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ひばりの朝(2) の商品レビュー

3.9

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2013/10/14

人がイメージする自分と私が思う自分は違う。その狭間に転がり落ちてしまうと本人は息をすることすら出来ない。ヤマシタトモコは『HER』でもその姿を描いたが、場所を中学校に移したことでますます大人たちの不条理さ、若さゆえの残酷さが主人公を追い詰めていった。 大人びた、という言葉は冷たい...

人がイメージする自分と私が思う自分は違う。その狭間に転がり落ちてしまうと本人は息をすることすら出来ない。ヤマシタトモコは『HER』でもその姿を描いたが、場所を中学校に移したことでますます大人たちの不条理さ、若さゆえの残酷さが主人公を追い詰めていった。 大人びた、という言葉は冷たいと思う。性格に対してにしろ肉体に対してにしろ、幼ければ許される余地を殺してしまう。身勝手に無自覚的にそれを行い、善意ぶる人々の姿を鏡に写して見せるそんな漫画だと思う。

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2013/09/24

え、、、これって、そういうこと、、、?やめてー、、、。よかったのは希望どおり彼女が憲人とつきあったらしいことでしょうか。完ちゃんたまらん。引き金を引いたのは、しかし、さかのぼると富子になってしまうんだろうか。考えるとひたすら頭痛いです。とりあえずヤマシタさんすげーってことで。

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2013/09/16

久々にトラウマのように残りそうな漫画。色んな場面で思い出してしまいそう。 ひばりも、ひばりの周りの一人ひとりも、すべての人の気持ちがわかってしまう、から、嫌な気持ちになる作品だった。すごい作品だった。

Posted byブクログ

2013/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あれ、もう終わりなの?という気持ちで読んだら、なんだか消化不良のようなもやっと感・・・。 もともと気持ちのいい話ではないし、この手の話に突っ込んだら、白黒と結果はつかないとは分かってはいるんですが・・・。 作品を総じて未熟な部分も感じるけれど、あとがきを読んで、さらに作者の意思や姿勢をまっすぐに感じました。 人と付き合っていると、いつもうまく合わさるはずもなく、むしろすれ違いの方が多いような気もします。 気づくと大きな歪みが生まれていたりして、もうそこまで戻れなかったり、変えられないものもありますが、 それを変えようとしたり、また新しくつくろうとするのも私たちなんだな、と思います。 これからのひばりの人生を読者に託したのも、そういう意図があったのかな?と勝手に推測しています(笑) 次回作も期待しています。

Posted byブクログ

2013/09/14

やったね、やりきったね。もう傑作すぎる! 1巻で示されたささやかな悪意と醜い善意とが絡み合い物語は事態 は進行するが、何ひとつ状況は変わらず、何ひとつ解決しない。事態を展開させる可能性はことごとく芽のうちに摘まれる。この無力感この救いのなさ。 今年のベストはもうこれに決まりかなあ...

やったね、やりきったね。もう傑作すぎる! 1巻で示されたささやかな悪意と醜い善意とが絡み合い物語は事態 は進行するが、何ひとつ状況は変わらず、何ひとつ解決しない。事態を展開させる可能性はことごとく芽のうちに摘まれる。この無力感この救いのなさ。 今年のベストはもうこれに決まりかなあ。

Posted byブクログ

2013/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ヤマシタトモコ先生ってどんな話を書くのかな……? と思ったのが、この本を読もうと思ったきっかけでした。  一冊目を読んで、これは思ったよりもいけるかもしれない……って思ったので、二冊目を買いました。  二冊目が発売されているのを見つけて、それで完結している事を知って、慌てて買って読みました。  …………呆然としました。  まず、何を書いているのかわからない。  いや、それは薄々一冊目から感じていた事なんですが、大抵は一冊目に謎をばらまくだけばらまいて二冊目で回収にかかる。  それが定番。それがルール。  でもこの本はまるっとその辺りを無視してる。  ただきっと、それはこの人の書き方なんだって思うから、仕方ないと思うし、そこに文句を付けるつもりはない。  でも結局、最後に日波里はどうしたのかは知りたい。  わからないことがキモチワルイ……。  そしてもう一つ。  周囲の大人が全部、全部、全部、キモチワルイ。  いや、回りの人間が全部、やったことが間違ってるなんていうほどもう子供でもないけど、誰も、誰も、誰もが日波里の立場に立ってない。  でもそれが、普通……というか、誰しも自分が大事である事は確かだし、いきなりこんなヘビーな相談されたら、自分でもきちんと対応できるかどうかわからないし、そんな自信はない。  でも、敢えて言う。  キモチワルイ!!  善意の押しつけも自分を守るための言動も一つ一つが!  無理かもしれないし、無理だと思うし、私はそれでも善意の人でいたい……。  そして、こんな話を書いておいて、それを後書きでさっくりと口にしてしまう作者さんが怖いと思いました。  えーっと間違いなく病んでる時に読む本ではないと思うし。  好き嫌いは分かれる話だな、と思いました。

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2013/08/22

「形ある物はいつか壊れる」なんて言葉がありますけれども、これに続く文言によって意味合いが全く違ってきますよね。ヒバリちゃんは救われたのか。 まあ、ぶっちゃけ救われるわけがないと勝手に思っています(笑)。そう簡単に救われて堪るか、っていう変な意地もありますが、現実的にも救われた人間...

「形ある物はいつか壊れる」なんて言葉がありますけれども、これに続く文言によって意味合いが全く違ってきますよね。ヒバリちゃんは救われたのか。 まあ、ぶっちゃけ救われるわけがないと勝手に思っています(笑)。そう簡単に救われて堪るか、っていう変な意地もありますが、現実的にも救われた人間ってあんまりいない。だからこそ、人生をどん底から這い上がってきた一部の人間はTVで取り上げられたり、偉人に成ったり、とにかく有名になる。それ以外である意味救われる人間ってほとんどいないのではないでしょうか? いつしか慣れていって、それこそ「息を止めて」「平気」なように思い込んで生活している人がたくさんいるんではないかな。 ただ、それを抱えていても人間は死なないし、朝が何度もやってくる。だから、ヒバリちゃんは救われはしなかったけど、なんとか生活しているんじゃないかな。そうだといいなあ、と思います。

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2013/08/21

久しぶりに、「読むべきじゃなかった」と思わされた一冊。しかも、つまらない、のでなく、漫画としてレベルが高いのだからお手上げである 鳥肌が立った、悪寒に襲われた、とかレベルじゃなく、単純に吐き気を催してしまうほど、人間のおぞましい一面が、これ以上に無いほど、濃厚かつ高密度で描ききら...

久しぶりに、「読むべきじゃなかった」と思わされた一冊。しかも、つまらない、のでなく、漫画としてレベルが高いのだからお手上げである 鳥肌が立った、悪寒に襲われた、とかレベルじゃなく、単純に吐き気を催してしまうほど、人間のおぞましい一面が、これ以上に無いほど、濃厚かつ高密度で描ききられてしまっている ヤマシタ先生の繊細に見えて、読み手の心を抉れる暴力性も滲む画が、緻密なストーリーに拍車をかけている これは下手をすると差別発言になってしまうかもしれないんだが・・・女ってのは、とんでもなく汚らしいモノを、あんなに柔らかくて触り心地の良い肌の下に隠してるんですねぇ。容貌とか性格抜きで、怖い女は怖い、と思い知りました 第一巻であれだけ怖い目に遭ったのに、どうして懲りずに、第2巻を買い、読んでしまったのか、私。どうやら、既にヤマシタ先生の甘くて苦い毒を舐め続けなければならぬ体質になってしまっていたようだ・・・・・・ホントに、恐ろしい漫画家です、ヤマシタトモコ先生 心が脆い読み手が読んだら、一発で人間不信に陥っちゃうレベル。しかも、逆に、現時点で人間不信の気がある読み手なら、「世の中、こんな人間ばかりじゃない」と人間信に反転させちゃうだろう 『ひばりの朝』、とことん、極めて救いの無い、いえ、誰も救われず、救わない、恐ろしい漫画です、だから、皆、読んでください・・・この震えを誰かに伝染さない事には、嫌悪感で喉が詰まりそうなんで

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2013/07/29

ハッピーかバッドかはさておいて、ひばりの朝がきたのだなあ。高校ではきっと年相応というものになってきて、妙な空気は少なかったんだと思いたいんだけど、ひばりにとってはもうどうにもならなかったんだろうな。 こどもの持つぶしつけで純粋な悪意はこわい、と思うけど、こどもだった自分をわすれて...

ハッピーかバッドかはさておいて、ひばりの朝がきたのだなあ。高校ではきっと年相応というものになってきて、妙な空気は少なかったんだと思いたいんだけど、ひばりにとってはもうどうにもならなかったんだろうな。 こどもの持つぶしつけで純粋な悪意はこわい、と思うけど、こどもだった自分をわすれているので、いかにずる賢く顔をしかめるものだったかを考えない。よく描いたよなーとおもう。 関係ないけどヤマシタさんの「さいごのねむり」シリーズがすごいツボでめっちゃ笑ったんだけど同時にあまりの病みっぷりにうすら冷えた。

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2013/07/29

美知花の「子育て、失敗、残念でした。」 が、私の中で一番ヒットしました。 分かるんだよな…親の子育ての何が悪かったのか。当の親は分かってないけど。 誰かが感じた事のある、何らかの怒り、逃れる事が出来ない呪いなんかが分かりやすく描いてありましたねー。 ヤマシタ先生のおっしゃる「...

美知花の「子育て、失敗、残念でした。」 が、私の中で一番ヒットしました。 分かるんだよな…親の子育ての何が悪かったのか。当の親は分かってないけど。 誰かが感じた事のある、何らかの怒り、逃れる事が出来ない呪いなんかが分かりやすく描いてありましたねー。 ヤマシタ先生のおっしゃる「怒り」は、私の今感じている世の中への「恨み」にとても似ていて、代弁してくれたみたいで、仲間を見付けたようで、すっごい共感。 というか、ヤマシタ先生…ナチュラルに病んでるな…。うん、それが深いところまで根が張っていて、病院に通う程じゃないんだけど、常にちょっと暗いところから世の中を見てるというか。 さて皆さんが予想してるひばりの朝ですが、私は朝は来たと思ってます。 卒業するまで息を止めてやり過ごしたんだから、それなりの目標があったんだと思います。 例えば家出とか。 学校は卒業しないと就職も出来ないですからね。 計画的に、確実に、逃げる為の算段をしていたのではないでしょうか。 卒業式を一日ずらして母親に教えたってのも、一緒に卒業式に出て一緒に家へ帰るというシチュエーションを作らない為。 それまでは目を閉じて、息を止めて、口を閉ざす。 自分の小さい世界の全てを裏切る為に。 それは、ひばりの復讐で、解放なんだと思う。 私には出来なかった。 多分、ヤマシタ先生も出来なかったんじゃないだろうか。 もっと早くに気付いて、もっと早くに逃げ出せれば良かった。 静かな怒りを形にして復讐を遂げたひばりに、希望のようなものを感じる。 「私がわるい」と言っていたひばりが、「私はわるくない!」と叫んだ時に、彼女の世界の全てのものと決別したのだと思う。 心からの叫び。本当は自分ではなく、他の誰か、力ある誰か、ここから助け出してくれる誰かに言って欲しかった。並木がちょっと言ってたけど手は差し伸べてもらえなかったしね。 全部の拒絶。一人で生きていく決意。もう誰にも期待しない。死と同等の別れ。世界との別れ。そんなものがあの一言にあると思う。 良いラストだった。 私も世界を裏切る準備を始めたいと思う。

Posted byブクログ