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異体字の世界 最新版 の商品レビュー

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2024/12/01

むずかしいよう けど、読んだ後に「この漢字たしか異体字だったような…」と文章を読んだ時の発想の引き出しが1個増える感覚がして楽しくなる 篆書と隷書の違いを確認するところから、今使われてる常用漢字表が成立するまでの歴史を知れる。 手書き文字の揺れ(適当加減)によってさまざまな「サイ...

むずかしいよう けど、読んだ後に「この漢字たしか異体字だったような…」と文章を読んだ時の発想の引き出しが1個増える感覚がして楽しくなる 篆書と隷書の違いを確認するところから、今使われてる常用漢字表が成立するまでの歴史を知れる。 手書き文字の揺れ(適当加減)によってさまざまな「サイトウさん」が誕生してしまったの、あまりにもだよ〜

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2024/02/20

読書放棄。 そもそも漢字を手書き(毛筆)で書き表す際に、筆の運びの違いから、いくつかの字体が生じた。そこで古代中国よりどれが正しい字体(正字)なのかを時の権力者(政府)が定めてきた。そこに登録されなかった字体が「旧字・俗字・略字」となった。しかし、日本では、明治時代以来、時代に...

読書放棄。 そもそも漢字を手書き(毛筆)で書き表す際に、筆の運びの違いから、いくつかの字体が生じた。そこで古代中国よりどれが正しい字体(正字)なのかを時の権力者(政府)が定めてきた。そこに登録されなかった字体が「旧字・俗字・略字」となった。しかし、日本では、明治時代以来、時代によって「正字」の定義が変わってきたため、さらに混乱が生じてきた。という話だと理解するのだが、集中力が続かず挫折。 「崎」と「嵜」。今ではこのように簡単に表記される。思えば、原付バイクの免許を取った時は、代書屋の和文タイプに「嵜」のフォントが無く、その部分だけ手書きの免許書だった。いや、免許書は代字の「崎」だったか。高校時代の名簿は間違いなく、「嵜」のフォントが無く、そこだけ手書きだったため「寄」と誤認された。普通自動車免許を取得した時は、パソコン(DTP)が普及し、何の問題もなく記載された。

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2023/09/17

常用漢字が選ばれるまでから人名漢字をデータに落とし込む混乱、ケータイからスマホへ進化し続ける文字入力の流れを漢字の視点から解き明かしていく漢字百科。 文面内をひたすら漢字が泳いでいく特殊な文庫本。→ 漢検二級を取得していて、いつかは準一級を目指そうかと思っていた頃に買って積んで...

常用漢字が選ばれるまでから人名漢字をデータに落とし込む混乱、ケータイからスマホへ進化し続ける文字入力の流れを漢字の視点から解き明かしていく漢字百科。 文面内をひたすら漢字が泳いでいく特殊な文庫本。→ 漢検二級を取得していて、いつかは準一級を目指そうかと思っていた頃に買って積んでいた本。 思っていた以上に漢字しかなくて途中少し挫けかけたけど(森鷗外の漢字あたりは面白かった)後半、「機種依存文字」の話からはグイグイ引き込まれた。文字化けってそういう理由だったんだ!!→ それにしても、昭和初期の漢字文化、マジで混乱してたんやな。 識字率を考えたら分からんでもないが、明治あたりやとわりと適当に新しい漢字作ってる。この漢字はここが書くのめんどくさいから略してみた、みたいな感じでコロコロ変わってる。 あと、上下左右がひっくり返るのもマストなんもびっくり。

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2024/01/01

愚痴は多いし、漢字の説明は雑  著者は漢字(活字)の氾濫が気に入らないらしく、文句が多い。「辶=しんにょう」に関してひとこと言ひ、鬱よりも「欝」を採用しろと垂れ、印刷字体と手書きは違ふのだからと書きつらね、挙句のはてに、教育上の観点から常用漢字表の復古(剝頰惧嘲捗嗅塡など)を嘆く...

愚痴は多いし、漢字の説明は雑  著者は漢字(活字)の氾濫が気に入らないらしく、文句が多い。「辶=しんにょう」に関してひとこと言ひ、鬱よりも「欝」を採用しろと垂れ、印刷字体と手書きは違ふのだからと書きつらね、挙句のはてに、教育上の観点から常用漢字表の復古(剝頰惧嘲捗嗅塡など)を嘆く。  しかも、その理由がカナモジカイや、ローマ字会みたいに、漢字は画数がすくないほうがいいし、なるべく使はないほうがいいといふものでしかない。  そのせいか、ひとつひとつの漢字の説明はあっさりし過ぎてゐる。全体としてただ漢字を列挙してゐるだけに見える。  「■字源主義の悩ましさ」の項目の、勺や戸・亡・空などは字源主義と関係がないし、「■戦後民主主義の終焉」といふ題も意味がわからない。また、私は必ずしも漢字を簡単にすべきだとは思はないが、皈や欝を使った方がよかったといふ著者の意見がなにやら愚痴にしか見えないのは気のせいだらうか。  著者はJIS漢字に関ってゐたから、むしろ電子化については特に力がこもってゐるが、ただそれだけだ。

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2020/01/13

令和の世に生きる大半の人は、当用・常用で育っており、歴史・文化系の研究者、システム、出版・印刷、フォントの専門家でもなければ、異体字なんて面倒のもとでしかないのだが、漢字の沼に踏み込んでいくと、その面白さに抜け出せなくなるのだろうな、と伺い知れる本。

Posted byブクログ

2019/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み進めるほどに、漢字の深淵、悪く言うならドツボ、に嵌っていくのが分かる本。 とりあえず、「わたなべ」の「なべ」の字が実は50種類近くあるということを初めて知った。 著者はご丁寧にもこの50種類近い「なべ=辺=邊=邉=そのほか沢山」を全て列挙してくれているので(82ページ)、興味があるならそこだけ見てみるのもいいだろう。もはや間違い探しの域であり、目が痛くなってきたら老眼鏡を考えるべき歳になったと自覚できる。 これに限らず、全編を通じて出てくる異体字の中で、「これとこれのどこが違うのか?」が分からないような微妙な差異のものはたくさんある。それをすべて生き残らせ、データとして打ち出せるのだから今のPCは凄い。 偉い人たちがこれまでどのようにして「正しい漢字」を定めようと努力し、そして対処しきれずにきたかという、国語史を知るにも有用。 出てくる異体字が膨大なのと、当然ながら全編通じて漢字ばっかりなので一気に読むと鬱になるが、本棚に置いておいて時折、適当に開いたページをパラパラ読むのが正解だと思う。 勉強になったのは、漢字は書いているうちに圧縮が起こるということ。たとえば「麻呂」。縦書きで書いているうちに圧縮され「麿」という一文字になってしまった。 また、人名に異体字が非常に多く、今でも使われ続けている理由として、著者は「漢字というよりロゴタイプのようなものである」という説を提示している。ロゴならば確かに、「他者と違う自分だけのもの」という主張になり、アイデンティティにもなる。いわゆる「一般的ではない漢字」を苗字や名前に使っているのは、こういう心理が働くからかもしれない、と腑に落ちた。 それと、女優の「武井咲」の「咲=えみ」が実はキラキラネームでもなんでもなく、「咲」と「笑」が元は同じ意味を表していたので、当然の如く「咲」を「えみ」と読んでも差し支えないのだ、ということ。今まで、これを知らずに「キラキラネームだな」と思っていたので、直接の面識はないのだが会う機会があったら武井咲にこれまでの誤解を謝罪したいと思う。

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2014/05/31

例えば渡辺渡邉渡邊で「辺邉邊」と、同じ用途、意味、読み方でも形が異なる書体があります。 それらを異体字とし、水準漢字のなかから異体字てある文字をひたすら集めて紹介した本です。 まあもとから文字というものは手書きであり、書き間違い、簡略化、書き手のくせなどで微妙に異なってしまうのは...

例えば渡辺渡邉渡邊で「辺邉邊」と、同じ用途、意味、読み方でも形が異なる書体があります。 それらを異体字とし、水準漢字のなかから異体字てある文字をひたすら集めて紹介した本です。 まあもとから文字というものは手書きであり、書き間違い、簡略化、書き手のくせなどで微妙に異なってしまうのは当然です。 そして、その後戸籍制度などの正式表記の必要性がある制度の確立、また活字やパソコンなどの開発による新書体の開発、そしてはたまた乱立する表記法を改善するための標準の制定など、様々な原因により、正しい文字とその異体字が乱立していくのであります、ということが嫌でも理解できる本です。 日本語の表記について細かい事を気になさる方がおりますが、こういうことを解っておくと、あんまりうるさいことを気にしないおおらかな性格になりますよ。 もうほんと、把握できない量の異体字がでてきますから。 また、これをもって漢字の不完全さを指摘し、アルファベットの簡便性に憧れる向きもありましょう。 しかしアルファベットだって、aの書き方について今でもいくつもあるんですから、どこもまあ文字、言葉ってのは把握できないナマモノですね。 逆に、こんなに様々な表記があるものを凡て同じ文字として認識する、人間の認知について非常に興味が湧きました。

Posted byブクログ