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ミシンと日本の近代 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2022/01/02

ミシンと衣服を通して、戦前、戦後の日本の社会を描いたもの。 ミシンという家庭製品が販売されるために、割賦販売、セールスマン、コマーシャルなどの手法がアメリカから摩擦を伴いつつ入ってきた戦前と日本メーカーの追撃を受けた様子は面白い。 本質はグローバルな近代化であり、それが多少ナシ...

ミシンと衣服を通して、戦前、戦後の日本の社会を描いたもの。 ミシンという家庭製品が販売されるために、割賦販売、セールスマン、コマーシャルなどの手法がアメリカから摩擦を伴いつつ入ってきた戦前と日本メーカーの追撃を受けた様子は面白い。 本質はグローバルな近代化であり、それが多少ナショナリズムで色つけされているのか。労使紛争や販売競争の中でナショナリズムが強調されるのは、やはりそんなものかと納得。 戦後の洋装がモンペの需要があってのこととは知らなかった。 太平洋戦争のインパクトは近代化の促進だったのかと思わざるを得ない。 日本化を謳いつつ、戦争遂行の為、近代化を推進するとは頭と足が違う方向向いていては勝てるわけもない。 一側面からも本質を描けるという良書

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2018/10/10

シンガー・システムは、単なるセールスウーマンではなく、使い方を教え、新たな女性の自活の姿でもあった。 それが消費をも促した。

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2014/11/17

帯文(裏表紙):”一つの「モノ」に即して、消費者の側から経済・社会・文化を語る画期的な歴史” 目次:日本語版への序文、はじめに、序論、第1部 日本におけるシンガー;第1章 明治期のミシン,……他、第2部 近代性を縫う戦時と平和時;第5章 銃後の兵器,……他、結論、補遺 時間利用...

帯文(裏表紙):”一つの「モノ」に即して、消費者の側から経済・社会・文化を語る画期的な歴史” 目次:日本語版への序文、はじめに、序論、第1部 日本におけるシンガー;第1章 明治期のミシン,……他、第2部 近代性を縫う戦時と平和時;第5章 銃後の兵器,……他、結論、補遺 時間利用調査についての覚え書、訳者あとがき、原注、図表一覧、主要参考文献、索引

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2017/06/02

シンガー社による日本市場開拓の要素が大きいが、日本の特に女性が洋装を受容して行く過程が読み取れて、興味深い。 シンガーの販売戦略は興味深い。

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2014/05/17

経済史としても文化史としても予想以上のおもしろさだった。ミシンを通して、日本の近代の資本主義への道筋とか、西洋化対日本らしさとか、女性の暮らしぶりとか、近代の服飾史とか、、、とにかくミシンというわりと小さな、ありふれた機械からこんなにさまざまなことが見られるとは驚き。逆に、生活に...

経済史としても文化史としても予想以上のおもしろさだった。ミシンを通して、日本の近代の資本主義への道筋とか、西洋化対日本らしさとか、女性の暮らしぶりとか、近代の服飾史とか、、、とにかくミシンというわりと小さな、ありふれた機械からこんなにさまざまなことが見られるとは驚き。逆に、生活に密着した製品だからこそ、こんなにいろんなことが絡んでるとも言えるか。現代を考える上でも重要な視点を多々含んでいる。読んでたら新しいミシンが欲しくなっちゃったw

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2015/08/02

1 明治期のミシン 2 アメリカ式販売法 3 近代的生活を販売し消費する 4 ヤンキー資本主義に抵抗する 5 銃後の兵器(ウォー・マシーン) 6 機械製の不死鳥 7 ドレスメーカーの国

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2014/04/07

ミシンは3Dプリンターに似ていると思って本書を購入。ミシンが導入された当時の社会の様子、変化を見れば現在の状況のヒントになるのではと。 自宅での和裁洋裁により作成された衣服を販売することで収入を得たり、ミシンの使い方教室というニュービジネスを始めたり、使用例の教本を出版したり、...

ミシンは3Dプリンターに似ていると思って本書を購入。ミシンが導入された当時の社会の様子、変化を見れば現在の状況のヒントになるのではと。 自宅での和裁洋裁により作成された衣服を販売することで収入を得たり、ミシンの使い方教室というニュービジネスを始めたり、使用例の教本を出版したり、良くできた商品の型紙の写しを販売したりと、これは現在でもかたちを変えてビジネスになっている。生産者が多様化し、消費者も多様化している。アメリカでのミシンは「文明の機器」「最新の文化的生活」の象徴であったが、日本に輸入された際、この価値観が「裁縫を上手にこなす良妻賢母」「勤労・節約・婦人の貢献」に変化して受容されたことも興味深い。 原書のサブタイトルは fabricating consumers であり、「消費者を創造する」と「創造する消費者」の二重の意味と言える。

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2014/03/06

レビューはブログにて http://ameblo.jp/w92-3/entry-11788760633.html

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2013/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アンドルー・ゴードン『ミシンと日本の近代 消費者の創造』みすず書房、読了。本書はミシンという「モノ」を素材に、近現代日本百年の精神史の変遷を辿る魅惑的一冊。歴史研究ここにあり。ミシンは日本人に何を意味したのか。その小道具は家庭内においては進歩の象徴であり20世紀が凝縮する。 家族の衣服を縫い上げるミシンは縫い手としての「良妻賢母」のシンボル。母の手は戦前、国民服を、そして戦後は洋服を仕立てあげる。現代ではおなじみの月賦販売はミシンに端緒がある。一つの「モノ」が織りなす歴史の襞に分け入る。 「一つの『モノ』に即して、消費者の側から、経済・社会・文化を語る画期的な歴史」。 http://www.msz.co.jp/book/detail/07770.html 『日本の200年』(みすず書房)、『日本労使関係史 1853-2010』(岩波書店)と併せて読みたい。

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2013/09/28

日本裁縫文化の近代化と、ミシンのセールスにまつわるお話し。シンガーの労働争議が話の中心。学術的で読みづらかったが、非常に興味深く読めた。

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