私たちには物語がある の商品レビュー
角田さんの「読書感想文集」。この本には、100人を越える作家の著作への感想文が収められているが、著者は当時も今も異なる意味で「小説の世界は、気の遠くなる途方もない世界」だと思っている。当時は無知でひよっ子な心細さ、いまは、沢山読んで力をつけた自分にとって、広大無辺かつ未知の世界を...
角田さんの「読書感想文集」。この本には、100人を越える作家の著作への感想文が収められているが、著者は当時も今も異なる意味で「小説の世界は、気の遠くなる途方もない世界」だと思っている。当時は無知でひよっ子な心細さ、いまは、沢山読んで力をつけた自分にとって、広大無辺かつ未知の世界を前にした高揚感。本を読むことで、著者は「じつに膨大な、幸福な時間を過ごしてき」て「本がある世界の幸福を噛みしめるようになった」という。同感にして共感!この本の題名と美しい装丁に、著者とスタッフの本に対する愛情を感じた。
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奇しくも作者があとがきで書いているように、自分が読みながら感じたのも、『書評ってか感想文に近いな』っていうものだった。特に新聞掲載されたものに傾向は顕著で、極論すれば、その中から読みたくなったものはひとつもなかった。粗筋紹介の割合が多過ぎると感じたんだな。一方で、文芸誌などからの...
奇しくも作者があとがきで書いているように、自分が読みながら感じたのも、『書評ってか感想文に近いな』っていうものだった。特に新聞掲載されたものに傾向は顕著で、極論すれば、その中から読みたくなったものはひとつもなかった。粗筋紹介の割合が多過ぎると感じたんだな。一方で、文芸誌などからの、ある程度の尺をもって推薦されている諸々においては、たまに”これは!”って思えるのもあった。それでも数多読んだ書評集の中では打率が低い一冊といえる。著者のものした小説は、好きなものが多い気がするんだけど…
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※このレビューにはネタバレを含みます
角田さんの本に関するエッセイと感想文集。 川端康成、尾崎翠から、伊坂幸太郎氏、三浦しをん氏等、実に様々なジャンルの本の感想があり、今後の本選びの参考にしたい。 太宰治の『斜陽』で、10代の頃全く理解出来なかったのに、30代半ばに再読して、その世界観にのめり込んだエピソードにとても共感した。 サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』のホールデンのことをパンクだとし、大人になるための通過儀礼と言い切る。 若い頃、好きな男の子が『ライ麦畑……』を読んだことがないと分かり、彼に対する想いが急激に冷めたエピソードには笑った。
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角田さんの書評が集まった1冊でしたが読んだ本や、ちょっと気になっていた作家さんの書評があって新たな発見がありました。
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なんて希望に満ちたタイトル。とてつもなく大きな味方を得たような気持ちになる。 面白くなかったらやだな、という理由からあまり新しい作家に手を出す勇気がなかったけれど、著者の読書感想文集にはあらゆる作家の多様な作品の魅力がぎっしり詰まっているので、読みたくなった本をメモしながら読んだ...
なんて希望に満ちたタイトル。とてつもなく大きな味方を得たような気持ちになる。 面白くなかったらやだな、という理由からあまり新しい作家に手を出す勇気がなかったけれど、著者の読書感想文集にはあらゆる作家の多様な作品の魅力がぎっしり詰まっているので、読みたくなった本をメモしながら読んだ。熱意がこもった読み応えのある読書感想文だった。 読みたい本が大量になってしまって大変。とてもうれしい。
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角田さん曰く「読書感想文」とのことだけど、読書愛溢れる書評集。自分が全然知らなかった作家さんの本や、最近ご無沙汰している作家さんの本など、読みたい本が増えてしまった。時間や金銭面などで制約はあるものの、自分の好きな本を読むことができるって幸せなことなんだなあって気付かせて貰えまし...
角田さん曰く「読書感想文」とのことだけど、読書愛溢れる書評集。自分が全然知らなかった作家さんの本や、最近ご無沙汰している作家さんの本など、読みたい本が増えてしまった。時間や金銭面などで制約はあるものの、自分の好きな本を読むことができるって幸せなことなんだなあって気付かせて貰えました。私も読書ハイ体験してみたい!
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「書評集・感想文集(角田氏曰く)」の類は、ついつい買ってしまって、新しい本に出合うきっかけでもあったけど、ここ最近は少し食傷気味で、なるべく手に取らないようにしている。 この本も数年前に手に入れて、途中まで読んでそのままだった。今回、本棚整理中にすべてに目を通す。 少し年...
「書評集・感想文集(角田氏曰く)」の類は、ついつい買ってしまって、新しい本に出合うきっかけでもあったけど、ここ最近は少し食傷気味で、なるべく手に取らないようにしている。 この本も数年前に手に入れて、途中まで読んでそのままだった。今回、本棚整理中にすべてに目を通す。 少し年月が経過している感想文が多いけれども、「佐野洋子」氏の書籍を一度読んでみようかなぁと思ったきっかけにはなりました。
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若くしてデビューした直後、編集者やら先輩作家やらの容赦ない指摘によりあまりにも読書体験の少なかった自分を知り、書評に類する仕事をいっさい断らないと決心したそうです。 なんとたいへんな決意を…! (現在ではお仕事の許容量を超え、さすがに断念されたもよう) まじめで誠実で善意にみち...
若くしてデビューした直後、編集者やら先輩作家やらの容赦ない指摘によりあまりにも読書体験の少なかった自分を知り、書評に類する仕事をいっさい断らないと決心したそうです。 なんとたいへんな決意を…! (現在ではお仕事の許容量を超え、さすがに断念されたもよう) まじめで誠実で善意にみちた文章がならぶ。 本当に本当に、本のある世界でよかった。 心から同意します。
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角田さんの小説は読んだ事はないが、この書評集から角田さんの人柄が伺えた。 本好きには共感ポイントが満載。 「再読」の意義を考えさせられる一冊となった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
書評集。取り扱い数はなんと150冊! どうやら2003年から2009年まで連載されてた?書評を まとめたものが入っている、書評というよりは感想文 作家さんのこれだけの感想文を読むことはなかなかないので面白かった 作家になったときに自分が読んでる本が少なすぎたので 書評の仕事は絶対断らないと決めた、のでこの冊数になった模様 ご本人曰く、仕事の性質上、新刊ばかりなのが残念だ、 ということ、古典もこういうのやってもらえたら嬉しい 個人的に角田さんのエッセイって酢の物っぽい、さっぱりしてる 今回の書評集を読んで再認識したけれど 別れた男性とは別れた後も会う、というのを この本で知り納得、うんうんそんな感じ
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