「いいね!」が社会を破壊する の商品レビュー
1988年に世界で14万5千人の従業員を抱えて世界一のフィルム企業イーストマン・コダック社は2012年にチャプターイレブン(会社更生法)適用となった。絶頂期には1ドルで70セントの利益が出ると言われた、フィルム・現像・プリントの各段階で利益が見込めたからだ。ご想像の通りその凋落...
1988年に世界で14万5千人の従業員を抱えて世界一のフィルム企業イーストマン・コダック社は2012年にチャプターイレブン(会社更生法)適用となった。絶頂期には1ドルで70セントの利益が出ると言われた、フィルム・現像・プリントの各段階で利益が見込めたからだ。ご想像の通りその凋落の要因は、デジタル化です。フィルムレスのデジタルカメラの登場に加えスマホで高画質カメラが搭載しかも瞬時にネットに掲載や共有、メールでのやり取りも出来る。一部のマニア等以外には必要とされなくなった。 書籍も同様だ。amazonを筆頭にネット販売で実店舗書店は世界中で激減している。日本は再販制度で本の定価が決まっているのでネットでも実店舗でも価格差は無いが利便性や在庫数には太刀打ち出来ない。更に今後は電子書籍が普及すれば、出版社は大幅縮小し取次・書店・製本・紙業・印刷業・物流業に多大な影響が出るのは必至だ。私自身は、紙派だが今後電子書籍が相応の価格(紙に比べて圧倒的に低コスト)になれば、保管場所、即時性、特にエコの観点から電子書籍を勧めざるを得ないと思う。 上記二点は、イノベーションだがこれ等ITイノベーションは高度デジタル化と通信インフラ向上によって、雇用や機会の喪失をもたらし極一部の人間とプラットフォームを有する企業だけが有利になるのが、現在のイノベーションだ。既得権益を壊し新たな産業を生み出すが雇用を生み出すものでは無くなってきた。 本書の題名、''いいね!が社会を破壊する''とは、決してソーシャルメディア等の反応を示す''いいね''では無く、日々進化するIT化による超効率化や生産性向上による弊害で雇用や賃金が守られなくなり、素晴らしいITを駆使したインフラも利用する人が限られやがて衰退するのでは、という懸念だ。 AI化やロボット化は、確かに素晴らしい人に代わって頭脳・肉体労働を行なってくれるだろう、では人は何処へゆくのか? ロボットへの前後準備作業や手作業でないと出来ない本当に単純な労働、もしくは高度で人としての感覚が必要な頭脳労働。超二極化されつつ有るのでは無いでしょうか、
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フェイスブックによる個人情報の流出に危機を唱える、という趣旨の本ではない。いやそれどころではなく、アマゾンが仕掛ける物流改革やネット通販による流通破壊、そして大型量販店やLCC (格安航空会社)などによる価格破壊と、利用する大多数の人々が「いいね!」と思っている便利なネット環境が...
フェイスブックによる個人情報の流出に危機を唱える、という趣旨の本ではない。いやそれどころではなく、アマゾンが仕掛ける物流改革やネット通販による流通破壊、そして大型量販店やLCC (格安航空会社)などによる価格破壊と、利用する大多数の人々が「いいね!」と思っている便利なネット環境が逆に人々の雇用を奪い、さらには社会を破滅させる危険性に警鐘を鳴らしたもの。 世界最大のフィルムメーカーである米イーストマン・コダック社に15年間勤めた著者自身が2012年にその倒産を目の当たりにした経験から、好調を続ける優良企業までもが陥る罠と、消費者の取るべき方策について提言する。昔からのことわざ・「タダほど怖いものは無い」の真意を罪のない一般市民が身を以て痛感するのは、そう遠くない未来なのかも知れない。
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本のタイトルと内容にギャップあり。売るためのネーミング。 ・フィルム式のカメラからデジタルカメラに移行した話、コダック社。 ・紙の本からいずれデジタルデータの本が主流になる話。 ・フェイスブック、ツイッター、LINE等による個人情報をIT企業が握り、それを国家が使う話、安易に著者...
本のタイトルと内容にギャップあり。売るためのネーミング。 ・フィルム式のカメラからデジタルカメラに移行した話、コダック社。 ・紙の本からいずれデジタルデータの本が主流になる話。 ・フェイスブック、ツイッター、LINE等による個人情報をIT企業が握り、それを国家が使う話、安易に著者が不安を煽るような内容ばかりだった。対策、解決案もなし。
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技術革新、特に近年のインターネットの目まぐるしい発達によって雇用が失われ、社会が崩壊するという。 様々な例を用いて考察しており、たしかにそうだなと思う点も多いが、そうは言っても技術革新は否応なく進むし、それなら明るい未来を想像したいと個人的には思う。 また、フェイスブックやL...
技術革新、特に近年のインターネットの目まぐるしい発達によって雇用が失われ、社会が崩壊するという。 様々な例を用いて考察しており、たしかにそうだなと思う点も多いが、そうは言っても技術革新は否応なく進むし、それなら明るい未来を想像したいと個人的には思う。 また、フェイスブックやLINEなどのことは登場するが、「いいね!」についてはほとんど出て来ない。 他の方の感想にも書かれているが、論旨と表題が合っていないので2点。
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良かれと思って進んだ方向が実は自らの首を絞め始めている。という現実を突き付けている。たまには立ち止まってこのようなことを考えるのも良いと思う。
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冒頭、フィルムがデジカメに駆逐された例を取り上げ、イノベーションが巨大企業をすら壊すことあることを紹介したあと、ネットの進化によるさまざまな弊害に話が進む。 アマゾンによって流通業が激変し雇用が奪われること。Google検索、Facebokへの投稿や「いいね」によって、個人情報が...
冒頭、フィルムがデジカメに駆逐された例を取り上げ、イノベーションが巨大企業をすら壊すことあることを紹介したあと、ネットの進化によるさまざまな弊害に話が進む。 アマゾンによって流通業が激変し雇用が奪われること。Google検索、Facebokへの投稿や「いいね」によって、個人情報が巨大企業に徹底的に収集されてしまうこと。今後、それらの個人情報を活用したビジネスをGoogleやFacebookが開始した場合、便利さとともに、個人情報が社会に晒される危険性あることを指摘する。 読んでいて納得できる内容が多かった。今後、IoTによって自動的にさらに膨大な情報が収集されるようになり、しかもAIによってその活用が飛躍的に進むと、知らない間に大きな影響が出てくると思われる。 技術進化はポジティブにとらえているが、負の側面があることも認識し、その活用を考える必要があることを再認識させられた。
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タイトルでSNSについて書かれた本かと思い読んでみました。が、目次をしっかり目を通しておくべきでした。このタイトルにそぐう章は第4章のみ。 好みはあると思いますが、全体的に「ふーん」で終わってしまいました。
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facebookは、しばらく面白く使っていたが、そのうちどうでもよくなって、あんまり使わなくなった。てっきりその手の本だと思って読んだ。 しかし、しばらくはずっと、著者も在籍していたコダックの盛者必衰について語られている。それはデジタル化によるパラダイムシフトの事で、2000年...
facebookは、しばらく面白く使っていたが、そのうちどうでもよくなって、あんまり使わなくなった。てっきりその手の本だと思って読んだ。 しかし、しばらくはずっと、著者も在籍していたコダックの盛者必衰について語られている。それはデジタル化によるパラダイムシフトの事で、2000年ごろならともかく、今となっては終わった話、である。 かつて写真を撮る層は子育て世代とリタイア世代だったのが、今では誰もが写真を撮る。電子書籍でも同じことが起こる、と言っている。でもなんか、ちょっと違う気がする。 少し前(2013年)の本だから、もう知ってるよ、なんていうのはズルいかもしれないけど、ネット企業がどういうところから収益を上げるか、僕らのデータを吸い上げてビッグデータとして活用しているか、というのは、もうわかっていることだし、諦めてもいることだ。 さて、肝心の「いいね!」が社会を破壊する、の章に至っても、あまり「いいね!」のことには触れられていない。facebookの顔認証が、例えば公開されてしまったら。様々なことを自動化するgoogleによって、便利になる=職がなくなる、ということなどなど。「いいね!」は、自分の投稿について押してくれなかったら怒る、ソーシャルハラスメントみたいなことで触れられていて、著者はfacebookやったことないというから、なんか、やっぱりここもちぐはぐな感じ。 問題解決は示していないし、著者もそれを自覚している。それでも、やがてやってくる勝者なき時代、というのは僕も同感だ。スマホを握りしめ、寝るだけしかすることがない時代。みんなこれに憧れてたんじゃないの…?
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人間の欲求・便利が果ては自分たちに「負」の事柄が押し寄せてきて、皆が気付いたころには取り返しのつかないとんでもない事になってしまうのではないか? 「自由資本主義」もういいのではないでしょうか?
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「いいね」なのでフェイスブック系本かと思ったら、便利を追求してきたことで今の社会が出来、便利になったがその側面では雇用など色々社会を破滅させてきたという話。便利なもの、安いもの、タダなものに飛びつくのは人のサガとして全くその通りなので、逆に社会が今後もさらに便利を追求していく過程...
「いいね」なのでフェイスブック系本かと思ったら、便利を追求してきたことで今の社会が出来、便利になったがその側面では雇用など色々社会を破滅させてきたという話。便利なもの、安いもの、タダなものに飛びつくのは人のサガとして全くその通りなので、逆に社会が今後もさらに便利を追求していく過程のなかで、自分としてどう接していくか今後のことを考えるきかっけになれたような本でした。
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