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フェリックスとゼルダ その後 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2018/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ユダヤ人の収容所行きの列車から飛び降りて逃げる前作の「その後」。 ナチスに追われて、何度もあと少しで死にそうな目に合いつつ、二人は手を取り合って逃げる。その後、心ある女性(ゲニア)の元に身を寄せ、なんとか生きていこうとするフェリックスだが、自分がユダヤ人であることが、一緒に暮らす誰よりも大事な「家族」を危険にさらすことになると、そこを出る決心をする。 それなのに、その願い空しく、二人は処刑されてしまった。 絶望。 なぜ、二人は死ななければならなかったのだろう。 でも、残念ながら、あの戦争のさなか、ドイツやポーランドでは、似たようなことが山ほどあったはずだ。ゼルダのような子が、ゲニアやクロルのようなユダヤ人にも思いを寄せる人が、何の罪もないのに殺された。 でも、その先、心あるヒトラー・ユーゲントの少年・アモンの優しさに触れ、フェリックスは自爆をやめて、彼を助ける。死ぬことをやめ、生きることを選び、ゼルダを記憶していくことを選んだ。 「みんな、ゼルダのようになれるはずだよ、なんにもわかってないな」と言うために。 追記:フェリックスがゼルダに、ナチスを憎む気持ちの中に両親への葛藤があることを察し、両親の絵を描かせるシーンが何度も出てくる。追い詰められる生き残りの孤児・ダヴも絵を描く。精神的リハビリの手法の一つだ。なかなか壁を越えられなかったゼルダは、同じく苦しい中にいるダヴを見て、初めて両親との記憶を絵に描けるようになる。 つらい経験をした人たちは、一人では乗り越えられなくとも、一緒に乗り越えられることがある。自分のためにではなく、誰か、もっと苦しんでいる人のために、自分の苦しさを乗り越えるのだ。 その後のつらい展開が押し寄せてくるのでが忘れてしまいがちだが、このシーンは人が苦しさを乗り越える貴重なシーンであったように思う。

Posted byブクログ

2014/05/13

先が気になって一気読み。続編でしたが、前作のファンを裏切らない引き込みぶりです。まさか!のラストでした。 幼いから仕方ないと思いつつ、ゼルダの言動にずっとハラハラしどおし。私がフェリックスなら怒鳴りつけてるかも・・

Posted byブクログ

2013/12/17

一作目よりも、現実と正面から向き合わなければならなくなったフェリックスとゼルダ。物語の好転やハッピーエンドなんてあるはずないと分かっていたけれど、やはり辛い。

Posted byブクログ

2013/11/15

ヘビー過ぎる、、、 耐えて耐えて、やっと見つけた愛情が、自分の命よりも大事な愛が。 こんなことがさまざまなところで起きていたなんて、残酷過ぎる。 人の命のあっけなさよ 天国にいますように。

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2016/12/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルの通り、『フェリックスとゼルダ』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4751522248のその後。 衝撃だった。 え、え、ちょっとまって、うそでしょ、え、そんな、ほんとう? って、頭がついていかない。 理解できてるんだけど、できたくない。 でもそんな、意味がわからないなんでそんなっていう状況こそが歴史の中のありふれた「本当」。 悲劇の経験者たちは、いつも奇跡的な幸運を語る。 だから生き残った語り部たちの言葉だけを見ていると、紙一重の偶然や信じられない幸運はありふれたものに見える。 だけどそれはやっぱり奇跡だ。 ありふれた僥倖の背後には、奇跡が起こらなかった人たちの、もっとずっとたくさんの届かなかった物語がある。 事実じゃない物語は、奇跡が起こらなかった人たちの話を物語ることができる。 この本はどう評価していいかわからない。 悪くはならないんだ、なりようがない。 だけどこれは評価をつけていいものなのか。 お勧め度も間違いなく高い。お勧めしたい。 でもわかってくれる人にしか勧めたくない。この本の悪口を見たくない。 なんかもう、動揺してしまう。

Posted byブクログ