かにみそ の商品レビュー
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日本ホラー大賞優秀賞。可愛らしい表紙とはうらはらにおぞましいホラーでもなく、ラストはそこはかとなく哀しい。自在に大きさを変え、言葉を喋り、テレビを見て、新聞を読む蟹は肥大化した自我の寓意として読み替えてみる。日に日に生意気になる我が子でも怖いなあ。
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倉狩聡氏のホラー『かにみそ』を読了。『かにみそ』と『百合の火葬』のホラー2編が納められた短編集。かにみそはある日海で捕まえた蟹がとんでもなく育ち、言葉を話しだし、人間までも餌にし始めてしまった後の顛末を描いたちょっぴりホラー。百合の火葬はかなりホラーで、背筋が寒くはなった。ただま...
倉狩聡氏のホラー『かにみそ』を読了。『かにみそ』と『百合の火葬』のホラー2編が納められた短編集。かにみそはある日海で捕まえた蟹がとんでもなく育ち、言葉を話しだし、人間までも餌にし始めてしまった後の顛末を描いたちょっぴりホラー。百合の火葬はかなりホラーで、背筋が寒くはなった。ただまだ習作の域を出ていない感じで、次回作品期待と言ったところか。
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描写的にホラー…っていうよりグロ…か…な…?ってなったけど映像化したらきっとホラー映画のくくりになるだろうと思ったのでホラーで。蟹の性格と口調のコミカルさにまんまと蟹可愛いよ蟹!ってなった。蟹が生き生きしてる分周囲の人間達が主人公含めちょっと描写弱い気がする特に後半の主人公が今更...
描写的にホラー…っていうよりグロ…か…な…?ってなったけど映像化したらきっとホラー映画のくくりになるだろうと思ったのでホラーで。蟹の性格と口調のコミカルさにまんまと蟹可愛いよ蟹!ってなった。蟹が生き生きしてる分周囲の人間達が主人公含めちょっと描写弱い気がする特に後半の主人公が今更感すごい。でも二人の友情はよかった。 表題作ともう1篇入ってるけどホラー的にはこっちの方が好き。侵食していく百合の花と謎の美しい女性っていうビジュアルがゴシック的でそれだけで読める。
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読友さんの感想を読んで。すっとぼけた表紙とタイトルに惹かれたんだけど中身はなかなかに怖い、そしてキモい(笑)恐ろしいはずの蟹だけど愛嬌があってなぜか憎めない。逆に生きることに無気力な「私」の存在の方が不気味。蟹と私の奇妙な共存関係が興味深かった。「百合の火葬」はきれいにまとまって...
読友さんの感想を読んで。すっとぼけた表紙とタイトルに惹かれたんだけど中身はなかなかに怖い、そしてキモい(笑)恐ろしいはずの蟹だけど愛嬌があってなぜか憎めない。逆に生きることに無気力な「私」の存在の方が不気味。蟹と私の奇妙な共存関係が興味深かった。「百合の火葬」はきれいにまとまってはいるが、「かにみそ」に比べてインパクトに欠けた感じ。
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2013年度の日本ホラー大賞 優秀作品らしいが作品の構成や質の良さ、文章力などが非常に高く、大賞を受賞しても文句無しである。表題作である『かにみそ』と『百合の火葬』どちらにも共通しているのは読了後に凄まじい虚無感が襲ってくる事。蟹と百合、どちらもこの作品の中枢を担っていたのではないだろうかと思う。どちらも背中がゾクゾクする怖さである。久しぶりにホラーを感じる作品に出会えたので嬉しい。
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う~ん。 寄生獣を散々読んだから、捕食者としての人間を逆の立場でとらえることには新鮮味がない。 そして、泣けない。 むしろ、もう一つの物語のほうがよかった。
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海で見つけたカニを家で飼う派遣社員。食事の量が増加。家族のいない間、TVを見ているのに気がつく。喋るカニだった。上司でセフレの女を殺してしまう。カニと連れてって食べさせた。人間の味を覚えた。夜の街に連れて行き人間を食わせた。殺した女は疾走したことになっている。女の上司も疾走していた。彼女が殺して冷凍庫に隠していることに気がつく。死体が見るかると自分も危ないのでカニに食ってもらった。カニは自分がいない時にも人を喰いにいくようになった。友達は喰わない。いよいよ危なくなってきたのでカニを殺すことにした。カニは食っていいよ。茹でてカニを食った。
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全てに無気力な20代無職の私が拾った小さな蟹。その蟹は体の割に何でも食べ、頭が良くて人語も解する。そんなある日、私は恋人を殺してしまう…。捕食者とその「餌」との間に生まれた友情を描く表題作など全2作品を収録。 2013年日本ホラー小説大賞優秀賞作。大賞が該当作なしなので実質的に...
全てに無気力な20代無職の私が拾った小さな蟹。その蟹は体の割に何でも食べ、頭が良くて人語も解する。そんなある日、私は恋人を殺してしまう…。捕食者とその「餌」との間に生まれた友情を描く表題作など全2作品を収録。 2013年日本ホラー小説大賞優秀賞作。大賞が該当作なしなので実質的にはNo.1作品だった。異常な事態なのに淡々と描かれているから読んでいるうちに慣れて?しまう。選者たちが「現代の若者の孤独」と評していたが、そこまで深読みしなくても単純に楽しめる。今後が楽しみな作家かもしれない。 (B)
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なんかね、じわじわくるホラー小説でした。 でも、読んでるときにこれ一編だけ入ってると思い込んでたから、本の真ん中らへんで、とある状況になったとき、え、まだ半分あるのにこの後どうなるの??って思ってたら、終わりだったという……(笑)。
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面白い?怖い?では言い表せない、とても重たい読後感でした。作者はなぜ蟹を選んだのか?たぶん哺乳類だったら感情移入が過大になり、爬虫類はグロ過ぎる、昆虫は小さいし鳥類はヒッチコックが映画にしたし。いつか読み返すことがあれば、その時の気分で違う読後感が味わえそう。
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