灰色の虹 の商品レビュー
冤罪の話。それでも僕はやってないという映画と、冤罪 ある日、私は犯人にされたという本を書いた菅家 利和さんを思い出した。本当に怖い話で、ささやかな幸せを夢見て、普通に暮らしてきた主人公、婚約している姉、両親が、主人公の逮捕で一気に不幸になる。婚約破棄され、ガリガリに痩せて家を出て...
冤罪の話。それでも僕はやってないという映画と、冤罪 ある日、私は犯人にされたという本を書いた菅家 利和さんを思い出した。本当に怖い話で、ささやかな幸せを夢見て、普通に暮らしてきた主人公、婚約している姉、両親が、主人公の逮捕で一気に不幸になる。婚約破棄され、ガリガリに痩せて家を出て行った姉、ショックで自殺した父、次第に来なくなる主人公の恋人。主人公を含め、周りの人をみんな不幸にしている。人を裁く、人を罪に問う、そこにボタンのかけ違いがあるとこんな恐ろしい事になるんだなと思った。悲しい話だが、自分もこうなるかもしれない法律のシステムに恐ろしさを感じた。
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相変わらず救いがない。けど面白い。どうしようもない理不尽に、社会の良識や暴力に、どうやったら対抗できるんだろう。
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テーマは”冤罪”です。 刑事の自白強要、目撃者の曖昧な証言、弁護士の欠けた人権意識、検事のプライド、裁判官の世間知らず、これらが不幸にも重なり合った悲劇です。。。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この作家さん、やっぱいい! それぞれの登場人物のストーリーがそれぞれの目線でそれぞれに展開していく。 「冤罪」と「復讐」を扱ったといえば、ストーリー展開が見えてきそうだが、こうやって冤罪っていうのが成立してしまうのかと思うと、警察に対して不信を抱かざるを得ない。この小説での一番の悪は、冤罪を作り上げた刑事で、次に悪だと思うのは、事件の目撃者の男。警察や裁判所が判断することは正しいと役所に信頼を寄せる人は、それはそれで正当な考えかもしれないが、自分で判断ができない世間知らずでかつ世俗的な男には憤りを感じる。 虹色の人生をつかみかけていたにもかかわらず濡れ衣を着せられ灰色の虹の人生になってしまった男。あまりにも悲しすぎる。 小説の本筋とは関係ないが、結局、真犯人は誰だったのでしょうね。
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冤罪で人生の全てを失った男は復讐を決意した。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。7年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。次に狙われるのは…。。 読み始めてすぐ「よく似た小説を読んだことがある」と思ったが、一応最後まで読んだ。まさか約3年前に読ん...
冤罪で人生の全てを失った男は復讐を決意した。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。7年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。次に狙われるのは…。。 読み始めてすぐ「よく似た小説を読んだことがある」と思ったが、一応最後まで読んだ。まさか約3年前に読んでいたとは!感想も同じ。情けない再読。 (C)
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誤審をテーマに陰惨とした結末がなんとも物悲しく書かれている。慟哭しかり、この人の作品は陰鬱とした内容の方がしっくりくる。中途半端なユーモアを交えてお茶を濁すくらいなら、真っ向から理不尽な現実を描き出して欲しい。其々の正義が帰趨するところは、結局のところ虚しい現実だった。勿論、現代...
誤審をテーマに陰惨とした結末がなんとも物悲しく書かれている。慟哭しかり、この人の作品は陰鬱とした内容の方がしっくりくる。中途半端なユーモアを交えてお茶を濁すくらいなら、真っ向から理不尽な現実を描き出して欲しい。其々の正義が帰趨するところは、結局のところ虚しい現実だった。勿論、現代社会において、これほどまでに杜撰な裁判が行われているとは思わないが、誤謬はいつの世にも蔓延る。それを潔しとしない筆者の叫びが、物語からも、参考図書からも聞こえてくるような作品だった。
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決して悪徳ではないが、捜査手法に問題があり、誤った正義感と、思い込みの激しい刑事。 己だけが正義を実現しているとの、思い上がりと自負心の塊のような検事。 依頼人の期待に応えられない弁護士。 そして、自分のあいまいな証言が、一人の無辜の市民の人生を変えてしまうことに、思いが到らない...
決して悪徳ではないが、捜査手法に問題があり、誤った正義感と、思い込みの激しい刑事。 己だけが正義を実現しているとの、思い上がりと自負心の塊のような検事。 依頼人の期待に応えられない弁護士。 そして、自分のあいまいな証言が、一人の無辜の市民の人生を変えてしまうことに、思いが到らない目撃者。 それぞれのちょっとした無責任感が、どこにでもいる善良な一般人を冤罪に陥れる。 刑事の、あざといまでの過酷な取り調べの章では、重苦しさに読み進むのもままならなかった。 しかし、真相を追及しようとする刑事と同様に、いつしか冤罪者の気持ちに寄り添い、復讐劇の完遂さえ期待してしまった。 作者は、いつでも、どこでも、誰にでも起こりうる現代の恐怖=冤罪を告発し、読者は、現代社会の不条理に直面させられる。
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なんか最後は泣けますね。目立たず、慎ましやかに、どちらかというと周囲から冷遇されていた二人が幸せ絶頂を迎えている。そんな二人を祝福しているような虹の向こうに、地獄の日々が待っているなんて… 厚い本でしたが、一気に読めました。
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冤罪はこの世からなくならない。 そのことで平穏な日常生活を送ることのできる権利を持つ人が奈落に落とされ、罰を受けるべき人間が飄々と表の世界で生きている・・・ こんな理不尽なことはあってはならないけど人が人を裁く以上は必ず起きる。 警察の威信?検察の信頼?弁護士の誇り? メンツを守...
冤罪はこの世からなくならない。 そのことで平穏な日常生活を送ることのできる権利を持つ人が奈落に落とされ、罰を受けるべき人間が飄々と表の世界で生きている・・・ こんな理不尽なことはあってはならないけど人が人を裁く以上は必ず起きる。 警察の威信?検察の信頼?弁護士の誇り? メンツを守ることが仕事じゃないのにね。。。誰かの言葉を借りれば結局殺された人たちは皆0点。
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冤罪をテーマにしたミステリー。テレビ朝日でドラマ化もされたそうだ。 時系列順ではなく、それぞれの視点からストーリーが語られ、最後にそれがひとつの大きな絵になる構成で、読者を引っ張って行く。テーマは重たいが、登場人物、特に被害者となる人物の言動にリアリティがあって面白く読めた。 犯...
冤罪をテーマにしたミステリー。テレビ朝日でドラマ化もされたそうだ。 時系列順ではなく、それぞれの視点からストーリーが語られ、最後にそれがひとつの大きな絵になる構成で、読者を引っ張って行く。テーマは重たいが、登場人物、特に被害者となる人物の言動にリアリティがあって面白く読めた。 犯人の行動については、まぁ、予想の範囲内といったところか。
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