内田樹による内田樹 の商品レビュー
一番の箇所を引用します。 自分の家庭や自分の職場や自分の住む町ですることがある。学び、働き、家族を養い、近親者を失い、愛したり、憎んだり、信じたり、裏切られたり、戦ったり、許したり、そういう「人間性の修業」を積むことの方が先だろう、と。その現実生活の経験が哲学書を開くことを要請...
一番の箇所を引用します。 自分の家庭や自分の職場や自分の住む町ですることがある。学び、働き、家族を養い、近親者を失い、愛したり、憎んだり、信じたり、裏切られたり、戦ったり、許したり、そういう「人間性の修業」を積むことの方が先だろう、と。その現実生活の経験が哲学書を開くことを要請する。人がほんとうに哲学を必要とするのは、哲学書の行間に自分自身が今日生きる支えとなり、導きとなるようなたしかな叡智を求めるときです。テクストにすがりつくように知恵を求める者にだけテクストはその深い意味を開示する。レヴィナスはそう考えてるのです。 (p118) 哲学と私自身の実生活を繋げてくれる、哲学にアクセスするきっかけとなりそうな部分でした。
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内田先生の著書を読んだ上で、この本を読んでみると、より内田先生の主張が明確にみえてきました。さすが「内田樹による内田樹」だけあります(笑)『先生はえらい』は個人的にとても励まされました!
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内田樹さんが、ご自身の本ついて語っている本。序文からたいそう面白く。多分その面白さは知的好奇心が刺激されるからなんだろうけれど。 他者とは「時間差を伴った私」である、等。今回も唸ったり、むべなるかなを呟くことが度々。レヴィナスは一度匙を投げたけど、読んでみたくなった。
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内田氏の本、読むたびに「なるほどなあ」と思う。 読めない漢字が時々でてきて、電子辞書で調べる時もありますが、読むと「頭に効いている~」という感じがします。
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教育については「どうしてこんなに社会の変化に対応するのが遅いのだ」という批判が必ずなされる。でもご指摘の通りなのです。教育は急激に変化しないように設計された制度なんですから、変化が遅いのは当たり前なんです。(P.270) メディアはその本性上、「社会が変化するときに発生する情報...
教育については「どうしてこんなに社会の変化に対応するのが遅いのだ」という批判が必ずなされる。でもご指摘の通りなのです。教育は急激に変化しないように設計された制度なんですから、変化が遅いのは当たり前なんです。(P.270) メディアはその本性上、「社会が変化するときに発生する情報需要」を飯の種にしています。「今日は昨日と同じで、大したことは何もありませんでした」というのは僕たち生活者からすればありがたいことなのですが、それではメディアは生きていけません。メディアは「何か大変なことが起きているらしいのだが、何が起きているかよくわからない」という情報の欠如状態でご飯を食べています。だから、あらゆるところで劇的な変化が起きることをつねに待ち望んでいる。思うように変化が起きない場合には、自分で手を突っ込んで変化を起こさせさえする。ですから、メディアは本性的に「機動性の高いもの」を愛します。速く動くもの、短時間のうちにかたちを変えるもの、変転きわまりないもの、それがメディアはにとって「価値のあるもの」です。(P.289)
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内田樹さんが、自著をについて語っている本。 著者も言うている通り、ブックリストというよりは、ほんの一部の著作を選んで言いたいことを言っているような印象でした。 自分の知識量の問題で、おもしろく読めたところは読めたのですが、むずかしくてさっぱり、という部分もあり、でした。 それにし...
内田樹さんが、自著をについて語っている本。 著者も言うている通り、ブックリストというよりは、ほんの一部の著作を選んで言いたいことを言っているような印象でした。 自分の知識量の問題で、おもしろく読めたところは読めたのですが、むずかしくてさっぱり、という部分もあり、でした。 それにしても内田さんの人間観は相当深い。共感できる。 あと、レヴィナスに対する絶大なる愛が伝わってきました。
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やっぱり内田樹さんの本は面白い。 文書に勢いがあるし、難解な内容や言葉があっても その勢い、思いがあるので分かる気がする。 『先生はえらい』『下流志向』にての教育論はキレッキレですごく面白い。 『レヴィナス序説』『困難な自由』『レヴィナスと愛の現象学』は哲学的 な見地と趣があり、...
やっぱり内田樹さんの本は面白い。 文書に勢いがあるし、難解な内容や言葉があっても その勢い、思いがあるので分かる気がする。 『先生はえらい』『下流志向』にての教育論はキレッキレですごく面白い。 『レヴィナス序説』『困難な自由』『レヴィナスと愛の現象学』は哲学的 な見地と趣があり、『街場のアメリカ論』『街場の中国論』については 社会学に対する反乱的な思考がとても面白いし的を得ているのでは と思う。 全体的に大きく共感できる内容であるし、著者の具体的な内容と 抽象的な論理との振れ幅とその行ったり来たりする頻度と適用の妙に ゆだねる感がとても心地いい感じです。
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内田センセと(本を介して)会話してきた人も まだ これから 内田センセと(本を介して)会話しようとする人も これは 内田樹センセの入門書のように なっていくかもしれませんね それにしても 140Bの編集者さんは面白いことを 思いつきましたねぇ みごとに その術中にはまってしまい...
内田センセと(本を介して)会話してきた人も まだ これから 内田センセと(本を介して)会話しようとする人も これは 内田樹センセの入門書のように なっていくかもしれませんね それにしても 140Bの編集者さんは面白いことを 思いつきましたねぇ みごとに その術中にはまってしまいました
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内田樹さんの本は、まえがきの予防線的導入が結構好きなのだけども、今回もそんな感じだった。インタビュー記事などはほとんど書きなおしてしまうという。自分の言うことをパクられてもいいが、言ってないことを自分の名で出されてはかなわない。いままでやってきた自分を崩すなら、一生めんどうみろ、...
内田樹さんの本は、まえがきの予防線的導入が結構好きなのだけども、今回もそんな感じだった。インタビュー記事などはほとんど書きなおしてしまうという。自分の言うことをパクられてもいいが、言ってないことを自分の名で出されてはかなわない。いままでやってきた自分を崩すなら、一生めんどうみろ、と。ムムム…。 この本の出版を知った時には、ちょっと本出しすぎじゃないかなあ、なんて心配したけれど、本出しすぎたからこそ、説明しとくのだ、と。そういう講義をもとに出すはずの本だったのに、結局書き直したので時間がかかってしまったのだと。何が書いてあるかも大事だけど、どんな書き口かが、やっぱり大事なのだと。そんな前置きになるほどねえ〜となりました。 あ、中身? 登場する本は半分ぐらいしか読んでいませんが、大丈夫でした。アンチグローバリズムの部分はいつものことではあるけれど、溜飲が下がる。
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p44他者とは「時間差を伴った私」である p88教育機会の二極化の末路 p92レヴィナスを読むときの態度 p175理解も共感も絶した「他者」を歓待する p176、178誰も踏み出さない時に名乗り出る p186驚くことができる人は驚かない p195「うなずく」ことが知性を駆動する ...
p44他者とは「時間差を伴った私」である p88教育機会の二極化の末路 p92レヴィナスを読むときの態度 p175理解も共感も絶した「他者」を歓待する p176、178誰も踏み出さない時に名乗り出る p186驚くことができる人は驚かない p195「うなずく」ことが知性を駆動する p201真のグローバル的知性とは p233「主権国家の国民である」という意識 p251大きな義理と小さな義理 p266「生身の人間」が生きていくために必要なもの p280自分が「何を知らないか」を知ること p292フラット化は止められない →経済活動は人間の社会的成熟装置 p296あとがき →パーソナルな知見をパブリックドメインに載せて提示できる人、そのために自分の感覚や判断に染み込んでいる民族誌的偏見を冷静に吟味して「控除」できる人は、真の「国際人」 →何かを守ろうとしており、後継世代に繋ぎたいと願う人たちの独特な世界観に対しては、控えめな敬意と好奇心をもつ。そういうやや遠慮がちな構えを、本来は「国際的」というと思う。
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