもの----がほとんどです。 消えても仕方ないと思っていた、小さい野花のような、でも作者は気に入っている作品たち。 幻想を愛する読者の手にとどきますように」----皆川博子 【収録作品】 影を買う店 使...

「本書に収録されている作品は幻想、奇想----つまり私がもっとも偏愛する傾向のもの----がほとんどです。 消えても仕方ないと思っていた、小さい野花のような、でも作者は気に入っている作品たち。 幻想を愛する読者の手にとどきますように」----皆川博子 【収録作品】 影を買う店 使者 猫座流星群 陽はまた昇る 迷路 釘屋敷/水屋敷 沈鐘 柘榴 真珠 断章 こま 創世記(写真=谷淳志) 蜜猫 月蝕領彷徨 穴 夕陽が沈む 墓標 更紗眼鏡 魔王 遠い日の童話劇風に 青髭 連祷 清水邦夫&アントワーヌ・ヴィオロディーヌへのトリビュート 解説の日下さんも書かれていますが、この本は「幻想のための幻想」というべき、素敵な一冊です。トリビュートは別にしても、何編かわけがわからない。 倒錯に倒錯を重ねた『沈鐘』が一番好きです。

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