愛を振り込む の商品レビュー
一枚の千円札でつながるお互いには見知らぬ女たち。札幌を舞台に、それぞれもがきながらも普通に生きてる、主人公たち。 どの人にも共感できない部分を感じながらも、一つ間違えたら同じような立場になりかねないと思える、何も知らなければごく普通に見える人たちなんだろうと思えた。 きっと同じ境...
一枚の千円札でつながるお互いには見知らぬ女たち。札幌を舞台に、それぞれもがきながらも普通に生きてる、主人公たち。 どの人にも共感できない部分を感じながらも、一つ間違えたら同じような立場になりかねないと思える、何も知らなければごく普通に見える人たちなんだろうと思えた。 きっと同じ境遇の人々は、自分が知らなくても電車で隣になっていたりカフェで横にいたりするものなんだろう、と思う。 どのストーリーも、希望が見える終わり方なのがまた良かった。
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1枚の千円札で繋がった6人の女の物語。 それぞれがもがき苦しんでいる。 好感の持てる主人公がいないけれど、とても興味をそそられる女たちばかり。 誰でも、何処のボタンをかけ違ったは、そんな風になってしまうかもという絶妙なストーリーでした。 表題作が好みでした。 通帳のメッセージ...
1枚の千円札で繋がった6人の女の物語。 それぞれがもがき苦しんでいる。 好感の持てる主人公がいないけれど、とても興味をそそられる女たちばかり。 誰でも、何処のボタンをかけ違ったは、そんな風になってしまうかもという絶妙なストーリーでした。 表題作が好みでした。 通帳のメッセージ、届いているといいな。 そして、みんな、きっと前進している。
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読み終わって 改めて 表紙を見て なるほど 「愛を振り込む」ね…1枚の 千円札が 次々と 女性に 渡っていく…物悲しくて 滑稽な 短編集。
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「フィッターXの異常な愛情」が秀作だったので読んでみたのですが、想定しているターゲット読者が女性であろう事を鑑みても今ひとつ嗜好が合いませんでした。ただ、千円札の仕掛けはお見事。
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同年代の人が書いた感じがする…と思ったらやはり。2歳違いだった。 女性像がまさにありのまま。それだけに身につまされてつらいとこもあるけど、全体的には連作短編形式もよかったし、面白かった。
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カフェ女とつけ麺男はインパクトあったなあw 連作というよりは一枚の千円札が人から人へ渡っていくという繋がりで構成されている一冊で読みやすいし、エロ描写もやっぱりいいし、巧いなと思った。 正常そうでどこかいびつでなんか人間味があってそれぞれの登場人物にあって、ああいるなあって思え...
カフェ女とつけ麺男はインパクトあったなあw 連作というよりは一枚の千円札が人から人へ渡っていくという繋がりで構成されている一冊で読みやすいし、エロ描写もやっぱりいいし、巧いなと思った。 正常そうでどこかいびつでなんか人間味があってそれぞれの登場人物にあって、ああいるなあって思える。
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男女が入り乱れる凄まじい6つの連作短編。とあるものがきっかけになり、いろいろ振り回されてしまうという感じ。愛・お金・暴力・快楽などをふんだんに盛り込み、波乱万丈に仕上げている。頭がクラクラするようなくらい黒い部分もあり、楽しめた。
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不倫の清算でつかった拇印の朱がついた千円札。そのお金の持ち主となる女性を描いた連作集。 設定こそ面白いものの、女性たちがみんなどこか薄暗い。いずれも最後は少しなりとも前進しているような爽やか風味なんだけど、よく考えたら状況が好転しているわけでもないので、もしかして開き直り?!と感...
不倫の清算でつかった拇印の朱がついた千円札。そのお金の持ち主となる女性を描いた連作集。 設定こそ面白いものの、女性たちがみんなどこか薄暗い。いずれも最後は少しなりとも前進しているような爽やか風味なんだけど、よく考えたら状況が好転しているわけでもないので、もしかして開き直り?!と感じたり。 会ったこともない人のブログが更新されるたびに千円を振り込む表題作は、なんだか清らかで良かったけど。 なんか作者が他の人と言われても違和感なく受け入れてしまえそう。蛭田さんの個性をもっと知りたいので、他も読んでみよう。
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どこにでもいる冴えなくて、 "センスのない"女性を描くのが上手い。 例えば第三話に出てくる、絹代の一言 「・すごいことになってるでしょ。そこ。 今度は私のターンね」 最中に女性にこんなこと言われると自分なら引く。 それを学習しないまま年を重ねたのは、彼女自...
どこにでもいる冴えなくて、 "センスのない"女性を描くのが上手い。 例えば第三話に出てくる、絹代の一言 「・すごいことになってるでしょ。そこ。 今度は私のターンね」 最中に女性にこんなこと言われると自分なら引く。 それを学習しないまま年を重ねたのは、彼女自身が自営業に勤しんでいたことに理由があるのかはわからないが、 ここ数年彼氏が居ない彼女の理由にピンと来る。 それと、第六話の穂乃果が意中の相手との念願のディズニーデートでの描写。 休憩しに入ったレストランでミッキーマウスのかたちをしたピザを齧りながら。 僕もディズニーでミッキーマウス型のピザを食ったことあるけど、食べづらい上にさほど美味くなかった記憶がある。 いとこと分け合いながら食ったピザも最後は残して親に渡したか捨てたかは忘れてしまった。 10年以上前の出来事でもまだ覚えているくらいまずいピザをこの穂乃花は高齢にして迎える念願の初デートでまんまと選んでしまい、尚且つそれを良い思い出として昇華してしまう。 冴えない人というのは、センスの悪さからくるどことなくツキの悪さみたいなものもあって、 この文を読んだときに、この穂乃花はただ経験に乏しいだけでなく、 始めて迎えるデートの一つ一つの行動でさえ上手くいかないものなんだなと。 そのデートでの食事に付き合わされている相手の男の冴えない表情まで浮かんできて、とことん救いようのないものに感じられた。
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心に葛藤や悩みを抱える女性達を描いた連作短編。ここまでギリギリの心情や行動を描いた内容は痛いけど面白い。お金が絡む展開で余計に生々しくてリアル。最後はほんの少し前進してるのが救い。汚れた千円札が象徴的だった。
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