愛を振り込む の商品レビュー
R18文学賞受賞者らしい1冊といえばそうなんだけど(ちなみにこの本は窪美澄さんのツイートで存在を知った)、軽薄な部分がありつつも、登場人物たちの気持ちにぐいっと寄っていく部分もあって、作品としてバランスがいいなと思った。 登場人物にそこまで感情移入できないのに、なんとなく”わかっ...
R18文学賞受賞者らしい1冊といえばそうなんだけど(ちなみにこの本は窪美澄さんのツイートで存在を知った)、軽薄な部分がありつつも、登場人物たちの気持ちにぐいっと寄っていく部分もあって、作品としてバランスがいいなと思った。 登場人物にそこまで感情移入できないのに、なんとなく”わかって”しまうのは私が女だからなのかも。
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http://tacbook.hatenablog.com/entry/2013/12/18/223057
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苦い思い出が生んだ千円札が旅するように、さらなる苦い思い出を背負い込んで続く連作短編小説。薄汚れていく一枚の千円札が物語をつないで行きます。 さすがR18文学賞受賞者ってだけあってエロさもグロさもちょうどよい感じで交り合っており、特異な描写も受け入れ安い印象。 愛と哀が織り交ざっ...
苦い思い出が生んだ千円札が旅するように、さらなる苦い思い出を背負い込んで続く連作短編小説。薄汚れていく一枚の千円札が物語をつないで行きます。 さすがR18文学賞受賞者ってだけあってエロさもグロさもちょうどよい感じで交り合っており、特異な描写も受け入れ安い印象。 愛と哀が織り交ざってそこにどーんとエロというスパイスをどっぷりかけた毒々しい短編たち。蛭田さんの作品はすべて読んでますが、落とすのが上手だなと思う。毒々しく落とす。あのはじまりの千円も、実はロリコンだったとか、夢見た世界から一気に突き落とす感じが越えて爽快。 ただ、おもしろくはなかったかな。無理して連作にしなくてもよかった気もする、個人的にですが。エピローグにつなぐ第一話の主人公・みず帆が単に好きになれなかった。確かにみず帆の苦い思い出により千円札の旅が始まったからエピローグをつくるならみず帆で締める必要はあったのかもしれないけど。 愛を振り込む、ってタイトルが哀切。そして表題作の短編が一番好きでした。
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切々とした女性たちの気持ち。 共感したりしなかったり、でもどの短編もどっぷりとその世界につかって、彼女たちの痛みがストレートに伝わってくる。 蛭田さんの作品は、冷たいようで、でもあたたかい何かもあって、前をむける感じがする。一枚の千円札がつなぐ物語。
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