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藤森照信×山口晃 日本建築集中講義 の商品レビュー

4.3

26件のお客様レビュー

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2014/12/04

先生のメモ書き、字が個性的過ぎてほぼ読めず。 画伯の漫画は、絶妙で相変わらず面白い。 お二人のやりとりだけでなく、なごみ編集者の方の食事処選定や行き当たりばったり感も興味深い。 行ってみたいところ満載。 あ、でも案内人が重要なんだっけか。

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2014/09/18

建築史家・建築家の藤森照信と画家山口晃の日本建築探訪記。 ■法隆寺 他の寺に比べ、回廊の効果がはっきりしている。 大小の建物を散らして配置し、それを回廊で一つの空間にまとめている。完璧なプロポーション。丹下健三が影響を受けた。 ■日吉大社(比叡山) 全国の日吉・日枝・山王神社の総...

建築史家・建築家の藤森照信と画家山口晃の日本建築探訪記。 ■法隆寺 他の寺に比べ、回廊の効果がはっきりしている。 大小の建物を散らして配置し、それを回廊で一つの空間にまとめている。完璧なプロポーション。丹下健三が影響を受けた。 ■日吉大社(比叡山) 全国の日吉・日枝・山王神社の総本宮。水を感じさせる神社。建築よりも石橋(重要文化寺)が有名。 石・水・建物・草木等、テクスチャーの宝庫。 ■旧岩崎家住宅 建築家が手がけた日本最古の洋館住宅。ビリヤード場、洋館、和館を雁行して配置。日本の茶室の影響を受けている?イギリス様式でありながら、イスラム、コロニアル、スイスの山小屋風のテイストを盛り込んでいる。 見学者の少ない和館が実はレベルの高い建築。講談社の野間家が残した目白の焦雨園に匹敵。 ■投入堂(島根) 標高900mの断崖絶壁に建つ三徳山三佛寺投入堂は、千三百年続く修験道の霊場。仏教が伝来したことで、日本人ははじめて「死後の世界」を知る。修行によって仏になることもあれば、地獄へ堕ちることもある。インドから来た仏様が、山の神様(=自然信仰)の姿をとって現れたと解釈することで土着文化との融合をはかったことで修験道という概念が生まれる。 ■聴竹居(大山崎) 昭和初期、東京帝国大学卒業後、竹中工務店に入り、京都帝国大学に引き抜かれたエリート建築家、藤井厚二の居宅。欧米のモダニズムと日本の数寄屋デザインとのシアワセな関係を追究。江戸時代からの伝統的な木造住宅の基本である数寄屋造を「どう近代化するか」がテーマだった。 学者としては、空気や熱の環境を科学的にとらえて建築に適用する「環境工学」を日本で最初に取り入れ、自然エネルギーを活かした先駆的な住居を完成させた。 村野藤吾と同時代に生まれたが、49歳で早逝したこともあって、戦後二十年以上経ってからようやく評価されるようになった。吉村順三や堀口捨己ら一部のモダニズム建築家は深く影響を受けた。和風といっても数寄屋・茶室建築は、お妾さんや花柳界とつながっていたため、建築界ではタブーとされた。前川國男、坂倉準三、丹下健三ら、公共や時代を表現する建築の参考にしたのは、伊勢神宮や法隆寺といった荘厳な建築。 ■待庵(大山崎) ルールを無視した造り方。臨戦態勢下にスピード感をもって即興的に建てられたバラック。 茶室は、室町時代の九間「会所」(十八畳)→書院スタイル(八畳)→利休前(四畳半)→草庵茶室(二畳)=待庵と変革していく。「狭いこと、閉じていること」が大切で、1.8m四方の寸法は、レオナルド・ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図と同じ発想。 ■修学院離宮(京都) 江戸初期、御水尾天皇の造営。当時、徳川家康が禁中並びに公家諸法度を制定し、皇族の政治的実権を削いだため、平安王朝文化の復活を望み、州浜を備え、庭を舟で見る「浄土式庭園」を本離宮に再現した。 現存する浄土式庭園は、平等院鳳凰堂、平泉の毛越寺と修学院離宮ぐらい。 ■旧閑谷学校(岡山) 江戸時代中期、農村地帯の商人や農民たちの教育のためにつくられた郷校。岡山の後楽園を造った津田永忠が建築。 ■箱木千年家(神戸) 現存最古とされる室町期の民家。 縄文時代の竪穴式→箱木千年家 弥生時代の高床式→寝殿造・書院造・茶室 箱木は竪穴式と高床式の中間的位置づけ。 ■角屋(京都) 外側の美学と内側の美学が全く異なる建築。 外観は格子が連なる普通の町家。入口からは長屋門、玄関に式台、屋内には武者窓と武家造りで、町人や公家はやらないスタイル。さらに、インテリアは西陣織や友禅染など布の美学で造られており、外観・屋内・インテリアの三つが全然関係していない。 ■松本城(長野) 木造建築なのに五層六階建て。 「城」は、戦時の建築なので、正確さや合理性はあまり気にせず、勢いで造られたもの。織田信長の安土城が先駆け。構想の源は西欧の教会ではないかという説もある。「天守閣」=「天主堂」? ■三渓園(横浜) 生糸貿易で財を成した原三渓が、数寄屋・茶室・仏塔・門など日本の古建築を移築し、市民に公開したテーマパーク。「東の桂離宮」。 数寄屋は外(庭)を眺めるための建物。対して、茶室は利休やその弟子の段階では屋内への閉鎖性が基本。小堀遠州以降になると、だんだん外を見るようになる。それが屋敷になったものが数寄屋。 ■西本願寺(京都) 親鸞聖人を開祖とする、浄土真宗本願寺派の本山。 現存日本最古の能舞台、豪華さの美学を追求した白書院・黒書院、薄くて軽い美学の飛雲閣、と日本建築のエッセンスが詰まった場所。

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2014/04/20

有名な13の建築物を軽妙な対談と漫画でゆるーくマイペースに紹介してくれます。大方行ったことがある場所なので見方が深まりました。それに建築の権威の方らしく造詣が深い。書院造り⇒茶室⇒数寄屋造りの流れとか、浄土式庭園の洲浜や太鼓橋が持つ意味とか知ることが沢山ありました。

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2025/04/02

たまもひさんのレビューを見て購入。たしかに漫遊記のタイトルの方が内容に合っているかな。でなければ放談記とか。 藤森先生の建築探偵の本や赤瀬川源平氏たちとの路上観察学会の本は30年ぐらい前の愛読書。先生の著書も面白いのだが、先生の後書きにあるボケ役というか話の引き出し役があるとま...

たまもひさんのレビューを見て購入。たしかに漫遊記のタイトルの方が内容に合っているかな。でなければ放談記とか。 藤森先生の建築探偵の本や赤瀬川源平氏たちとの路上観察学会の本は30年ぐらい前の愛読書。先生の著書も面白いのだが、先生の後書きにあるボケ役というか話の引き出し役があるとまた一味違った面白さが得られる。赤瀬川氏のような芸術家や井上雄彦さんや山口氏のような絵師とが波長が合うんだろうな。 しかし、藤森先生って団体行動や人の話を聞くのが苦手にようで、勝手にどんどん先に行っちゃうし、畳があると寝ころぶし、マイペース振りが何とも可笑しい。しかし、出てくる学識の豊かなこと。宗教と建築の関係や都市の成り立ちなど。あ~そうなのかと何度も思った。僕も先生の解説付きで建築探偵したいよ。ホント羨ましい。 で、その羨ましい人、山口画伯の絵はどこかで見ているのだろうが、僕は浅学でよく存じ上げない。サラサラと描いたスケッチも良い味だが、何箇所か克明な絵にゾクッとした。投入堂の建築の図。先生監修で本気で描いたら凄そう。 しかし、下膨れの中年オヤジの自画像と写真のハンサムなオジサンは全然似てないゾ。食事に無頓着な先生や編集者にブツブツ言っているのも可笑しい。タイミングの良いボケ役の妙。 突発的に藤森先生の作品、矩庵や高過庵、空飛ぶ泥船の探訪もある。本人が作品を語るのは読んだが、他人の体験記は貴重。(やっぱり揺れるんだ。) 箱木千年家で山口画伯が竪穴式と高床式の途中と描いているのにアレッと思う。雑誌に連載されたころは先生の茶室学は出版されていなかったのかな。著作では竪穴式は進化して土間のある民家になる縄文系の流れで、高床式は寝殿造り、数寄屋に進化する弥生系の流れとのこと。茶室は縄文系と藤森先生は認識している様子。そんな訳で読了後、民家園や民俗博物館(大阪・千里)で囲炉裏や土間を見ると成程、成程、竪穴から進化したのかと納得してしまうぐらい影響受けてます。 千年家は一度でいいから見てみたいな。 伊勢神宮に白石を献上したいとの言葉もあったが、これは井上雄彦さんをソソノカシテ実現していますな。 最後に文句を一つ。写真や画伯の絵にカラーがないのが残念だった。

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2014/02/25

これはタイトルを変えたらどうかな。「日本建築漫遊記」とかどうでしょう。 ほんとに真面目な「集中講義」かと思ってパスしてたのよ。東大名誉教授と天才絵師の組み合わせだもの。でもこのお二人、「路上観察学会」と「ヱセイ漫画」の方でもあるわけで、いやまったく面白い。こういう本って他にある...

これはタイトルを変えたらどうかな。「日本建築漫遊記」とかどうでしょう。 ほんとに真面目な「集中講義」かと思ってパスしてたのよ。東大名誉教授と天才絵師の組み合わせだもの。でもこのお二人、「路上観察学会」と「ヱセイ漫画」の方でもあるわけで、いやまったく面白い。こういう本って他にあるかしらん。 山口画伯の絵については、もうあれこれ言う必要もないだろうけど、何とも味わい深く、実に楽しい。圧倒的な画力あってこその飄々とした筆遣いに魅了される。今更ながら「省略」の凄さに感嘆。ささっと描かれているのに、しっかり量感や奥行きがある。各章の扉となっている絵に特にそういう感じがあって、旧閑谷学校の回などすばらしい。ご自身をヒゲのオジサン風に描かれているが、実物は長身の男前。かっこいいなあ。 そして藤森先生がこれまたケッサク。えらい先生なのに、どこへ行っても言いたいことを言い、すぐに寝っ転がり、団体行動ができない。山口画伯による似顔絵がその雰囲気をすごくよく伝えていると思う。でももちろん、お話は深い。教養と見識に裏打ちされた「講義」はもっともっと聴いていたくなる。今でも学生を連れてあちこち見学に行かれるそうだ。学生たちがうらやましくなる。 ワハハ!と笑ったり、なるほど!と唸ったりする所があちこちにあるが、二箇所だけ抜粋。 (訪れた「聴竹居」のあまりに完璧なしつらえに辟易して) 藤森「あのさ、めちゃくちゃデッサンがうまくて有名な藝大の先生っていましたよね。合唱する女学生たちを描いた…」 山口「小磯良平でしょうか」 藤森「そう。もう、ヤだよねえ(笑)」 山口(笑いながらうなずく山口さん) 藤森「あまりに非の打ちどころがなくて、直しようのないものをつくれちゃう人がいるんだ」 この後、藝大時代デッサンは上手だったかと尋ねられた山口さん、「人並み、でしょうか」と答えていた。とんでもなくうまい人っていうのがやっぱりいたけど(白黒写真で撮ったようなデッサンなんだって)、そういう人は絵を描かなくなってしまうんだそうだ。ふーん。 (横浜の三渓園がお二人ともいたく気に入って) 藤森「僕の構想段階にある建築に『車の茶室』っていうのがあるんです。(略)本物の車を茶室化して、街を走って好きな所でお茶を飲む。今まで自家用車でそれができればと思ってたけど、船形の聴秋閣を見てたら、バスでやれば、と思ったの。『建築が走ってる』ように見えるのが大事!デザインは和風にしないだろうけど、フロントガラスは障子でね」 山口「しょ、障子ですか」 藤森「フロントガラスの障子をあけて『さあ、出発!』ってなかなかいいでしょ?運転手は僕で、車掌は山口さん(笑)」 藤森先生のご自宅であるタンポポハウス(屋根にタンポポが植えてある)や、茶室「高過庵」(名前通り木の上で揺れている)、「空飛ぶ泥舟」(ワイヤーで吊ってある)などを見ると、これがあながち冗談でもない所がすごいです。

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2014/01/28

平成の絵師、山口晃と、縄文建築家(?)藤森照信がコラボを組んで面白くないはずがない! 自分も行ったことがあるところ(松本城、三渓園、法隆寺など)もとりあげられていたけれど、そんな見方ができるのかとびっくり。 建築を鑑賞するというのはただ目で形を見るだけではないということに気づか...

平成の絵師、山口晃と、縄文建築家(?)藤森照信がコラボを組んで面白くないはずがない! 自分も行ったことがあるところ(松本城、三渓園、法隆寺など)もとりあげられていたけれど、そんな見方ができるのかとびっくり。 建築を鑑賞するというのはただ目で形を見るだけではないということに気づかされた。 特に山口さんの鑑賞スタイルはすごいと思った。 体との調和、開口部の開閉(による明るさの変化)による印象の変化、音や湿度、温度などの周囲の環境からの影響などなど、あらゆるものを関わらせ、動員させて味わっている。 さすが芸術家だなあ・・・。 藤森さんの建築史的解説も、もちろん面白かった。 冒頭の法隆寺の太柱は、ギリシャのエンタシスだという説は・・・全く立証されていないという話にはびっくり。 奇人、二笑亭渡辺金藏のこととか、お寺の、鐘楼のような形のあの独特な窓を華頭窓というとかといった、ちょっとした話もとても興味深い。 山口さんの図解・・・というか、漫画もふんだんにあって楽しい。

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2014/01/10

誰もが知っている日本建築。でもどんな由来で、どうやって作られているの?そんな疑問に答えてくれる本。脇道にそれたうんちくも面白い。現地に行ってみたくなること間違いなし。(院生アルバイトスタッフ)

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2013/12/26

この本のジャンルはなんだろうとしばし悩む。建築物についての本ではあるが、旅の要素もあり、対談風でもあり、山口画伯の漫画あり、、でまあ、ちょっと蘊蓄ある見物日記のようなもの。 行ったことのある所も行ってない所も行きたくなる案内書です。でも私達が行っても見ることの出来ない所も多いでし...

この本のジャンルはなんだろうとしばし悩む。建築物についての本ではあるが、旅の要素もあり、対談風でもあり、山口画伯の漫画あり、、でまあ、ちょっと蘊蓄ある見物日記のようなもの。 行ったことのある所も行ってない所も行きたくなる案内書です。でも私達が行っても見ることの出来ない所も多いでしょうが。

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2013/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

う〜ん、この本面白い!この本持って「第1回法隆寺」や「第11回松本城」へもういっぺん行ってみたくなりました。まだ行ったことのないところでは「第12回三渓園」ぜひ行ってみたいなぁ〜。「第3回旧岩崎家住宅」も近いから行けそうだな。

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2013/12/10

意外と藤森さんの古建築評論はやってないのか 対象の建築も 待庵や投入堂みたいな定番以外に へえみたいなのがあってよかった 行きたくなったのは 法隆寺(回廊がよさそう) 旧閑谷学校(床のつるつると暗さ) 三渓園(初めて聞いた、横浜) 西本願寺(絵がすごそう、見れるのか) 山口...

意外と藤森さんの古建築評論はやってないのか 対象の建築も 待庵や投入堂みたいな定番以外に へえみたいなのがあってよかった 行きたくなったのは 法隆寺(回廊がよさそう) 旧閑谷学校(床のつるつると暗さ) 三渓園(初めて聞いた、横浜) 西本願寺(絵がすごそう、見れるのか) 山口画伯とのかけあいは いまひとつかなと思ったけど さいごの西本願寺で息ぴったり もうちょっと 写真がほしいかな (コメントの部分が見たい)

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