なんとなく、クリスタル 新装版 の商品レビュー
少し後半の展開が急な気もしたけど、日常と日常の中にあるピュアな感情が描かれている感覚がすごく好きだった。注釈による説明や批評も様々なものに対してフラットに、そしてユーモアを持って批評されていて面白かった。
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昔読まなかったので.読んだ.気がついたことは「買ってしまう」など「〜しいてしまう」という表現が多い.音楽やおしゃれ,食事など今風に言えば「こだわり」だらけの本だが「〜してしまう」とふわーっと流れていくところがこだわらずさすが「なんとなくクリスタル」始めの雨の目覚めのアンニュイなと...
昔読まなかったので.読んだ.気がついたことは「買ってしまう」など「〜しいてしまう」という表現が多い.音楽やおしゃれ,食事など今風に言えば「こだわり」だらけの本だが「〜してしまう」とふわーっと流れていくところがこだわらずさすが「なんとなくクリスタル」始めの雨の目覚めのアンニュイなところが特に好き.
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記号消費の到来を象徴する35年前の小説だが、内容的には流石に古く、もはやこういう人達はイタイ人扱いされる時代になったような。でも著者はその事も踏まえた上で、本編でボケて注でツッコム(揶揄する)という一人漫才をやっているようにも思える。という点においては、イミテーションゴールドと言...
記号消費の到来を象徴する35年前の小説だが、内容的には流石に古く、もはやこういう人達はイタイ人扱いされる時代になったような。でも著者はその事も踏まえた上で、本編でボケて注でツッコム(揶揄する)という一人漫才をやっているようにも思える。という点においては、イミテーションゴールドと言われた80年代の社会批判小説の先駆けとも言える。
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クリスタルというクールでは表現しきれない時代感覚? 表紙を除けば今時の出版でもおかしくないのだろう 音楽だのファッソンだのグルメだのの情報が 今に通じるのかどうかわからないけれども 一晩で読み切れてしまったところを見ると 感覚としては今の娘たちに読ませても面白いのだろうと思う ...
クリスタルというクールでは表現しきれない時代感覚? 表紙を除けば今時の出版でもおかしくないのだろう 音楽だのファッソンだのグルメだのの情報が 今に通じるのかどうかわからないけれども 一晩で読み切れてしまったところを見ると 感覚としては今の娘たちに読ませても面白いのだろうと思う 当時の私には興味がなかったけれど 政治家以来の田中さんを知ってから読んでみると 小説に興味のない者でもそれなりに読めてしまう
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留年した学生時代に一気に書き上げたというこの作品、見開きの左半分は注釈という特異な形式もさることながら、それ以上に今までにはなかった、感覚で生きる自分たちの世代の青春小説を描きたかったという。 主人公は、青学とおぼしき大学に通う女子大生。モデルの仕事もこなし、同居するミュージシ...
留年した学生時代に一気に書き上げたというこの作品、見開きの左半分は注釈という特異な形式もさることながら、それ以上に今までにはなかった、感覚で生きる自分たちの世代の青春小説を描きたかったという。 主人公は、青学とおぼしき大学に通う女子大生。モデルの仕事もこなし、同居するミュージシャンの恋人がいながら複数の男友達もいる。経済的にも恵まれ、ファッションも音楽も生き方も、すべてを自分のセンスで選び、何ひとつ不自由することなく、なんとなくクリスタルな毎日を楽しんでいるが、その視線は常にどこか冷めている。 1980年といえば、バブルにはまだ間があるものの、物質的には豊かになる一方の日本だった。ブランド品がもてはやされ、きらびやかなファッション雑誌が女の子たちの生き方を先導し、How to本を片手に男の子たちが恋愛のノウハウを学ぶ。 クリスタル族という言葉が生まれ、社会現象にまでなったこの作品は、そんな軽薄な若者たちのバイブルのように感じ、当時はふふんと小バカにしていた記憶がある。 でもそれは、私がまさにそのお年頃、主人公たちと近い世代であったため、本質が見えていなかったんだ。小説として楽しむ以前に、ブランドやらレストランやら、その他の溢れかえるカタカナを嫌悪し、私はこんなふわふわした生き方はしない!と、反感を持っていた。だから、そんな表面的な捉え方しかできなかったんだなと、十分な大人になった今、青臭かった自分に気付き、ちょっと懐かしくもなった。 おそらくこの作品は、読者の世代によって捉え方が大きく異なるだろう。年配の方は理解に苦しみ、若い世代はこんなお気楽な時代があったんだ、へーと感じるのでは。で、ほぼ同世代の人たちは、それぞれ当時の自分の立場によって、共感したりしなかったり…。 ストーリーそのものよりも、やりたいことが何でもできたあの時代にしか存在しなかった、あの年齢の若者たちを描いたという意味で、非常に貴重な作品だと改めて感じる。同時に、それを今になって、身をもって感じることのできる自分の立場にも、感謝! 33年後を先に読んだが、考えるところも多く、順番としては正解だった。
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33年後から読んだが、そちらがあまりにも酷かったので、期待していなかったが… 当時の文化を残すと言う意味で価値のある本だとは思う。しかし、内容は薄い。そう感じるのは自分の読み方が薄っぺらいだけか…
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2015年2月の課題本です。 http://www.nekomachi-club.com/report/18418
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35年前の小説ですが、いくつかの固有名詞を置き換えれば今のことを書かれているかのようで、びっくりしながら読みました。と同時に、なんだか私たちの時代のその先が恐くなりました。「なんとなく」というのは適当に生きてるわけではないのだけれども、確たる感じもないので…。それをこんなふうに、...
35年前の小説ですが、いくつかの固有名詞を置き換えれば今のことを書かれているかのようで、びっくりしながら読みました。と同時に、なんだか私たちの時代のその先が恐くなりました。「なんとなく」というのは適当に生きてるわけではないのだけれども、確たる感じもないので…。それをこんなふうに、ある意味見事に開陳されてしまうと、自分で保てる自分の身の置き場がない感じになるというか、落ち着かなくなります。なのでこの小説は結構ショッキングでしたが、『33年後の~』も気になってしまいます。
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いったいどの位前に読んだのか思い出せない。内容もすっかり忘れていた。この話のその後が出ると知ったので、読んでみたくなった。読み終わっての一番の感想は、これを書いた人は、コンプレックスのかたまりじゃないの⁈、ということ。
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舞台は1980年代前半。なんとなくブランド物を身につけて、なんとなく美味しいものを食べて、なんとなく楽しいところで遊んで…というお気楽な大学生たちの物語。 悩みもなく、金銭的な心配もなく、未来を憂うこともない。本当にそういう時代だったらしい。 ちょうどその年代に生まれた私からする...
舞台は1980年代前半。なんとなくブランド物を身につけて、なんとなく美味しいものを食べて、なんとなく楽しいところで遊んで…というお気楽な大学生たちの物語。 悩みもなく、金銭的な心配もなく、未来を憂うこともない。本当にそういう時代だったらしい。 ちょうどその年代に生まれた私からすると、羨ましいの一言だけど、たった30数年で日本の国力が随分と落ちてしまったってことでもあるのだと思う。 かるく読めるから何も考えたくないときにはぴったり。 たぶんこの小説はタイトル通り“なんとなく”読むのが正解だと思う。 物語は右半分だけで、左半分は脚注みたいになってる変わったつくりの小説だから、あっという間に読めてしまう。その脚注もちゃんと見るとけっこうシュールでおもしろい。 こういうおしゃれっぽくて重たくなくどこか乾いている小説、発表された時代にはきっと新鮮だったのだと思う。
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