ひとりの体で(上) の商品レビュー
ハリーお祖父ちゃんが本当に素敵な人です。愛してる人が誰を愛そうと見守ってくれるお祖父ちゃんの優しさやミス・フロストなどの素敵な人に出会いながら主人公が自分のセクシュアリティに向き合い、成長する物語。私自身の性自認について熟考する機会を与えてくれた本。下巻楽しみ!
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差別や偏見、劣等感、愛する人との不和や別れ、そして親しい人々の老いや病気、死など、性的マイノリティである主人公の人生が描かれる。作家である主人公の回想という形で構成されている点が面白い。わたしは、多くの性的マイノリティの人々が自分自身の性の不確かな時期に感じる恐怖や葛藤について考...
差別や偏見、劣等感、愛する人との不和や別れ、そして親しい人々の老いや病気、死など、性的マイノリティである主人公の人生が描かれる。作家である主人公の回想という形で構成されている点が面白い。わたしは、多くの性的マイノリティの人々が自分自身の性の不確かな時期に感じる恐怖や葛藤について考えた事はなかったし、バイセクシャルであるが故の疎外感にも思い到ることはなかったし、80年代のエイズという病気がゲイの人々に対する差別をも孕む社会問題であったことも知らなかった。小説の魅力は様々あるけれど、時代も年齢も性別も環境も異なる人々の経験や思いを知る、気付くことが出来るという点は大きい。その意味で、この小説を読むことが出来て本当に良かった。多様性に対して寛容な社会をつくるために、小説はとても良い働きをするだろうと思う。 「きっとすぐに本がどっと流れ込んでくるんじゃないかな」 「この三つの小説がこの子をどこへ導くか、とにかく見てみましょうよ、ね?」
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まだ上巻なので、どういった話に落ち着くのかはわからないけど、「ひとりの体で」というタイトルが全てを表わしているような気がする。 ひとりの体の中にあるいくつもの感情。 愛というのか、性欲なのか。 自分のなかでも整理がつかない、しかし決して人に相談のできない思い。 思春期の、出口のないもやもや。 自分の知らない広い世界を知りたい気持ち。 ミス・フロストが図書館司書として、必要な時に必要な本を手渡してあげる。 ビルの読書は実に幸福な体験だったと思う。 そして図書館の地下室にあるベッドとバス・トイレだけのミス・フロストの部屋。 悲しい理由で作られた部屋だけど、羨ましい。
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語り手はビリー。ヴァーモントの田舎町出身、70歳を目前にし、バイセクシュアルの自分の人生を振り返る。 13歳で親子ほど年の離れた美人図書館司書ミス・フロストに惹かれ、本嫌いだったビリーは本の虫となり、ディケンズの「大いなる遺産」を読んで作家を志す。彼女に憧れる一方でレスリング部...
語り手はビリー。ヴァーモントの田舎町出身、70歳を目前にし、バイセクシュアルの自分の人生を振り返る。 13歳で親子ほど年の離れた美人図書館司書ミス・フロストに惹かれ、本嫌いだったビリーは本の虫となり、ディケンズの「大いなる遺産」を読んで作家を志す。彼女に憧れる一方でレスリング部の美しく残忍な少年キトリッジにも惹かれ、バイセクシュアルの自覚を持つ。 セクシャル・マイノリティな彼を取り巻く人々の混乱や反発、非難や受容、そして愛。 ミス・フロストによる文学の手引き。 思春期の彼の初恋・初体験を軸に展開する上巻。
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アーヴィング「ひとりの体で」http://www.shinchosha.co.jp/book/519115/ 読んだ。よかったけど辛い。アーヴィングの小説でおなじみの要素、父の不在、死と暴力、レスリング、弱き者、は同じだけど、ここまで死が怒濤に描かれたものはあるか。身内友人知人愛...
アーヴィング「ひとりの体で」http://www.shinchosha.co.jp/book/519115/ 読んだ。よかったけど辛い。アーヴィングの小説でおなじみの要素、父の不在、死と暴力、レスリング、弱き者、は同じだけど、ここまで死が怒濤に描かれたものはあるか。身内友人知人愛した人までが次々に死ぬ(つづく 上巻のエピソードが下巻で別の形になり重みを持って再登場する。無数の伏線とそれを結実させる構成力は見事だけど読んでいて本当に辛い。泣いてしまうので電車の中では読めなかった。老作家の一人称文体は手記ではなく人生話を吐露するような口語体で、相手の想定が気になる、読者ではなさそう(つづく 女装、同性愛、バイ、身体上精神上の性転換、構音障害、とマイノリティが次々に登場する。キリスト教由来のソドミ法、自由を謳いつつマッチョで硬直したアメリカという国におけるエイズ。冒頭の、大嵐の船上でボヴァリー夫人を読み続ける本好きのエピソードと、ラストのジーの存在が唯一明るい(おわり
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アーヴィング「ひとりの体で」http://www.shinchosha.co.jp/book/519115/ 読んだ。よかったけど辛い。アーヴィングの小説でおなじみの要素、父の不在、死と暴力、レスリング、弱き者、は同じだけど、ここまで死が怒濤に描かれたものはあるか。身内友人知人愛...
アーヴィング「ひとりの体で」http://www.shinchosha.co.jp/book/519115/ 読んだ。よかったけど辛い。アーヴィングの小説でおなじみの要素、父の不在、死と暴力、レスリング、弱き者、は同じだけど、ここまで死が怒濤に描かれたものはあるか。身内友人知人愛した人までが次々に死ぬ(つづく 上巻のエピソードが下巻で別の形になり重みを持って再登場する。無数の伏線とそれを結実させる構成力は見事だけど読んでいて本当に辛い。泣いてしまうので電車の中では読めなかった。老作家の一人称文体は手記ではなく人生話を吐露するような口語体で、相手の想定が気になる、読者ではなさそう(つづく 女装、同性愛、バイ、身体上精神上の性転換、構音障害、とマイノリティが次々に登場する。キリスト教由来のソドミ法、自由を謳いつつマッチョで硬直したアメリカという国におけるエイズ。冒頭の、大嵐の船上でボヴァリー夫人を読み続ける本好きのエピソードと、ラストのジーの存在が唯一明るい(おわり
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性的な嗜好が他人と異なると、その自己発見が人生を通じたテーマにもなりうるのだ、ということが発見だった。 その点は目新しく、しばらく楽しめたが、この分厚い本全体がずっとえんえんその話なので、 人生それだけじゃないだろうという思いが募ってきた。もし1/3の長さに圧縮されていたら、楽し...
性的な嗜好が他人と異なると、その自己発見が人生を通じたテーマにもなりうるのだ、ということが発見だった。 その点は目新しく、しばらく楽しめたが、この分厚い本全体がずっとえんえんその話なので、 人生それだけじゃないだろうという思いが募ってきた。もし1/3の長さに圧縮されていたら、楽しかっただろうと思う。
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ミス・フロストは何者かまだよくわからない。年上のソプラノ歌手と付き合ったり、レスラーの美少年に惹かれたり展開が早くて面白かった。下巻も楽しみ!
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70歳の作家が倒錯的な性癖の遍歴を振り返る物語。 基本的には時系列に物語は語られているが、所々時間がスキップして先走るエピソードが挟まれて読みにくいのはいつもの通りです。 今回はバイセクシャルな主人公とその周りの同性愛者やニューハーフや異性装愛者を描くことで、真実の恋愛を描こうとしているように思います。 主人公の父親はいつものように疾走していますが、上巻では主人公は放浪していません。 古い考えを持ち町から離れられない人たちがいるアメリカの田舎町の設定も作者の真骨頂です。 読みにくいのに惹きつけられる文章力に圧倒されつつ、下巻を楽しみにします。
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これ以上の赤裸々な文章を読むことはもうないだろうな。主人公のビルみたいに思春期の頃にミス・フロストの様な司書に出会っていたらなと少しビルが羨ましく感じた。
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