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三国志(第九巻) の商品レビュー

3.8

11件のお客様レビュー

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2022/06/16
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※このレビューにはネタバレを含みます

一押しの曹操亡き後の三国志なんぞ…と思っていましたが、やっぱり面白い。楽しい。 圧倒的に非凡な人材というのはもうどこにもいないので、あっちもこっちもいろいろと停滞していますが、そこに人間が表れると言いましょうか、ドラマですなあ。 曹丕について思うところは次回に、と八巻の感想で書きましたが、特にこれといって功績も残さずさっくりと病死してしまいました。 大失態はしませんでしたが、全てにおいて能力不足を露呈した曹丕。 いや、能力が足りないだけならしょうがない。 でも、努力をしない。 しかも情に薄くて礼を失し、徳も持ち合わせていない。 諫言はことごとく退けるので、曹操が恃みにしていた重臣たちもあっけなく左遷されたり処刑されたり。 そして自分のやりたいことばかりを優先させる(前線に赴く)ので、大軍を率いて呉の征伐に向かった割には成果を得ることもなく…。 一体君は偉大な父さんのそばで何を見ておったのか! これじゃあ魏も長くは持たないはずよのう。 と思ったら、後を継いだ曹叡(曹丕の息子)がなかなか良い子で、諫言は進んで受け入れる。 やりたいことよりやるべきことを、わきまえる。 内政も、軍事も、適材適所で任せることができる。 じゃじゃじゃあ、何で司馬懿は?って思ったら、最後の最後で予兆が現れた。 建造好きで、戦で疲弊していようが、農家の繁忙期であろうが、造営のための人手が優先される。 うーむむ。 ここは諫言を聴かなかったらしいぞ。 28歳、謙虚が大事なお年頃なのに。 さて、曹操には行政手腕を買われていた司馬懿だけど、本当は軍を動かしたかった。 曹叡の代になって、曹操時代の優秀な将軍たちも年を取り、世代交代の機に乗じて蜀に対峙する軍を率いることになった。 蜀は、本当に諸葛亮しか人材がないのね。 で、彼は兵法は知っているけど戦場を知らない。 彼は大軍を率いては、大した成果も得られずに蜀に帰っていくしかない。 しかし正直にそんな事を言うと国の士気にかかわるので、小さな勝利を大手柄に、諸葛亮の作戦ミスを馬謖のせいに。 とはいえ、遠征を重ねるごとに戦というものを理解した諸葛亮と、彼を侮る司馬懿。 長期間忍耐強く向かい合い、腹を探り合い、結果ようやく蜀の勝利。 二人とも、軍師としての成長途中。 有名なあれはもう少し先ですな。 そしてついに孫権が皇帝に。 後漢の皇帝から禅譲された魏の皇帝。 劉家以外の皇帝はならぬという正論(劉家の正論だよね)を基に立った蜀の皇帝。 しかし、呉には何一つ皇帝に立つ正当性はないのだよね。 ただ今後の三国のバランスを考えて、今立っておいた方がよかろうという…。 結局後漢王朝のことを最後まで考えていたのは曹操だけなんだよね。 その曹操がなぜ皇帝に親政をさせなかったのかというと、やっぱり献帝に問題があったんじゃないかなあ。 政治的・軍事的能力の欠如というよりも、世間に対する視野の狭さというか。 保身のためなら愛妻をもサッサと切り捨てる非情さとか。 だけど劉備もそうだったし、当時はそれはさほど問題じゃなかったのかなあ。 曹操が宦官の家ので出なければ、後漢王朝はまだしばらく続いたんではないかしら。

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2020/02/20

それなりに面白かったのだが…… 筆致と言うべきなのか文体と言うべきなのか、が統一されていない気がしてならなかった。宮城谷昌光はもう老齢なので多作を維持するために、お弟子さんなど複数で執筆している気がしてならない。そのため、これまでの宮城谷作品らしく思われない描写がある。魏を高く評...

それなりに面白かったのだが…… 筆致と言うべきなのか文体と言うべきなのか、が統一されていない気がしてならなかった。宮城谷昌光はもう老齢なので多作を維持するために、お弟子さんなど複数で執筆している気がしてならない。そのため、これまでの宮城谷作品らしく思われない描写がある。魏を高く評価するため、諸葛亮及び孫権(呉)を貶めて描写するのは気にいらなかった。

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2019/08/12

曹丕って在位期間七年だったんだ…… 進軍が遅い、諫言を聞き入れないなど思いがけずパッとしないけど後継者選びを誤らないあたり。 父親の明朗さと比べてこう暗すぎないか。 諸葛亮に対して辛い。 馬謖を見誤る、馬謖を処断する決断が早すぎる、魏延、用兵が袁紹並み…… 趙雲への情緒はなんだ...

曹丕って在位期間七年だったんだ…… 進軍が遅い、諫言を聞き入れないなど思いがけずパッとしないけど後継者選びを誤らないあたり。 父親の明朗さと比べてこう暗すぎないか。 諸葛亮に対して辛い。 馬謖を見誤る、馬謖を処断する決断が早すぎる、魏延、用兵が袁紹並み…… 趙雲への情緒はなんだ。 曹叡の有能さ、諫言を聞き入れる器の広さ。 曹丕や孫権とは大違いだね! 曹操人材バンクの恩恵がまだまだある、賢臣の多さと有能な君主のタッグは強い。 と思いつつ悪癖が出てきたので喜べない。 魏延を冷遇する諸葛亮、張コウを疎んじる司馬懿、似た者同士じゃん。 赤壁での孫権の成功体験が根深い。 土盛り合戦は正直なにやってんの感あるが。 国境をつつきあっているだけともとれるがこの手詰まり感も楽しい。

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2016/08/13

老将「超雲」の強く、美しく、そして、どこか哀しい戦いぶり。 老境に至った彼の心に、劉備との出会い、関羽の生き様がよぎります。 三国志中、最高の英傑は曹操であるとしても(たぶん、そう。宮城谷さんの三国志では、間違いなく、そう)、それの逆を行く劉備がいるからこそ、この物語が単純な英雄...

老将「超雲」の強く、美しく、そして、どこか哀しい戦いぶり。 老境に至った彼の心に、劉備との出会い、関羽の生き様がよぎります。 三国志中、最高の英傑は曹操であるとしても(たぶん、そう。宮城谷さんの三国志では、間違いなく、そう)、それの逆を行く劉備がいるからこそ、この物語が単純な英雄譚に終わらず、それぞれに命の輝きを感じるものになるのでしょう。 この巻は、人間「諸葛孔明」の巻です。

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2015/10/08

第9巻の主人公は諸葛亮。 作者はこの人気キャラに厳しく、「天才軍師」の幻想を打ち払う。 「諸葛亮には天才的な軍師が必要であった」の一文を見て、笑うしかなかった。

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2015/08/04

通常、帝国の興廃は二代目・三代目にあるといってもよい。一生をかけて戦場を駆け巡った曹操・劉備の後を、魏は曹丕と曹叡が、蜀は劉禅が継承する。そして、皇帝の器量は、最早本人の武将的才覚というより、優秀な臣下を集め、働かせるかにある。 魏の二代目曹丕に対する評価はいま一つだが、鍾繇、...

通常、帝国の興廃は二代目・三代目にあるといってもよい。一生をかけて戦場を駆け巡った曹操・劉備の後を、魏は曹丕と曹叡が、蜀は劉禅が継承する。そして、皇帝の器量は、最早本人の武将的才覚というより、優秀な臣下を集め、働かせるかにある。 魏の二代目曹丕に対する評価はいま一つだが、鍾繇、陳羣、華歆、そして司馬懿といった多士済々に支えられているのが魏の強さ。この時代、魏は軍事的拡張を遂げた訳ではないが、内政的には充実していったのだろうと推測できる。国を支えるのはそのような臣たちなのだ、という陳寿の心の叫びが聞こえてきそうだ。 一方、呉と蜀には人がいない。呉は周瑜・魯粛の時代に大きな成功を収めて以降、長い停滞期が続く。蜀には孔明がいるが、逆に言えば孔明しかいない。ただでさえ国を支える人材が乏しい辺境にあって、人を育てることができないのが劉禅-孔明体制の弱点である。三国志演義が「出師の表」あたりから悲観調を強めるのは、さすがに史実を無視できないからだろう。

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2014/09/10

【敗因をつくった部下を処刑する諸葛孔明】「出師の表」を書き魏討伐の軍を発した孔明。しかし馬謖の失敗で惨敗、孔明は目をかけていた馬謖を誅す。激動の第9巻!

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2014/03/01

今回は、第一次北伐から まで。 宮城谷さんは、孔明を真正面から鋭く抉っていきます。 少し酷評かなとも思わないでもありませんが、作者の これまでの作品の主人公と比べると確かに劣るかもです。 ですが、そういった、巷の「三国志」とは違う観点が 宮城谷三国志の醍醐味です。 今回の白眉...

今回は、第一次北伐から まで。 宮城谷さんは、孔明を真正面から鋭く抉っていきます。 少し酷評かなとも思わないでもありませんが、作者の これまでの作品の主人公と比べると確かに劣るかもです。 ですが、そういった、巷の「三国志」とは違う観点が 宮城谷三国志の醍醐味です。 今回の白眉は、残念ながら、なし

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2014/01/01

もう前巻までの話を忘れちゃったよ。 劉備亡き後の蜀と魏の争いから、燕の公孫淵の自立に向かう話まで。 諸葛亮の軍略のまずさなど、従来の三国志にはない具体的な書き方。相変わらず本当に細かいマイナーな人までフィーチャーしている。

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2013/12/31

街亭の戦い。「泣いて馬謖を斬る」がどんな風に描かれるのかと思いきや、これが全くさっぱり。笑って敵兵の作業を蔑視しているうちに勝機を逃してしまった。理論だけ口先だけで実戦経験がなかったということ。諸葛亮にしても内政には破綻がなかったが、軍事においては全くの常識人。演技のような虚を実...

街亭の戦い。「泣いて馬謖を斬る」がどんな風に描かれるのかと思いきや、これが全くさっぱり。笑って敵兵の作業を蔑視しているうちに勝機を逃してしまった。理論だけ口先だけで実戦経験がなかったということ。諸葛亮にしても内政には破綻がなかったが、軍事においては全くの常識人。演技のような虚を実として実を虚とする玄妙な用兵は全然なかった。用兵と戦略が漸く地に足がついたのは武都と陰平の攻略あたり。これが実相。諸葛亮に抱いていた思いが急速に自分の中で醒めていくのを禁じえなかった。

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