法服の王国 小説裁判官(上) の商品レビュー
まあ読み捨ての小説かと思い、図書館で借りて読んだ。昭和40年代から始まった自民党の司法支配の強化はよく調べて書かれている。実名で書かれている部分はドキュメンタリーそのもので、仮名で書かれているところも8割方事実そのものであり、山崎豊子と同じく、小説に名を借りたドキュメンタリー作品...
まあ読み捨ての小説かと思い、図書館で借りて読んだ。昭和40年代から始まった自民党の司法支配の強化はよく調べて書かれている。実名で書かれている部分はドキュメンタリーそのもので、仮名で書かれているところも8割方事実そのものであり、山崎豊子と同じく、小説に名を借りたドキュメンタリー作品で、わずかに創作が混じったものと言える。
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物語の序盤戦。 原子力に関する専門的な用語が出てくることなど、上巻の途中までは読み進めるのに少し努力が必要。 下巻まで読み進める価値はあるのだが。
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- ネタバレ
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これを読むまでは検察と判事の違いもよく分からなかったが、司法の内幕がよく描かれておりテンポもよい小説。 裁判所の中にも激しい出世競争はあるし、三権分立と言っても国会や内閣に比べると遥かにその力は弱く、原発や自衛隊などの国策に対して違憲の判断を下すことは政治的な圧力から困難なケースが多い(リベラルな裁判官が担当している場合は裁判官自身を転勤させて、保守的な裁判官に替えてしまうことも多いらしい)。 全体のテーマは原発問題で何とも正否が判断しにくい問題ではあるが、小説としては面白い。特に上巻は司法行政の歴史について大半が費やされており、途中に挟まれるエピソードも実際の事件ばかりでとてもためになった。中心人物についてはモデルとなった人物もWiki などで調べられる。 ・法服が黒なのは、どんな色にも染まらない公正さを表している
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これはすごい!すごいの一言。 ・裁判官の世界で、大阪は東京なにするものぞ、九州は吸収モンロー主義で干渉嫌い、名古屋は東にも西にもくみせず、という空気がある。 ・あの超タカ派石田長官が、公害訴訟で原告側のために疫学的手法による因果関係認定の導入に尽力した。 ・藤林長官は無教会キリス...
これはすごい!すごいの一言。 ・裁判官の世界で、大阪は東京なにするものぞ、九州は吸収モンロー主義で干渉嫌い、名古屋は東にも西にもくみせず、という空気がある。 ・あの超タカ派石田長官が、公害訴訟で原告側のために疫学的手法による因果関係認定の導入に尽力した。 ・藤林長官は無教会キリスト教徒としてひじょうに熱心で、就任会見では「わたしは裁判でも、アガペーをもってものを考えるのが基本でなければいけないと思う」と語った。
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