君のいた日々 の商品レビュー
藤野千夜さんの本、あんまり読んだことないし著者のことを勉強不足で知りませんが私の中では昔からパラレルワールドを得意とする著者というイメージです。それは昔読んだルート225からだと思う。というかルート225しか読んだことがないからです。 この作品を手に取るきっかけはどこかの媒体で紹...
藤野千夜さんの本、あんまり読んだことないし著者のことを勉強不足で知りませんが私の中では昔からパラレルワールドを得意とする著者というイメージです。それは昔読んだルート225からだと思う。というかルート225しか読んだことがないからです。 この作品を手に取るきっかけはどこかの媒体で紹介されていて目に止まったから。出版社からの紹介は下記の通り。 大切な人を亡くした人にも、今、大切な人がいる人にもぜひ読んでいただきたい夫婦の愛あふれる、感涙必至の書き下ろし長篇。 あなたと過ごしたかけがえのない大切な瞬間。 (妻)と(夫)のそれぞれの世界から紡ぐ、(小さな奇跡)の物語。 感動必死、とあるけれど、期待外れかなぁ。 妻が死んでからの人生。 夫が死んでからの人生を、それぞれの視点で並行して物語が進んで行きます。 微妙、や、大きく変化するそれぞれの道。それは息子の成長とか、性格的なことも大きく反映されている。なかなか読み応えある。 けれども、最後までうまくパラレルワールドに馴染めなく、溶け込めなかったかなぁ。
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春生と久里子は18年連れ添った夫婦。息子は亜土夢。春生が亡くなった視点と久里子が亡くなった視点で物語りは書かれている。うなぎやおそば、しゃぶしゃぶなど美味しいものが出てきてお互いを思い出す。ユーミンも出てきて作者が同じ世代だったことに納得した。
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パートナーに先立たれた一組の夫婦の物語。 妻に先立たれた夫。 夫に先立たれた妻。 同じ家族、同じ設定で二つの話が交互に語られる。 パラレルワールドだ。 夫は部屋の電球がチカチカすると、そこに妻がいると考える。 一方、妻はいつも夫の気配を近くに感じながら過ごしている。 失う前も、...
パートナーに先立たれた一組の夫婦の物語。 妻に先立たれた夫。 夫に先立たれた妻。 同じ家族、同じ設定で二つの話が交互に語られる。 パラレルワールドだ。 夫は部屋の電球がチカチカすると、そこに妻がいると考える。 一方、妻はいつも夫の気配を近くに感じながら過ごしている。 失う前も、失った後もお互いへの思いが途切れることはない。 いや、むしろ忘れてることを恐れている。 少々理想的すぎる気もしないでもないが、こんな夫婦いいなと 思わせるあったかいお話だ。 小説の中にはたくさんのおいしいものが出てくる。 うなぎだったり、天丼だったり、しゃぶしゃぶだったり。 美味しいものを食べると、あの人が好きだったなあ、あの人にも食べさせたいなと思いを馳せる。 そうだよなぁ、家庭の中で食べることって重要だよな。 仮に毎日一度だけも一緒に食卓を囲んで30年。 それだけで1万回以上、一緒にご飯を食べることになる。 これだけ一緒に食事して、相手の好みを知らないなんて愚の骨頂。 果たして私の夫は、私を失くしたらどんなものを食べた時に思いを馳せてくれるのだろうか。 この小説では美味しいものは外食に限られている。 でも私なら、ふとなにかを食べたその拍子に、私が作った料理の味をもう一度食べたいと夫が思ってくれたら。 それこそ毎日ご飯作ってきた甲斐があるというもんだ。 果たしてどうだろうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
愛する人が亡くなってしまったら。夫が亡くなった場合と妻が亡くなった場合、残された者の視点で交互に話が描かれている。二つの世界があって、どこかつながっているような感じ。残されたものは悲しく切なくても、残りの人生を歩まなければならない。こんなにも愛し合えるパートナーと出会える人生ってうらやましいなと思ってしまった。そんなに派手さがあるわけではないけれど、夫婦の感じとか穏やかでほんわかしていてよかったです。読みながら、切なくて、うるうるとしてしまいました。 書店でカバーをみて、一目ぼれに近かったのに、買わなかったがために、なかなか入手困難なことになってましたが、やっと読めました。
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妻を亡くした夫、夫を亡くした妻の両面から見た世界、読む前のイメージとはだいぶ違いましたが、違和感なく入り込めました。明るく綴られていますが、ホロッとします。そばにいる人を大切にしようと改めて思わせてくれる作品です。
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妻が死んだ世界と夫が死んだ世界、パラレルな二つの世界を同時に書いた作品。 二つの世界は、ほとんど同じなので、時々どっちだったかわからなくなる。 見分け方は、泣き虫な夫が残った方か、お義姉さんと仲良しの妻が残った方か。 章ごとに切り替わっていた世界が、最後には同じ章の中で行き来...
妻が死んだ世界と夫が死んだ世界、パラレルな二つの世界を同時に書いた作品。 二つの世界は、ほとんど同じなので、時々どっちだったかわからなくなる。 見分け方は、泣き虫な夫が残った方か、お義姉さんと仲良しの妻が残った方か。 章ごとに切り替わっていた世界が、最後には同じ章の中で行き来する。 このパラレルワールドが交差することはないし、オチもない。 今のこの現実が、もしあっちだったらどうなんだろう?とふんわり考えたりするにはいい。
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