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捨ててこそ 空也 の商品レビュー

4.2

15件のお客様レビュー

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2013/11/19

醍醐天皇の五宮として生まれたが、母は精神を病んでいる。 なぜなぜがいつも心にあり現世の娑婆世界では生きにくい性状を持って生まれた。在野の人と交わり自分の道を突き詰めて生きる姿は美しい。 もう一度、山田太一の空也を扱った小説が読んでみたくなった。

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2013/11/15

あの、口から小さな仏様が何体も出てくる、空也上人の物語。 初めは、「宗教ものかよ」と思って読み始めたが、そうではない。人間を書いている。 醍醐帝の皇子として生まれ五宮と呼ばれる。 しかし、母方の家柄の低さと菅公の没した年に生まれたため、帝から疎んじられる。そのせいで母も精神を病...

あの、口から小さな仏様が何体も出てくる、空也上人の物語。 初めは、「宗教ものかよ」と思って読み始めたが、そうではない。人間を書いている。 醍醐帝の皇子として生まれ五宮と呼ばれる。 しかし、母方の家柄の低さと菅公の没した年に生まれたため、帝から疎んじられる。そのせいで母も精神を病み、小さいころ母に投げ捨てられ左肘関節を損傷。このような悲しい境遇。 貴顕のための宗教から、庶民のための宗教へと考え始める。 「すべてを捨ててこそ、悟りが開ける」と、かなり宗教的な話も盛りだくさんだが、だんだんとあの世が近づいてきている当方としては「そういう考えもあるよねぇ」と思うことしきり。 平安京の時代は、天変地異や疫病で人はいとも簡単に死んでいく、厳しい世の中である。貴族階級もバタバタと死んでいくが、庶民はさらにひどい状況だ。まあ、祈祷で病気を治そうという時代なので、人の命は本当にはかないものだ。 医者もいないわけで、病気になったら終わりという、現代では想像できないような社会となっている。そのような社会で、井戸を掘る技術を教えて人びとに信頼され、少しずつ信者を増やしていくところもすごい。 とてもおもしろかった。

Posted byブクログ

2013/10/20

 なぜこのような地方支配の政治構造が定着していたのか。  本当に、これほど堅固だったのか?  ストーリーとは、外れるけれど、そのことを最も思った。

Posted byブクログ

2013/10/14

空也の宗教家、社会活動家としての人間をあぶりだす。あの南無阿弥陀仏一文字一文字が仏となっていく像の印象深さに共鳴する物語。 周囲の人間たちの描き方も丁寧で説得力がある。

Posted byブクログ

2013/08/27

空也といえば、六波羅蜜寺の木像ですが… 彼についてしっていることは、念仏…くらい。 出自は不明、一説には皇室の出ともいうらしい。 醍醐天皇の五宮という説(?)で語られています。 突飛な物語では決して無く、 静かに紡がれる物語ですが、どんどん読める読みやすさ。 筆者は執筆の傍...

空也といえば、六波羅蜜寺の木像ですが… 彼についてしっていることは、念仏…くらい。 出自は不明、一説には皇室の出ともいうらしい。 醍醐天皇の五宮という説(?)で語られています。 突飛な物語では決して無く、 静かに紡がれる物語ですが、どんどん読める読みやすさ。 筆者は執筆の傍ら、大学院で仏教を学んでいるとのこと。 なるほど、だから理解しやすく仏道の部分も語られているのか、と納得しました。

Posted byブクログ