翻訳がつくる日本語 の商品レビュー
第75回アワヒニビブリオバトル「おうち時間DEビブリオバトル」1時間目 国語で紹介された本です。オンライン開催。 2021.05.01
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翻訳小説や映画字幕の女性の台詞に見られる「女ことば」の 考察を中核に、標準語が作られた明治以降の日本語の変遷と翻訳がそれに果たす役割を著した本。標準語が制定された 時点から女性差別的要素を含んでいたことや、翻訳で現れる 「黒人性」や「白人性」によって逆に「日本人性」のような もの...
翻訳小説や映画字幕の女性の台詞に見られる「女ことば」の 考察を中核に、標準語が作られた明治以降の日本語の変遷と翻訳がそれに果たす役割を著した本。標準語が制定された 時点から女性差別的要素を含んでいたことや、翻訳で現れる 「黒人性」や「白人性」によって逆に「日本人性」のような ものが作られる日本語のアイデンティティ、そして同化翻訳 と異化翻訳の問題など深い内容までがその射程に入っている のだが、何となくまとまりがないと感じてしまうのはまだ 研究途上ということなのかもしれない。
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2019.10.5市立図書館 翻訳を通して強化されたり生き延びて固定化する「女ことば」をめぐる話を核に、翻訳が言語に与える影響をもっと意識してもいいのではないかと示唆する。卵が先か鶏が先か、のような難しい部分もあるが、訳者の中の無意識が翻訳にあらわれてくるという切り口、翻訳作品の...
2019.10.5市立図書館 翻訳を通して強化されたり生き延びて固定化する「女ことば」をめぐる話を核に、翻訳が言語に与える影響をもっと意識してもいいのではないかと示唆する。卵が先か鶏が先か、のような難しい部分もあるが、訳者の中の無意識が翻訳にあらわれてくるという切り口、翻訳作品の日本語も言語資源として私たちの日本語に影響を与えているという視点はたしかにこれから重要になるかもしれない。 この本ではテキストの文体に限定した話だったが、映画やインタビューの吹き替えの声の高さや口調といった点でも議論すべきことはたくさんあると思った。
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翻訳された映画や文学、はたまた新聞のインタビュー記事に至るまで調べてみると、普通の日本人が、しゃべらない日本語が、その中だけで、なりたっていると言う事実。 そんな観点から見てみると、おもしろい。 翻訳されたヒーローやヒロインたちの、しゃべる言葉を、そのまま日本人の会話に、置き換え...
翻訳された映画や文学、はたまた新聞のインタビュー記事に至るまで調べてみると、普通の日本人が、しゃべらない日本語が、その中だけで、なりたっていると言う事実。 そんな観点から見てみると、おもしろい。 翻訳されたヒーローやヒロインたちの、しゃべる言葉を、そのまま日本人の会話に、置き換えると、お笑い?になる? 黒人が翻訳の中で、しゃべる言葉が、なぜか方言ぽい言葉に、なっているというのも、はじめて気がついた。 いろいろ発見があった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
女言葉や方言等に関しての考察が書かれているのですが、一番面白かったのは「本質主義」と「構築主義」のこと。 アイデンティティに基づいて言葉を使っているのか、言葉を使ってアイデンティティを表現するのか。 そんなこと考えたことなかったからとっても印象深かった。 http://ayakakingdom.blog.jp/archives/21676827.html
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翻訳に使われる言葉は日常語と違う表現がままあり、それが逆に日本語に影響を及ぼしているという評論。 恐らく、間違ってることは言ってはいないのだろうけれど、沢山積み上げた用例が一々引っかかる。 冒頭がハリポッターに登場するヒロインの言葉が「女ことば」で今どきの小学校五年生はこんな言葉...
翻訳に使われる言葉は日常語と違う表現がままあり、それが逆に日本語に影響を及ぼしているという評論。 恐らく、間違ってることは言ってはいないのだろうけれど、沢山積み上げた用例が一々引っかかる。 冒頭がハリポッターに登場するヒロインの言葉が「女ことば」で今どきの小学校五年生はこんな言葉遣いはしない…というのだが、用例は魔法学校の登場するファンタジーである。続いての用例が「風と共に去りぬ」である。南北戦争の時代の物語の登場人物の言葉遣いがおかしいと言っても、時代小説で「ござる」と言ってるのが変だと言っているようなものである。 予め想定した結論へ導くために用例を積み上げるというのは評論として珍しくはない手法だとは思うものの、それが見え透いてしまって興ざめである。 いちばん問題なのは「翻訳ではない小説」においての考察がまったく抜け落ちているところ。試しに書店で最近の人気作家の文庫本を何冊かあたったが、邦人作家による日本を舞台とした日本人の台詞として「女ことば」は普通に使われている。
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内容は、ね すんごい興味深いことが書かれてんのさ。 使う言葉によるアイディンティティの確立、みたいなのとか。 でも 文章がその面白さを半減してる気がするよ。 もったいなくない? 著者さんには悪いけど、原案だけ提供してほかのかたに文章書いてもらったほうが 少なくとも私には有難かっ...
内容は、ね すんごい興味深いことが書かれてんのさ。 使う言葉によるアイディンティティの確立、みたいなのとか。 でも 文章がその面白さを半減してる気がするよ。 もったいなくない? 著者さんには悪いけど、原案だけ提供してほかのかたに文章書いてもらったほうが 少なくとも私には有難かったかなぁ。 もっとも著者さんは、題材にポピュラーなものを持ってこられただけで、きちんと学術的に出版したかったのかも。 どうにも『ちぐはぐ』感。
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表紙の雰囲気と表紙裏の紹介から面白い読み物かと思ったら、事例を数多く挙げて、フェミニズムやジェンダーの視点から意味づける論文のようなものだった。著者紹介を先に見るべきだった。
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