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だから荒野 の商品レビュー

3.6

171件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    70

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2013/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まあ、好きな作家の一人であるので、期待して読んだ。 一気に読めたけど、なんというか、うーん、って感じ。 ちょっと、現実感に欠けるかな。 主婦が逃避行したい気持ちから、行動に移すのはわかるけど、あまりに突発的。 真剣なら真剣なりに、もっと計画的でしょ。 それでも、騙されるあたりは面白く読めた。 そう、人間、誰でもイイヒトじゃない。 子どもが母親恋しくなる辺りはほろっと来た。 ま、それも彼女ができると、長男のようにドライになるんだろうけど。 なんとなくハッピーエンド的に終わるのも、ちょっと面白くない原因なのかなあ。

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2017/11/09

久しぶりの桐野さん。 どんな内容かとわくわくして読んだら、あまりにも現実的なお話に、 わが身のことのように感じてしまった。 主人公は46歳になったばかりの平凡な主婦・朋美。 大学生・高校生の息子たちと自分のことしか眼中にない夫は、朋美の誕生日なのに、心から祝ってあげようとしない...

久しぶりの桐野さん。 どんな内容かとわくわくして読んだら、あまりにも現実的なお話に、 わが身のことのように感じてしまった。 主人公は46歳になったばかりの平凡な主婦・朋美。 大学生・高校生の息子たちと自分のことしか眼中にない夫は、朋美の誕生日なのに、心から祝ってあげようとしない。文句ばかりいう家族に、朋美は嫌気がさし車で家出をする。あてもなかったが、初恋の相手が長崎にいると知り、長崎まで車で一人旅をすることとする。 さてその道中、世間知らずの主婦の朋美は、怪しげな中年女に見られたり、車を盗まれたりと、さんざんな目にあうが、ヒッチハイクでどうやら長崎に辿り着くことができた・・・。 一方、妻に逃げられた夫は、息子たちからもさじを投げられ、高齢者である実母の世話になったりするが、やはりもう一つ、家族間での歯車があわない。おかしいなと思い始めたころ、大阪の警察から、朋美が乗って行った車が、ホームレスが使っていると連絡をうけた。事情を説明して、やっと朋美と再会ができた・・・。 よく、わかるなあ~。朋美の気持ち。 家族というものをもっていても、やがてはばらばらになってしまう。 こちらが一生懸命に尽くていると思っても、 夫や子供にとっては何とも思っていないのねぇ。 いったい私はなんなの。私の人生を返して。 なんて想う朋美は、この年代の主婦の代表者だと思った。 もちろん、夫には夫の言い分もあり、それはそれでわかるのだが、 主婦が車で家出をするという思い切った行動にでるには、 相応の覚悟がいり、我慢の限界に達したのだ。 思いがけないことをするだけで、自分も大きく変われるものだ。 何よりも自分を軽視していた家族への手痛いお灸になると思う。 世間の「夫」の皆様、 釣った魚に餌をあげなければ、死んでしまうか、逃げてしまうか、 ・・・・どちらかですよ。

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2013/11/27

やはり女の孤独を書かせたら巧い。巧すぎる。 桐野さん自身を彷彿とさせるような、潔い、小気味の良い主人公に爽快さを感じると共に、 女独りのひりひりと、じりじりとした痛みをこの身の痛みのように感じる。 柔らかな頬で感じたのが日本海のような強さなら、 この作品はやはり、晴れ渡った空...

やはり女の孤独を書かせたら巧い。巧すぎる。 桐野さん自身を彷彿とさせるような、潔い、小気味の良い主人公に爽快さを感じると共に、 女独りのひりひりと、じりじりとした痛みをこの身の痛みのように感じる。 柔らかな頬で感じたのが日本海のような強さなら、 この作品はやはり、晴れ渡った空にそびえる富士山か。 『家族』というものが、とても微妙なバランスをギリギリのところで保って成立している、 という一説には考えさせられるところがあった。 離れたくて離れたくてしょうがないのに、離れられないもの。 そうゆうものに囲まれて私たちは日々喘いでいる。 小説の中でだけでも、あてもなくただただ生きるものになれたことに感謝。 中村文則さんといい、桐野さんといい、 何かから逃避する小説が好きで好きでたまらないのだな、と改めて実感。笑

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2013/11/24

+++ もう二度と会うことはないでしょう。 46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へ―― 「家族」という荒野を生きる孤独と希望を描き切った桐野文学の最高峰! 大反響の毎日新聞朝刊連載に、大幅な加筆修正を施して書籍化。 傲慢な夫や息子たちに軽...

+++ もう二度と会うことはないでしょう。 46歳の誕生日。身勝手な夫や息子たちと決別し、主婦・朋美は1200キロの旅路へ―― 「家族」という荒野を生きる孤独と希望を描き切った桐野文学の最高峰! 大反響の毎日新聞朝刊連載に、大幅な加筆修正を施して書籍化。 傲慢な夫や息子たちに軽んじられながら、家庭をささえてきた主婦・朋美は46歳の誕生日、ついに反旗をひるがえす。衝動にかられ夫自慢の愛車で家出、「初恋の男が長崎にいるらしい」という理由で、長崎に向かって高速道を走り始めるのだった。奪われた愛車と女の連絡先の入ったゴルフバックばかり心配する夫を尻目に、朋美は自由を謳歌するが―― 冒険の果てに、主婦・朋美が下した「決断」とは? +++ 一読、著者らしい、と思う。人間の毒をこれでもかというほど曝け出し、家族の共依存性の醜さを残酷なまでに描き、そして朋美は46歳の誕生日、自らがセッティングしたディナーの席から出奔する。拍手である。自分にはできないことをやってくれた朋美に着いていき、どんな運命に弄ばれるのか、読者はわくわくハラハラするのである。道中の災難や、思いがけない幸運、そして落ち着いた先での疑念。家を捨ててきた切迫感が幾分薄れた印象の後半は、やはり収束へ向かう布石だったのだろうか。冷静に考えれば何一つ解決してはいない気がするのだが、石を投げ入れ、波紋を起こした影響は、きっとどこかには現れるのだろう。つまらない気分半分、ほっとした気分半分の一冊である。

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2015/06/11

前半はぐいぐい読めたけど、後半からの収まった感がどうにも納得できない。「だから、荒野へ」行くのなら、「それでも、荒野へ」行ってほしかった。それに、主人公の運が良すぎというか周りが彼女に甘すぎて、荒野と言うほど辛い道でもない。結局現実からは逃れられないというのも一つの道だが、個人的...

前半はぐいぐい読めたけど、後半からの収まった感がどうにも納得できない。「だから、荒野へ」行くのなら、「それでも、荒野へ」行ってほしかった。それに、主人公の運が良すぎというか周りが彼女に甘すぎて、荒野と言うほど辛い道でもない。結局現実からは逃れられないというのも一つの道だが、個人的にはもっと葛藤や苦難があってほしかった。妻が家を出るほどの子供や夫が、あんなに素直になるとは思えないし、家族を捨てて生きるという選択は、こんなに甘い道でもなければもっと辛く厳しいものだと思う。そのあたりのリアルさが後半からなくなってしまったのが残念。

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2013/11/15

好きな作家の作品なので読む前から楽しみだった。話の全体の内容としては☆3程度だが、各人物の心中の描写がとても良かった点が☆4 人物描写が丁寧なのでいつも桐野作品は入り込める。今回もそれは裏切られなかった。人の毒の部分を書かせたらピカイチの人だが、今回は毒ばかりじゃなく清々しいと...

好きな作家の作品なので読む前から楽しみだった。話の全体の内容としては☆3程度だが、各人物の心中の描写がとても良かった点が☆4 人物描写が丁寧なのでいつも桐野作品は入り込める。今回もそれは裏切られなかった。人の毒の部分を書かせたらピカイチの人だが、今回は毒ばかりじゃなく清々しいと思える描写も多かったので、ドロドロと清々しさ、両方味わえる小説になっている。 それにしても男の子二人の母親は、子供が大きくなるとこんな状況になるのかー、と想像はつくものの改めて読んで苦笑せざるを得なかった。あの旦那さんはだめでしょう。 話のまとめ方がこの作者にしてはとってもスッキリ感があって意外だった。

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2014/11/01

46歳の誕生日、主婦朋美、身勝手な夫や息子達を捨て、車で長崎に向かう。 OUTにつながるパワフル主婦。旅に出て、新たなものを得て、日常に帰る、典型的な物語。

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2013/11/05

46才の森村朋美「あたしはね、ただ家にいるだけの人だったのよ。 留守を守る人」そこから逃げ出し遠くへ。 結局はどこまでも荒野を行くだけになるのか。 自分が変わらなければ何も変わらない。 読みながら 朋美に対して怒ったり不安になったり。 そして自分を重ねる。

Posted byブクログ

2015/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。 私もこの主人公と同じように息子が二人いる主婦だが、 私は恵まれているのか?ダンナや息子たちとの関係は良好で、この主人公のようにないがしろにされたことなどない。 ダンナにしても、子供にしてもあり得ない態度で読んでいて腹が立った。 でも、そんな風にダンナの自己中を受け入れて、子供を育てた本人が悪い気もする。 なので、始終へぇーこんな人もいるんだという、上から目線で読んでしまった。 最後はまあ、こんな感じで収まるだろうと踏んでいたようになったが、そこはちょっとつまらない。

Posted byブクログ

2013/10/27

46歳の誕生日、夫とささいなことでぶつかり、レストランから1人出て行った妻。東京から長崎へ家出を決意する

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