ドキュメント 深海の超巨大イカを追え! の商品レビュー
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2013年刊。NHKスペシャル「深海の超巨大イカ」の撮影秘話を描く。二十数分に過ぎない動画撮影を実現するのに、苦節十年を費やしたプロジェクトXである。そもそも、ダイオウイカは欧米では、船乗りを苦しめるイカとして「海底二万哩」にも登場する馴染み深い種。ゆえに、日本ではあまり評価されなかった写真撮影に驚愕し、その撮影チームに取材が殺到するほど。このように日欧の温度差が乖離する中、国際チームを編成し動画撮影を達成したことに敬服。撮影機材の進歩発展、その製作の工夫、撮影方法確立と生態調査の地道な努力は特筆すべき。 なお、NHKの冷やかさに比して(長期間、動画撮影に成功しなかったことにも起因していようが)、ディスカバリーチャンネルの熱意の凄さ、欧米のダイオウイカ研究への国家支援体制の充実度には嘆息(海軍の支援のある国の存在にはさすがに驚いた)。
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2013年1月に放送された"NHKスペシャル 世界初撮影! 深海の超巨大イカ"の10年に及ぶ取材記録をまとめたものです。あの映像を見た時は本当に驚きました。番組は1時間でしたが、その裏にはこれだけの努力があったということを知ることができ、ますますあの映像は撮影...
2013年1月に放送された"NHKスペシャル 世界初撮影! 深海の超巨大イカ"の10年に及ぶ取材記録をまとめたものです。あの映像を見た時は本当に驚きました。番組は1時間でしたが、その裏にはこれだけの努力があったということを知ることができ、ますますあの映像は撮影スタッフや世界中の学者の執念が引き寄せた奇跡だったんだなと感じました。たぶん、ここには書けないような事件もたくさん起きたんだと思いますが、これからもNHKには、こういうTV番組をこれからも作って欲しいです。
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NHKが世界で初めて撮影に成功したダイオウイカ。この成功をつかむまでの10年に渡る、プロジェクトチームの苦難を描いたドキュメントです。 これだけ長いスパンでプロジェクトに取り組めるのはNHKだからのでしょう。ロマンがとっても詰まってます。
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おもしろかった~。 泳いでいる動画が撮影されるまでは、まさに伝説の怪物だったダイオウイカ。 深海での撮影に成功したのは、プロジェクト最後の年、2012年。挑戦を始めてから10年!困難を極めたその過程を、ドキドキハラハラと読み進みました。 世界で初めての偉業を成し得た理由は、情熱や...
おもしろかった~。 泳いでいる動画が撮影されるまでは、まさに伝説の怪物だったダイオウイカ。 深海での撮影に成功したのは、プロジェクト最後の年、2012年。挑戦を始めてから10年!困難を極めたその過程を、ドキドキハラハラと読み進みました。 世界で初めての偉業を成し得た理由は、情熱や努力ももちろんだけれど、世界中の英知の結集と、そして「奇跡」。 それにしても半端ない大きさのダイオウイカを想像しながら、ギラギラとした表紙の写真の彼の眼をみると…迫力です(笑)
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そういえばテレビでやっていたな、と。ややミーハーな気分で購入。 実はタイトルをみて「夢を追う」こととか、「努力」について書いてあると想像して、購入を躊躇ったりもした。「夢を追って成功しました」なんて話なら、わざわざ(一般論でいえば美しくもない)「イカ」を題材にして読みたいとは思...
そういえばテレビでやっていたな、と。ややミーハーな気分で購入。 実はタイトルをみて「夢を追う」こととか、「努力」について書いてあると想像して、購入を躊躇ったりもした。「夢を追って成功しました」なんて話なら、わざわざ(一般論でいえば美しくもない)「イカ」を題材にして読みたいとは思わない。純粋な学者話ならまだしも、テレビを前提としているなら、大したことのない「ネタ話」になってしまうのがオチだ。 そんな躊躇を感じながら読んだけれど、かなり面白い。ところどころで「テレビマンはこんなに苦労しました」なんてニュアンスの話が出てくるけれど、そんな話は捨て置いていい。不親切ながら描かれるイカの生態に思いを寄せるだけでともかく面白い。 ときに「イカの飼育はとても難しい」なんて書いてある。さらに「養殖には成功していない」なんてことも書いてある。いったい養殖に成功すればどういうイカが食卓にのぼるのか。あるいは天然イカと養殖イカの違いは何だろうとか、はてさて、養殖ウナギは脂が付き過ぎるのが常だが、養殖イカにも脂がつくのだろうかとか、そういう話だけで数時間ないし数日は楽しい。 そんな、すごくつまらないことを面白がる変な人でも、かなり楽しめる本に仕上がっていると思う。
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ダイオウイカ。長期にわたり謎につつまれた生物を追い続け、ついに世界初の動画撮影をなしとげた舞台裏に迫る本。 しかし本著の中にもあるように、「静止画よりも動画を」とこだわった関係者の心理が、皮肉にも読み手にも理解できてしまう。 この本一冊で動画の感動を共有するのは難しいかもしれない...
ダイオウイカ。長期にわたり謎につつまれた生物を追い続け、ついに世界初の動画撮影をなしとげた舞台裏に迫る本。 しかし本著の中にもあるように、「静止画よりも動画を」とこだわった関係者の心理が、皮肉にも読み手にも理解できてしまう。 この本一冊で動画の感動を共有するのは難しいかもしれない。 是非Nスペ配信の動画を見ることオススメ。
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研究者の立場ではなく、番組制作者の立場でダイオウイカの撮影に成功するまでを綴った本。 なので、ダイオウイカの詳しい生態等が知りたいという人向きではないかと。 放映された番組では、美味しいところだけを1時間程度にぎゅっとまとめているのでわからないが、ダイオウイカを撮影するまでに10年近くを費やし、手探りで試行錯誤を繰り返す姿はぐっとくる。 ダイオウイカはそれだけの情熱を注ぐに値する、魅力あふれる生物であるということなんだと思う。 個人的には、撮影に使用された機材をどうやって開発したのかも気になるところ。
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ダイオウイカの映像をまたまたTVで見て、こりゃすごいと感動しました。イカを食べることも好きですが、ダイオウイカはアンモニア臭がきつくて食に向かないようです。ダイオウイカの撮影に成功する前の試行錯誤は番組の中で見えてこなかったので、興味深かったです。日本では窪寺先生の科研費がストッ...
ダイオウイカの映像をまたまたTVで見て、こりゃすごいと感動しました。イカを食べることも好きですが、ダイオウイカはアンモニア臭がきつくて食に向かないようです。ダイオウイカの撮影に成功する前の試行錯誤は番組の中で見えてこなかったので、興味深かったです。日本では窪寺先生の科研費がストップすることがあり、NHKでも撮影の企画が通らないほど見通しが立たない深海の生き物。最後はディスカバーとの国際共同制作で撮影に成功。アメリカでは海の生物の研究者が手厚く支援を受けている様子も伺えました。TVでは分からなかったことでしたが、おとりのソデイカを潜水艇から離して本物のように泳がせる工夫、ここにこだわって準備したことが成功の鍵だったように思えました。NHK「LIFE!~人生に捧げるコント~」に登場するイカ大王もすごく面白いです。撮影を試みているとダイオウイカは現われずアカイカばかりが寄ってくる。見付けてもがっかりされるアカイカがコントに登場するイカ大王に重なります。
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NHKで好評だったダイオウイカの番組ができるまでのドキュメント。なんと、このプロジェクト10年もかかっている。テレビを見ていると苦労は見えるが、こんなに時間がかかっているとは。今年は、深海モノが書籍でもよく売れているが、その発端がこの番組だったと思う。その裏に隠れていた苦労がよく...
NHKで好評だったダイオウイカの番組ができるまでのドキュメント。なんと、このプロジェクト10年もかかっている。テレビを見ていると苦労は見えるが、こんなに時間がかかっているとは。今年は、深海モノが書籍でもよく売れているが、その発端がこの番組だったと思う。その裏に隠れていた苦労がよくわかる。
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チェック項目11箇所。ダイオウイカが現れた時間は、わずか23分間、誰も成し得なかったことを、やりとげてしまった23分間、この物語は、その23分間のために10年の歳月と情熱を捧げた人々を負ったものだ。ダイオウイカの映像が放送された後、「世界で初めてダイオウイカを撮影して何の意味があるのですか?」と誰かがテレビで話していた、その通りなのかもしれない、でも、10年の物語は-変わらぬ夢をもち続け、逆境を跳ね返し、時にはばかばかしいほど熱くなる物語は-そこに意味があるということを、きっと教えてくれる。小笠原は世界でもっとも遠い場所なのだ、小笠原は東京都の島だが、東京からは1000kmも離れている、だが、問題は距離ではない、小笠原にはなんと航空便がない、船で行き来する以外に選択肢がないのだ。1998年、マッコウクジラの目の下に、くっきりとした巨大な吸盤の痕を発見したのだ、クジラの黒い皮膚に、丸い模様が点々と筋のように残っている、科学的には、マッコウクジラの胃の内容物がダイオウイカとの対決の決定的な証拠となるが、多くの人にそれをイメージさせるには、マッコウクジラに付いた吸盤痕の映像ほど明快なものはない。ダイオウイカの筋肉のなかには、液胞と呼ばれる、アンモニアを多く含む水の入った微小な袋が、多数分布している、その微小な袋がダイオウイカのグニャグニャとした身体の柔らかさを生み出している、イカ類は、そのままでは身体が海の底へ沈んでしまう、海水より身体の比重の方が大きいのだ、比重の小さいアンモニアを含んだ液胞を身体にもつことで、やっと沈まずに浮力が保たれる。じつは私たちが食用にしているスルメイカなどは、アンモニアを含む液胞をもたない、こうしたイカたちは、とにかく高い遊泳力で、沈むより速く泳ぐことで、生息環境の水深にとどまっている。「タコは8本、イカは10本」とはよく言うが、大人になると自然に2本の触腕が取れてしまう、8本腕のイカもいるのだ。2009年秋、小山と河野は、次こそはなんとか撮影を成功させようと、新しいカメラを開発した、その名も「期待の星・イカメラ4号」だ、期待の星・イカメラ4号は、1日にして、サヨナラとなった。数センチほどのダイオウイカの赤ちゃんは、わずか3年ほどで、10mを超えるまでに成長するという、生物のなかでも驚きの成長速度だ。マッコウクジラは社会性の高い動物で、仲間同士助け合って生きているとされる、捕鯨の時代には、1頭のマッコウクジラを撃つと、撃たれたものの周りを仲間が囲むため、一度に何頭も捕ることができたという、切ない話だ。
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