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「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい の商品レビュー

3.9

45件のお客様レビュー

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2014/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルは、死刑制度廃止の意見への反論に対してのもので、訊きたいのは「被害者遺族のための死刑制度ならば、遺族が存在しない天涯孤独な人が殺されると刑は軽くてよいのか?」ということ。 死刑制度、刑罰の厳罰化、犯罪やテロ対策、竹島や尖閣など、世間の常識や期待、正義などの危うさ(暴走)、それにおもねるメディアの実情に意識を向けさせられる。 著者の意見は、自身が気にしないといいながら何度も触れるようにブサヨ(ぶさいくな左翼の意?)、お花畑満開(理想論の意?)という批判もあるように、一面的な意見だと感じられるが、問題意識の切り口としては必要な情報だと受け止めた。 14-18

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2014/02/02

 「推定無罪の原則」や「残酷な刑罰を禁じる」憲法や世界人権宣言・・・その他の諸権利を獲得するまでに世界中で流された血と、その時間を考えれば、死刑制度や日本のマスコミの犯罪報道に違和感を感じるのは当然であろう。その違和感の正体を著者は考え抜いていく。紹介されるノルウェーの現実はすご...

 「推定無罪の原則」や「残酷な刑罰を禁じる」憲法や世界人権宣言・・・その他の諸権利を獲得するまでに世界中で流された血と、その時間を考えれば、死刑制度や日本のマスコミの犯罪報道に違和感を感じるのは当然であろう。その違和感の正体を著者は考え抜いていく。紹介されるノルウェーの現実はすごい。ノルウェーには死刑も終身刑も無期懲役もない。望めば刑務所内で大学教育まで受けることが出来、出所の際には住居と仕事が提供される。11年71月のオスロの政府庁舎の爆破、郊外の島で起きた銃乱射事件を経てもなお、死刑の復活や厳罰化を望む声はないのだという。「罪を憎んで、人を憎まず」ということか。これもまた、人類が到達した地平なんだけど・・・・。

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2014/01/26

当たり前のことを当たり前に発信することが怖い社会になりつつあるような気がします。勇気とは何かということも考えます。

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2014/01/24

惑わされず自分で判断することの大切さ。 物事の裏をきちんと理解して 惑わされず判断したいです。

Posted byブクログ

2014/01/24

初出が2007年、2009年だったりするので、それを考えながら読みました。 僕は、森氏の「視点のずらし方」が好きです。刺激になりました。

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2014/01/15

賛否を問うのではなく、論理的思考とはどのようなものなのかを知るためにより多くの人が読めばいいと思う。 引用が多用されているようにも感じられるだろうけど、より客観的であろうとする試みとして受け入れられる。 死刑の是非を考えるテーマで、非常に考えさせられた引用があった。命は罪を償う手...

賛否を問うのではなく、論理的思考とはどのようなものなのかを知るためにより多くの人が読めばいいと思う。 引用が多用されているようにも感じられるだろうけど、より客観的であろうとする試みとして受け入れられる。 死刑の是非を考えるテーマで、非常に考えさせられた引用があった。命は罪を償う手段として利用されるべきではないというもの。確かに、罪は償えない。時間を戻せないのと同じ。加害者の死の執行と、被害者の死の取消とどちらを望むかは明らかだ。

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2013/11/30

本書の題名を、貴方にこそ言いたい。上杉氏との対談本をよんでいてなんかしっくりこないこんじがあった理由が今分かりました。

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2013/11/26

最近は、森さんの書かれるものを読むと、ああ、また火の中の栗を拾ってるなあと思う。そして、いったいいつ頃から、こういう発言をするのにやけどをする覚悟がいるようになったのだろうか、とも。 死刑制度、領土問題、北朝鮮、厳罰化、オウムについてなどなど。森さんの言っていることはとても説得...

最近は、森さんの書かれるものを読むと、ああ、また火の中の栗を拾ってるなあと思う。そして、いったいいつ頃から、こういう発言をするのにやけどをする覚悟がいるようになったのだろうか、とも。 死刑制度、領土問題、北朝鮮、厳罰化、オウムについてなどなど。森さんの言っていることはとても説得力があり、全面的に賛成とは思わなくとも、傾聴に値する。自分はどう判断するのか、考える機会をあたえてくれる。日頃マスコミを通じて大量に流される情報を、いかに無自覚に受け取っているか気づかされて、反省する。 自分の気に入らない人(有名無名にかかわらず)を、読むのもイヤになるような汚い言葉で罵倒したり、プライバシーを暴露したりすることが、当たり前のように行われるようになってしまい、危うそうなことは言わないに限るという空気がどんどん広がっていると思う。新聞の投書欄から住所を突き止められて嫌がらせをされることまで起こっている。 いやだなあと思うニュースには事欠かないけれど、ストーカーに殺された女子高生が死後にまで徹底的に蹂躙されたこと、ヘイトスピーチデモが拡散していること、この二つには何と言っていいかわからない激しい憤りを感じた。おそらくその多くは普通の生活を送っているであろう市井の人が、ここまで品性下劣になれるのか。山の中に「新しい村」でも作りたくなる。 まあ、そういうわけにはいかないから、せめてものこと、自分で考える。そして、情けなくなるほどささやかなことではあるけれど、お互いを尊重する関係を身の回りで作っていく。これだって結構難しかったりするのだ。いやほんとに情けないけれど。 本書を読むと、著者の森さんをはじめ、バッシングや葛藤にめげず、行動し発言する人が必ずいるということも、またよくわかる。心に残って離れないのは、大阪在住であるノルウェー人の女性のメールだ。2011年に起きた銃乱射事件でこの小さな国は大きく揺れた。それでもノルウェー社会は、厳罰化に転換することなく、寛容な姿勢を貫いている。事件の翌日、犯人の母親が事件現場に花を手向けに来たとき、遺族たちは静かに献花を見守ったそうだ。罵声を浴びせる人などなかったという。これが日本なら…、と思わずにはいられない。

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2013/11/23

ネットで非国民、売国奴、ブサヨと非難される森達也さんの連載をまとめた本。 タイトルにおよそ内容が凝縮されてしまっています。 善意は陶酔しやすく、一方向に加速する。今日もネットにはたくさんの、誰が誰に対して向けているのかわからない善意があふれています。怒りも同じ。 ただ森はニーメラ...

ネットで非国民、売国奴、ブサヨと非難される森達也さんの連載をまとめた本。 タイトルにおよそ内容が凝縮されてしまっています。 善意は陶酔しやすく、一方向に加速する。今日もネットにはたくさんの、誰が誰に対して向けているのかわからない善意があふれています。怒りも同じ。 ただ森はニーメラーの警句を引用し、そしてそれについて解説を加えない。読むたびにいろいろ思う、考える、とだけ述べて。 反射的に水に落ちた犬を叩くようになった正義の味方たちと、ニーメラーの警句。きちんと想像力を働かせておかなければいけない。水に落ちた犬をいつも叩くべきではないが、叩いたほうがいいかもしれない。 「日米同盟」とか「安全神話」とか、誰も作っていないものが、さも存在するように語られる。その背景にだって思いを馳せなければならない。それか、そうじゃないなら沈黙したらいい。と、僕はそんなふうに読みました。どうぞ正義の味方の方々にも読んで欲しい。ネットにも元連載載ってますから。 http://diamond.jp/category/s-mori

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2013/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

普通なら知りたくないこと、フタをしておきたいこと、目をそらしたいことに、いつでも真摯に向き合って取材している森達也さん。すごいことだと思う。問題に向かってなにかをするのは難しいけれど、せめて知らなきゃいけない。その姿勢がすばらしいと思う。 著者本人が、自分の本はなかなか人に読んでもらえないと嘆いていらっしゃるけれど、そりゃそうだ、見たくないこと・聞きたくないこと・知らずに済ましたいことしか書かれていないもの。でもだからこそ、私も森達也さんの本を一人でも多くの人に読んで欲しいと願う。もう、目を逸らして知らずに済ましてもなんとなく幸せに生きている時代ではないのだから。 ここにあれこれ感想を書くより、とにかく読んでみてほしい。散々書き散らしておきながら言うのもなんですが。

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