「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい の商品レビュー
表題に惹かれ手に取ったが 期待とは欠け離れた内容であった。 しかしながら無知が及ぼす大罪には共感でき、又これ等の事象から 多くの事をきずかせてもらったことに感謝したい。
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面白かった。被害者の人権。仮想敵と共同体の暴走。薄気味悪い善意。普段深く考えないことをゆっくり考える機会になった生きていくための思考の本。
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刺激的なタイトルなので、犯罪被害者と犯罪の事を掘り下げた本かと思ったら、社会派エッセイの一冊でした。 思想的にフラットと思っていても、この本を読むと自分の考えがいかに世間の一般感情に左右されているか痛感します。 森氏の誤解を恐れない方向性はオウムをリアルタイムで追った「A」を読む...
刺激的なタイトルなので、犯罪被害者と犯罪の事を掘り下げた本かと思ったら、社会派エッセイの一冊でした。 思想的にフラットと思っていても、この本を読むと自分の考えがいかに世間の一般感情に左右されているか痛感します。 森氏の誤解を恐れない方向性はオウムをリアルタイムで追った「A」を読むとよく分かりますが、実際世間の誤解は避けられないし、やはり受け入れられない部分もあります。 それでも、皆が常識だと思っている事柄が、実際は世間体や思考停止で俎上に上げない様にしている事が沢山ある中で、「どういう主張であれ、みんなでしっかり議論しようぜ」という姿勢はとても支持できます。 視点によって世の中の見え方が違う事を理解する事と、相手の視点を想像して分かり合おうとする姿勢は本当に大事ですね。
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正義という相対的な思想は、時に戦争という非人道的な惨劇に転化する。法のもとで人を殺す死刑制度、それが果たして正義なのか。正義をとことん疑う。メディアから溢れ出てくる情報は発信する側のフィルターがかかった偏向な事象でしかない。盲信という安易な価値基準から抜け出していく。悩まない日常...
正義という相対的な思想は、時に戦争という非人道的な惨劇に転化する。法のもとで人を殺す死刑制度、それが果たして正義なのか。正義をとことん疑う。メディアから溢れ出てくる情報は発信する側のフィルターがかかった偏向な事象でしかない。盲信という安易な価値基準から抜け出していく。悩まない日常に平穏は訪れない。苦悩する果てに未確定な希望が見えてくる。"安心安全" を謳う怪しさはすぐさま正義を持ち出して線引き・分断を提示する。そこに怒りをこめて打破したい。ここにも "苦悩" と "怒り" が秘められている。
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死刑の話かと思ったら、色んなジャンルの事が書かれてた。 約10年程前に書かれたものもあり、懐かしいニュースもある。 テレビの言ってる事に違和感を覚えたのは高校生の時。その時の自分の感覚は正しかったのだと再認識! やっぱり鵜呑みにしないで、きちんと自分の頭で物事を考えないと! 印象的だったのは、朝鮮語の翻訳者の話。 私も英語やけど字幕と実際に言ってる事の意味合いが微妙に違うと思ったことが何度かあった。 信頼できるニュースやメディアを探すのって大変ね。
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発売された当時に購入して、その時は途中までしか読めなくて、でも大事なことが書いてありそうだったからずっと持っていた本。 最近、世の中のことや、人の心と社会の動きのつながりのようなものが気になりはじめていて、その考えを深めてくれそうだなと思いもう一度手にとった。 今度は、最後まで一...
発売された当時に購入して、その時は途中までしか読めなくて、でも大事なことが書いてありそうだったからずっと持っていた本。 最近、世の中のことや、人の心と社会の動きのつながりのようなものが気になりはじめていて、その考えを深めてくれそうだなと思いもう一度手にとった。 今度は、最後まで一気に読んでしまった。 森さんがこの本を上梓したときから、世の中はますます共同幻想的な傾向が強くなっていると思う。 実態のない恐怖にみんなが怯えていて、そのこころが解きほぐされなければ、みんな優しくなれない。
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タイトルが気になって読んだ。 この方の著書を初めて読んだけれども、書かれている主張の中には、これまでの自分の考えとはほぼ真逆のものもあったりしたが、「そう言われてみればそういう考えもあるかもしれない」と、素直に受け止めることができた。これまでの自分が、いかに凝り固まった考えしかで...
タイトルが気になって読んだ。 この方の著書を初めて読んだけれども、書かれている主張の中には、これまでの自分の考えとはほぼ真逆のものもあったりしたが、「そう言われてみればそういう考えもあるかもしれない」と、素直に受け止めることができた。これまでの自分が、いかに凝り固まった考えしかできなかったかということに気づかされた。 今の自分の考え・思想は、そのほとんどがテレビや新聞、出版などのメディアから得た情報によって成り立っている。けれど、メディアは正しい情報を流していない。視聴率稼ぎやクレームを恐れての事なかれ主義により、ゆがめられた情報が混じっている(その割合がどれくらいなのかも知らないけれど)。だから、自分の考え、世間の考えが本当に正しいのか、常に疑いを持ってものごとを考えなくてはならないと思った。 それから、オウム事件以降、「危機意識」を過剰に煽られるというのは、本当にそうだと思う。防犯カメラの設置などが、無条件に受け入れられているということに疑問を持つ。本当に必要なのは、もっと根本的な問題解決なのではないかと感じる。 p.218 治安が悪化しているとの前提に危機意識を煽られた世相は、集団化を進めながら敵の不在による不安を耐えられず、(九・一一後のアメリカがそうであったように)自ら敵を作り出す。つまり仮想敵だ。共同体内部においては差別や厳罰化が始まり、共同体外部においては仮想敵国が出現する。 こうして虐殺や戦争は起きる。人は後になってから、どうしてあんなことを、と天を仰ぐばかりだ。 また、映像メディアによって想像をする力が衰えてしまったということにぎくりとする。たしかに、テレビを見ている間は、目しか使っていない。頭で考えなくても、勝手に情報が目から入る。けど、頭で考える前に次々と映像が変わり、考えている余裕がなくなってしまう。これでは、「考える」という習慣が身につかなくなってしまうのではないか。現代人はこうして想像力を養う機会を奪われてしまうから、他人のことを考える、思いやるということができなくなっている・・というのは大袈裟なのだろうか。
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(日本的)自由主義者によるコラム集 内容は、かなり偏っているけれど、自分の考えが偏ってきた時に読むと、アタマがほぐれる。
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「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのかと叫ぶ人に訊きたい」は、この本の中でたくさん提起されているトピックの一つで、副題の「正義という共同幻想かもたらす本当の危機」のほうがこの本を貫くテーマとしてわかりやすい。 著者の考え、立ち位置はいろんなテーマで私と逆だ、もしディベート...
「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのかと叫ぶ人に訊きたい」は、この本の中でたくさん提起されているトピックの一つで、副題の「正義という共同幻想かもたらす本当の危機」のほうがこの本を貫くテーマとしてわかりやすい。 著者の考え、立ち位置はいろんなテーマで私と逆だ、もしディベートしたら相手方になる人だと感じたけれど、その理由、どうしてそうなのかを読むと一理あるなあ、島を変えちゃいそうと思うことが多かった。「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのかと叫ぶ人に訊きたい」を含め、興味深いトピックは多かったけど、いかにも連載していたものをまとめました感があって、蛇足では?と感じるトピックもあった。読んでてちょっと中弛みしたけど、分かりやすいことはよいばかりではないのだなと気付きがあってとてもよかった。
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今回読んだ中のなるほどなあ文↓ 『僕たちはメディアによって事実を見せられているのではなく、事実に対しての視線を見せられているに過ぎない』 『表現の本質は欠落、つまり引き算にある』 『暴走の駆動力となる「過剰な忖度」』 日常でもついつい過剰な装飾や上乗せ表現をしがちだが、それでも伝わった感がしない昨今、ちょっと足りないかな?程度のコミュニケーションを心掛けていきたい(あくまでも個人の範疇内で)
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