さみしかった本 の商品レビュー
図書館にある一冊の本目線の物語。足繁く図書館を利用していると、すごく読み古された本から、誰もまだ借りていないんじゃないかしらという本まで様々ある。この物語に登場する本は新しいうちは人気があったのに、年月が経って古ぼけてからは誰からも借りられなくなった。読んでもらえる人を待っていた...
図書館にある一冊の本目線の物語。足繁く図書館を利用していると、すごく読み古された本から、誰もまだ借りていないんじゃないかしらという本まで様々ある。この物語に登場する本は新しいうちは人気があったのに、年月が経って古ぼけてからは誰からも借りられなくなった。読んでもらえる人を待っていた本と、本が大好きな少女の出会いが優しく描かれていて、さみしい本がさみしかった本になっていく、心温まる素敵な絵本だった。本が好きでも際限なく買うことは中々難しいので、図書館という場所が在るのは本当に有難いことだと改めて思う。
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〝ある日、図書館に新しい本が1冊はいりました。鶯色の表紙で、森のなかの大きなキノコの下で、女の子がひとりで立っている絵が描いてあります。この本は沢山の子どもたちに人気があって、読んでもらうたびに、本は幸せな気持ちでいっぱいでした。でも、年月がたち、古ぼけてしまうと、もう誰にも読まれなくなり、寂しくてたまらなくなりました。ひとりの少女が、この本を見つけて、ページをめくってくれるまでは…〟本が大好きな少女と「さみしかった本」との幸せな出会いが、穏やかであたたかい気持ちを育んでくれる絵本です。
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図書館の本の運命というものを考えてしまいました。新刊として、次から次へと借り出され、いろんなタイプの読者に出会う。そのうちに、他の人気本に押されて、だんだん借りられなくなってきて、書架で、そのうち書庫で過ごすようになる。遂にはリサイクルされてしまう。この本は、ずっと好きでいてくれ...
図書館の本の運命というものを考えてしまいました。新刊として、次から次へと借り出され、いろんなタイプの読者に出会う。そのうちに、他の人気本に押されて、だんだん借りられなくなってきて、書架で、そのうち書庫で過ごすようになる。遂にはリサイクルされてしまう。この本は、ずっと好きでいてくれたアリスのもとに落ち着くことができた、幸せな本。もうさみしくありませんね。 アリスは、広い好奇心と自分の原点に繋がる「好き」をバランス良く備えた賢い子だなぁ。
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表紙の女の子の表情がとても好きです。 本を読む人の表情って… 老若男女問わず みんなこんな顔をしているんじゃないかな。 なんて思いました。 この絵本は、とある本と女の子の出逢いを描いたものです。 この女の子と本との出逢いほどではなくても、 運命的な本との出逢いは、 本を読む人...
表紙の女の子の表情がとても好きです。 本を読む人の表情って… 老若男女問わず みんなこんな顔をしているんじゃないかな。 なんて思いました。 この絵本は、とある本と女の子の出逢いを描いたものです。 この女の子と本との出逢いほどではなくても、 運命的な本との出逢いは、 本を読む人には 訪れるもののように思えます。 私にとっては、どうだろう…… 『みどりのゆび』 は、何度も何度も学校の図書室で借りてきた 大切な本です。 その他にも 手元にはもうなくても、 時折思い出しては、 あたたかい気持ちになる本もありますね。 この絵本を読んで、 本のある生活を送ってこれたことを しみじみと良かったな… と思いました。
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この作品は、「5552」さんの感想から出会うことができました。 「5552」さん、いつもありがとうございます。 タイトルが過去形で良かったなと、本当に思う。 紗のかかったような独特な絵柄に味があり、ノスタルジックで温かい雰囲気を感じながら、読んでいくと・・・内容としては、長く...
この作品は、「5552」さんの感想から出会うことができました。 「5552」さん、いつもありがとうございます。 タイトルが過去形で良かったなと、本当に思う。 紗のかかったような独特な絵柄に味があり、ノスタルジックで温かい雰囲気を感じながら、読んでいくと・・・内容としては、長く図書館で誰にも借りられずにいた本に、アリスが興味をもって借りるという、シンプルなおはなしなんだけど、何故だろう。すごく、私の胸にこみ上げてくるものがある。フレーズも素敵で、 「こんなすてきな本、見たことないわ。かりていっていい?」 「きょうは このたなで ねむるんだな、とおもうと、本は うれしくて たまりませんでした」 「ここはきっと めでたしめでたしでおわるのよね」 アリスの本に対する、こまやかな愛情をこれでもかと感じてしまう私。お子さんが読めば、すごくうれしい気持ちになると思うのだけど、おそらく、本を別のなにかに例えたりしだすと、妙に本に感情移入してしまい、アリスの、とめどのない、本にそそがれるやさしさには、泣きそうになる。 雨が降ってきた場面での、本の表紙の女の子の涙は、大人へのメッセージにも捉えられるし、絵本だけど、老若男女問わず、本の好きな方にお勧めできる、やさしい気持ちになれる作品だと思います。 特に、いつまでも大切にしている本のある方には、きっと心に響くものがあると思います。 本をうれしそうに掲げてるアリスの絵が好き。
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表紙をめくると、‘これは◯◯◯◯◯の本です’と、○の部分に自分の名前が書き込めるようになっている。 あー、そうだそうだ、子供のころは自分のものには全部名前を書いていたっけ、一年二組○○○○○みたいに。 なんだか嬉しかった。 あなたは‘これは自分の本’といえるような、そんな特別な...
表紙をめくると、‘これは◯◯◯◯◯の本です’と、○の部分に自分の名前が書き込めるようになっている。 あー、そうだそうだ、子供のころは自分のものには全部名前を書いていたっけ、一年二組○○○○○みたいに。 なんだか嬉しかった。 あなたは‘これは自分の本’といえるような、そんな特別な本を持っているだろうか。 図書館で何度も借りてしまうような、家の本棚に何十年も差さっているような。 そんな‘特別な本’とある本好きな少女の物語。 表紙の絵が好き。 お気に入りの場所で、窓から差し込む太陽光で本を読む。 棚の上には、いつでも読める大好きな絵本が見守っている。 こんな幸せな状況ってない!(断言)
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ある日、図書館に新しい本が入ってきました。森のなかで女の子がひとり、大きなキノコの下に立っている絵が表紙の本。たくさんの子供達に借りられてきました。 けれど時がたち、本はいつしか古くなり、最後のページは取れ、あまり借りられなくなっていきました。本はさみしくなりました。 そんな時、本はアリスと出会いました。 アリスはお父さんに読み聞かせしてもらい、自分でもベッドの中で読み、妖精たちの夢をみながら眠りました。 何度も読んで大切に扱ってきたけど、図書館に返したら、そこから行方不明になってしまった。実は、リサイクルにまわすために地下室に持って行かれてしまったのでした。 本もアリスに会えなくてさびしい思いをしていたけれど、リサイクル図書をセールに出す日、またアリスと出会えたのでした。
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「本」冥利に尽きる… 「本」になったことはないけれど。 あたらしかった本があたらしくない本になり、 さみしかった本がさみしくない本になるまでの紆余曲折。 結末を想像できるのだけれど、それでも、 「ほっ」と胸をなで下ろしてしまう。そんな結末。 表紙が色あせても、 ページが破けても、 最後のページがとれてしまっていても。 女の子にとっては「かえのきかない その本」 この本の最後のページはとっても幸せなページです。
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【図書館で】本の行く末ってどんなんだろう。破けてしまってもページが取れても大事にされる本はたくさんあるんだろうな、と思いました。1冊の本を大切にすること、大事だと思います。
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