待ってる の商品レビュー
「待ってる」 帰ってきた家には。 頼らないために選んだ道だったとしても、一言ぐらい書き置きを任せても良かったのではないのか。 「小さな背中」 守りたかった子供。 今までとは違う生活で衣食住が確約され幸せだったとしても、自分を見てなければ悲しいだろう。 「仄明り」 簡単に貸した...
「待ってる」 帰ってきた家には。 頼らないために選んだ道だったとしても、一言ぐらい書き置きを任せても良かったのではないのか。 「小さな背中」 守りたかった子供。 今までとは違う生活で衣食住が確約され幸せだったとしても、自分を見てなければ悲しいだろう。 「仄明り」 簡単に貸した金は。 悪評を聞いたことがあるのであれば、信じていなかったとしても二人きりになるのは危険だろうに。 「残雪のころに」 再会した幼なじみ。 普段ならば直ぐに気付けたのだろうが、疲れ切った心で本心を暴くことは誰にでも難しいだろうな。 「桜、時雨れる」 殺す道具ではなく。 偶然連れられた先だったとはいえ、興味を持てるものに出会うことが出来たのは幸運だったかもな。 「雀色時の風」 遠目から見ただけ。 幸せでやっているのなら諦めがつくかもだが、迎えにきてもらえなかった悲しみだけは残るだろう。 「残り葉」 厳しい修行に耐え。 教えれることはないというが、生きてきた年月が違うのだから全てなど一生かかっても無理だろう。
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202207/料理屋橘屋を舞台にした連作短編集。この表紙絵とタイトルが好みじゃなくあまり期待せず読んだけど面白かったし、読後はこのタイトルの重みがわかりグッときた。
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あさのあつこさんの時代小説、何冊目か? 特に、女性が主人公のものは読みやすく思う。 今回は、橘屋という料理屋にかかわる人々の物語。一周回ってうまく着地した感じの読後感。ただし、ちょっと寂しい感じはした。 またもキャスティングをいろいろ想像してみたが、書いてある年齢より、もう少し年...
あさのあつこさんの時代小説、何冊目か? 特に、女性が主人公のものは読みやすく思う。 今回は、橘屋という料理屋にかかわる人々の物語。一周回ってうまく着地した感じの読後感。ただし、ちょっと寂しい感じはした。 またもキャスティングをいろいろ想像してみたが、書いてある年齢より、もう少し年上の人たちの方がしっくりくるんじゃないかと思ったり・・。
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あさのあつこさんの時代小説を始めて読んだ。 時代物は宮部みゆきさんの物ばかりで、あまり他の作家さんのは読んだことがなかった。 宮部さんはのは、悲しい事件があったとしても、そこにほんわかとした人情面が前面に出されている感じがするが、あさのさんのは、江戸に生きる底辺層の人々の生活の厳...
あさのあつこさんの時代小説を始めて読んだ。 時代物は宮部みゆきさんの物ばかりで、あまり他の作家さんのは読んだことがなかった。 宮部さんはのは、悲しい事件があったとしても、そこにほんわかとした人情面が前面に出されている感じがするが、あさのさんのは、江戸に生きる底辺層の人々の生活の厳しさや零落していく様がキッチリと描かれている気がする。 江戸時代は人情が溢れていていいなぁ、という単純な思いより、厳しくも逞しく生きる人々への尊敬の念を抱かせられる、そんな作品だ。 2018.6
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2017/9/30 仕事中にビンタでしばかれてんのが現代人の私にはひえぇぇ~ってなるけど概ねいい話。 でもしばかれる度に現実に戻っちゃうの。 しばかれる描写邪魔やったわ。 お多代さんはかっこいいんだけどね。
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面白かった。 あさのあつこさんは時代小説も書くのか!と思いつつ手に取った一冊。 料亭橘屋をめぐる物語。 各話、切ない内容だが、芯が通ってしっかりした内容。 お多代の存在が大きい。
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料理屋「橘屋」を舞台に、仲居や下働きの女達それぞれにまつわる物語。 とくに、3つの話に主人公として登場するおふくの成長譚ともなっていて、人情話として面白い。でも男達にいまいち魅力がないのが残念。
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「じつに切ない、しかし凛とした余韻が読後にしみじみと広がっていく。読んでよかったと、心から思える一冊だ。」(解説の山前譲氏の冒頭の言葉です) 私もまったく同感です。あさのあつこさんの「待ってる」・・・、この作家、この作品を紹介いただいた読友さんに大感謝です!
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病が即、生活や人生の危機になり、お金のために女性が売られたりする時代・・・ 料理茶屋「橘屋」を舞台に、交錯する人々の生き方・歩み方を描き出す連作小説。 それぞれの女性(だけじゃないけど)の哀しさの中にある凜とした強さが心に残ります。 物語の中心は、仲居頭のお多代と幼くして奉公に...
病が即、生活や人生の危機になり、お金のために女性が売られたりする時代・・・ 料理茶屋「橘屋」を舞台に、交錯する人々の生き方・歩み方を描き出す連作小説。 それぞれの女性(だけじゃないけど)の哀しさの中にある凜とした強さが心に残ります。 物語の中心は、仲居頭のお多代と幼くして奉公に出たおふくだけど、本当の主人公は、彼女たちに生きる場を与えた「橘屋」そのものかも。
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7話の連作小説。 深川元町の料理茶屋の『橘屋』の仲居頭のお多代が、凛としながらも、媚もなく、仕事のしかたを、指導して行く姿に、教える立場の上手さに、感心させられる。 何もわからない仲居、下働きの人に、手もあげるが、人を見る目が、超越していて、また、人情味あふれている。 おふくもそ...
7話の連作小説。 深川元町の料理茶屋の『橘屋』の仲居頭のお多代が、凛としながらも、媚もなく、仕事のしかたを、指導して行く姿に、教える立場の上手さに、感心させられる。 何もわからない仲居、下働きの人に、手もあげるが、人を見る目が、超越していて、また、人情味あふれている。 おふくもその一人であるが、父親の借金で、夜逃げしてしまい、それを、橘屋で、ただただ、年季奉公の終わるのを待つ身であったのが、最後の「残り葉」で、病気のお多代を、看とるから、、、と、話す。 これで、題名の「待ってる」おふくが、待つと言う受け身から、離脱するのである。
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