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毒婦たち の商品レビュー

3.6

34件のお客様レビュー

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2023/07/24

社会学者の上野千鶴子さん、心理学者の信田さよ子さん、女性向けアダルトグッズの店をやっている北原みのりさんの対談本。テーマは「毒婦」(と呼ばれた女たち)。木嶋佳苗や角田美代子、東電OL、畠山鈴香など。 その事件だけにはとどまらず、女性を取り巻く社会について、さまざまな視点から描かれ...

社会学者の上野千鶴子さん、心理学者の信田さよ子さん、女性向けアダルトグッズの店をやっている北原みのりさんの対談本。テーマは「毒婦」(と呼ばれた女たち)。木嶋佳苗や角田美代子、東電OL、畠山鈴香など。 その事件だけにはとどまらず、女性を取り巻く社会について、さまざまな視点から描かれている。私が1番衝撃を受けたのはここ。 P143-144 『彼女たちは、誰かの性的対象になることで、自分のアイデンティティを復活させようとする。アイデンティティって言うのもおかしいんだけど、性的対象にならなければ自分というものが存在しないっていう自分、を持っている人たちが一定数いるわけですよ。…中略…自分が性的な女性としてセクシャルな身体をもつことによって、自分をボコボコにしていた父親が私を認めてくれるんだ、と感じる。こうやって、娘は性的な眼差しの中であれば自分も生きられるんじゃないかと思うようになるんです。』 私は父にボコボコにされていたわけではないけど、近いことが起こっていたのだと思う。そして母がそういうセクシャルな女性ではなかったから余計に、私はそちらに行きたかったんじゃないかな。

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2023/06/08

読みやすいし、面白い。 本当にただ3人のおしゃべりを横で聞いているようで、何か特段新しい気づきや発見はないのだけれど、こーゆーおしゃべりがそれぞれの著作につながるんだと思う。 あ、フェミニズムはおしゃべりってみのりさんが書いていたことはとても好きで、「事件を自分に引きつけて考え...

読みやすいし、面白い。 本当にただ3人のおしゃべりを横で聞いているようで、何か特段新しい気づきや発見はないのだけれど、こーゆーおしゃべりがそれぞれの著作につながるんだと思う。 あ、フェミニズムはおしゃべりってみのりさんが書いていたことはとても好きで、「事件を自分に引きつけて考える女と切り離す男」という視点はジェンダーなのか個人差なのかこれは考えたい。

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2022/07/03

木嶋佳苗、角田美代子、上田美由紀、下村早苗、畠山鈴香 など毒婦をテーマに、 フェミニストな論客3名でだべりまくる。 女性は、男性を殺した女性犯罪者に自分を同一視するが、男性は女性を殺した犯罪者と自分はいかに違う存在かを力説するという。これは、女性が男性に力で圧せられていることへ...

木嶋佳苗、角田美代子、上田美由紀、下村早苗、畠山鈴香 など毒婦をテーマに、 フェミニストな論客3名でだべりまくる。 女性は、男性を殺した女性犯罪者に自分を同一視するが、男性は女性を殺した犯罪者と自分はいかに違う存在かを力説するという。これは、女性が男性に力で圧せられていることへの反逆を、男性は弱い部分に付け込んでの卑劣な犯罪であることの嫌悪を感じているからなのかもしれない。 また、一般的にモテる容姿ではない木島佳苗が圧倒的なケア力でモテていたというのも、なるほどと思った。 3人のお話は、ある意味、暗黙知が共通的な立場の方々なので、話が通じあうことで、若干ヒートぎみに上っすべりになるところもあった。 (信田さんもあとがきで「ついつい話すぎてしまい失言かなと思う部分もあったが、ま、いいかと思ってそのまま掲載することにした。」と述べており、まさにこの通りの本かなと思います。) ただ、3人とも、自分の意見をなんとなく流すところなく、議論する感じはさすがでした。 学者、研究者なので、どうしても分析的、分類的になるのでしょうが、 当然、「男は~」と男を敵視したような発言も多々あり。 世界を支配している権威(強いもの)に対するアンチと分かっていても、 この3名の論客は十分強く感じるので、なんかそこまで男を敵視しなくても と感じてしまうところもあり。 考え方として、「男」という仮想敵があるところから考えがスタートしているように聞けてしまうのが、逆に視野を狭めてしまっているようにも見えて。 ジェンダー関係は性差が出発点になるのでそういう展開なんでしょうが。

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2021/03/16

普段接する事のない世界の話である一方で、女性としていつも置かれている世界の話でもある。 驚いたのは司法の世界でどれだけ性差別があるのかと言う話、調書には男尊女卑のような記述がされるなど。 この本を読んでいると男女が同じ立場、感覚で付き合うことは不可能なのかと考えさせられる。

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2021/02/15

木嶋佳苗は 整形もしてないし、ダイエットもしてない 自分を磨く、とか女子力とか絶対に言わない だからこそ 木嶋佳苗を支持する女性たちは、そういう毅然さに共感している 美人でもなくてもいい、男にも媚びなくてもいい、というようなメッセージ 女性というのは、男との関わりにおいては自分...

木嶋佳苗は 整形もしてないし、ダイエットもしてない 自分を磨く、とか女子力とか絶対に言わない だからこそ 木嶋佳苗を支持する女性たちは、そういう毅然さに共感している 美人でもなくてもいい、男にも媚びなくてもいい、というようなメッセージ 女性というのは、男との関わりにおいては自分の性的価値を売ることをずっと続けている 東電OLや佳苗はそのシンボル 論者も含めて男への嫌悪感、侮蔑感がすごい……

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2019/11/25

上野千鶴子、信田さよ子、北原みのりの3人が語り合う。 3人の座談会?がとても面白くて一気読みでした。 三人三様の視点から色々なものが見えた気がします。 で

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2019/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「東電OLは私である」と発言する女性がたくさんいたという 女性差別企業の中で惨憺たる思いをした彼女は均等法施行前に社会人となった世代 均等法が施行されてからだってそう変わらない 会社に入ってみたらこんなはずじゃなかった といったことは多々あったし今でも劇的にそうした状況が改善されているとも思えない この事件は覚えている マスコミが騒いだ内容については詳しく知らなかった 本書でそうしたことを読み解いているのかと しかもこのお三方 楽しそうではないかと思い読み始めた この事件というよりは「木嶋佳苗」に焦点をあてて語られる日本の「性」の扱われ方 援交世代についてはっとさせられたのは そうだ彼女たちもいま生きて生活をしているのだということ 10代の頃にやっていたことをどう受け止めて暮らしているのだろう 女性のパロディとして存在する「壇蜜」 「これでしょあなたの欲しいものは」と餌を与えれば次々と男がひっかかってくる 同じ援交世代の木嶋佳苗と壇蜜との共通点など この本をきっかけにさらに読みたい本がでてきた

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2018/12/31

「毒婦」をテーマに上野千鶴子、信田さよ子、北原みのりが鼎談している。 「毒婦」って何だろう。男性版のそういう言葉ってない(と思う)からそもそも「婦」にだけ「毒」がつくっていうのが上野さんあたりが突っ込むべきところじゃないかと思うけどそういう話は出てこない。勝手に女性に聖性を求めて...

「毒婦」をテーマに上野千鶴子、信田さよ子、北原みのりが鼎談している。 「毒婦」って何だろう。男性版のそういう言葉ってない(と思う)からそもそも「婦」にだけ「毒」がつくっていうのが上野さんあたりが突っ込むべきところじゃないかと思うけどそういう話は出てこない。勝手に女性に聖性を求めてそれと違う女性には「毒」をつけて侮蔑したり揶揄したりという構造だと思う。 ここで双璧に論じられているのが東電OLと木嶋佳苗。木嶋佳苗は一時期ブログなど愛読しその非凡さはそれとなく知っていた。一方東電OLについてはこの本を読んで初めて知った逸話もあった。どこか正気でない淫らなひとという印象だったんだけど、それ以上に既存の会社社会=男社会への悲しい反逆だったのかなと思うところがあった。 いずれにしてもお二方とも見事な生き方。その枠に納まらない見事さが世間というまだまだまだまだ男目線の人々をして「毒婦」と言わしめるのだろう。だからやっぱりこの本が「毒婦」を銘打つのには大いに違和感。 鼎談もちょっとバランス悪い印象。北原みのりが思いだけで突っ走ってる感じがしてしまう。対して上野千鶴子には蓄積を感じる一方で、総論的な話にはしりすぎな感じも。信田さよ子は両者からわざと一歩引いてる感じ。

Posted byブクログ

2018/12/22

 北原みのりの木嶋佳苗の裁判傍聴記録「毒婦」を下敷きに、フェミニスト女性3人の鼎談。  タイトルの木嶋氏と東電OLだけでなく、ほかの殺人事件の被告になった女性たちも俎上に上がっている。

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2017/12/31

非常に頭の良い(といっても何を持って頭が良いとするかはいろいろありますが、この場合は自分の考えをポンポン言語化できるってことかな)お三方が世を騒がせた事件、女性について勢いよく思いの丈を語るもの。制限なく好きなことを語ってるだけあって(世間のコメンテーターらの正論ではない所が)特...

非常に頭の良い(といっても何を持って頭が良いとするかはいろいろありますが、この場合は自分の考えをポンポン言語化できるってことかな)お三方が世を騒がせた事件、女性について勢いよく思いの丈を語るもの。制限なく好きなことを語ってるだけあって(世間のコメンテーターらの正論ではない所が)特に面白い。 もともと、世間を騒がせた女性たちの事はもちろんニュース的には知っているがそれ以上は知らなかったのでほうほうそういう事件であったのかと知る分についても大いにあった。それぞれ持っている背景(みてきたもの)が違うので捉え方も根本は違うんだろうなとは思ったが。 上野千鶴子、信田さよ子については著書も読んでいて多少なりとも知っていたが今回北原みのりの対談を始めて読んで。かなり思い込みの激しい人だなと。その思い込みの激しさで興味のあることに驀進する事は良いことだと思うんだけど(他の御二方よりは)私の世代に近いので、その思い込みを世代代表女性代表で言わんといてほしいわ〜と思う部分もあった。他国の良い面をみて自国の反省をするのは良いが、他国の見方も浅いような気がする。

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