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社員たち の商品レビュー

3.7

6件のお客様レビュー

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2014/05/21

話が続いているような、別の人の話のような。当然のように進んでいく非現実に順応してるような、戸惑っているような。

Posted byブクログ

2014/01/09

会社というか組織、をテーマあるいは舞台にした短編SF連作集。といっても、全体に確たるつながりはあるようでないようで。冒頭と巻末の一篇でくくられて入るものの、果たして登場する「会社」は同一のものなのか。そして社員たちは。繋ぎ止めるのは「クラゲ怪獣クゲラ」。北野SFではおなじみの生物...

会社というか組織、をテーマあるいは舞台にした短編SF連作集。といっても、全体に確たるつながりはあるようでないようで。冒頭と巻末の一篇でくくられて入るものの、果たして登場する「会社」は同一のものなのか。そして社員たちは。繋ぎ止めるのは「クラゲ怪獣クゲラ」。北野SFではおなじみの生物兵器のひとつである。 北野さんの会社SF(サラリーマンSFと呼び変えてもいい)は、一度は会社勤めを経験しておかなければ伝わらない何かがある。ありていに言えば、会社という組織の一部になる、という感覚だ。それが、たとえば松本零士風に言えば「ネジ」や「ボルト」や「ナット」といったピカピカツルツルした硬質なものであるのに対して、北野さんのそれはぐちゃぐちゃべとべとと体に張り付いてくる感覚がなんとも気持ち悪い。会社という「組織」というだけのことはあって、やはりそれは適度な湿り気と温もりを持っているのである。 全体的にはホラー色が強いというか、怪異譚ではあるが「みんなの会社」は落語台本として書かれただけあって、最後のオチには吹き出した。これを口演で観る機会があればぜひ伺いたい。怪異譚集の中入りのようにちょうど真ん中に配置されている構成の妙にも唸らされた。 薄暗い黄昏の中の、終わりも始まりもない世界を酩酊しながら彷徨う感覚を味わいたいのなら、ぜひ。

Posted byブクログ

2013/12/27

地中深くに沈んだ会社。社長の愛した怪獣クゲラ。卵になった妻。あっぱれ! 大卒ポンプ。不景気なのか戦時下なのか、今日を生き抜く社員たち。北野ワールド全開! 超日常の愛しい奇想短編集。

Posted byブクログ

2014/04/04

社員たち。大卒ポンプ。妻の誕生。肉食。味噌樽の中のカブト虫。家族の肖像。みんなの会社。お誕生会。社員食堂の恐怖。社内肝試し大会に関するメモ。南の島のハッピーエンド。社員の星。 何気にシュール。家庭生活を描くと同様、会社生活の描写があってもよい、というか、むしろ日常生活における自...

社員たち。大卒ポンプ。妻の誕生。肉食。味噌樽の中のカブト虫。家族の肖像。みんなの会社。お誕生会。社員食堂の恐怖。社内肝試し大会に関するメモ。南の島のハッピーエンド。社員の星。 何気にシュール。家庭生活を描くと同様、会社生活の描写があってもよい、というか、むしろ日常生活における自然なのだと思いました。

Posted byブクログ

2013/11/10

何か起こってるはずなのに普通。 普通なのに何かがおかしいような気がする。 怪獣が出る。 いつの間にかえらいことが進行している。 足元が、背後が、何となく揺らぐような感じ。 当たり前だと感じていたことが、そうではなくなってる。 可笑しくて、何となく切なくて、夕焼けっぽくて、 『ウ...

何か起こってるはずなのに普通。 普通なのに何かがおかしいような気がする。 怪獣が出る。 いつの間にかえらいことが進行している。 足元が、背後が、何となく揺らぐような感じ。 当たり前だと感じていたことが、そうではなくなってる。 可笑しくて、何となく切なくて、夕焼けっぽくて、 『ウルトラQ』な感じの詰まった短編集でした(^^)。

Posted byブクログ

2013/11/03

阿呆らしくて切なくて愛しい、何かが起きているが何が起きているのか分からない世界で日常を生きるSF。 北野作品に登場する「妻」は可愛らしくて逞しくて不思議な存在で、世の男性に取っては妻になった女性もどこか得体の知れないところがあるのかなと思ったり。 「味噌樽の中のカブト虫」は落語み...

阿呆らしくて切なくて愛しい、何かが起きているが何が起きているのか分からない世界で日常を生きるSF。 北野作品に登場する「妻」は可愛らしくて逞しくて不思議な存在で、世の男性に取っては妻になった女性もどこか得体の知れないところがあるのかなと思ったり。 「味噌樽の中のカブト虫」は落語みたいでいいなぁと読んだけれど口演は中々難しそう。

Posted byブクログ